見出し画像

一輪の悪魔(キラキラ3)

虫が怖いし、ポテトも食べないで先に帰ろうかと思っていたが、何故かコーラを飲みながら僕は、山本の姿をずっと見つめていた。
ポテトのように細くて長い指先と油でギトギトになった唇にはゾクゾクした。

そんな僕に気付いたのか、山本が僕の方を見て言った。
「たっくんって好きな人いる?」

このタイミングでその質問がくるなんて予想外すぎて頭が真っ白になった。

答えれないでいると、続けてこう言った。
「私はいるんだけどね、その人に告白する勇気がなくてさ。その人、高校の入学式の時に初めて見かけてね。それ以来ずっと好きなんだ。一目惚れ?ってやつだね」

(山本が好きな人だし、きっと明るい系の男子に違いない。)僕はとっさにそう思った。

人を好きになるなんて小学生の時、以来ない僕は、なんと声を掛けたらいいのか分からなかった。きっと大丈夫だよと言うべきなのか、それとも、思い切って告白しちゃえ!と背中を押すべきなのか。

何か言ってあげないとと、色々考えながらストローを吸い続けていたら、コーラが無くなってしまった。


ストローから口を放したタイミングで、僕は山本に伝えた。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?