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『人新世』:サステナブルな未来のための100のアイデア vol.8

サステナブルな未来のための100のアイデア(通称:サス100)』は、NPOグリーンズの植原正太郎が自学自習のために更新していくサステナビリティ探究マガジンです。

地質時代という概念

「地質時代」というあまり聞き慣れない時代区分があります。地質時代とは46億年前に誕生した地球の歴史の中で主な生物種族の生存期間に基づいて区分したものです。

地質学的な手法でしか研究できない分野であり、古い方から始生代,原生代,古生代,中生代,新生代に大きく区分されます。ざっくり言えば、始生代が細菌、原生代が単細胞生物、古生代がカンブリア爆発で多様な生物が誕生、中生代が恐竜で、新生代が恐竜以降の現在までです。

地質時代は火山の大噴火、地球まるごと冷凍化、隕石の衝突など、地球環境の劇的な変化によって生物は絶滅と繁栄を繰り返していることを理解するために必要な区分なのです。

現在の「新生代」の中にも区分があり、いま私たちが生きている時代は「完新世」と言って、1万1700万年前から始まった時代です。つまり縄文時代が始まった頃で、ご存知の通りそれ以降は地球上は比較的温暖で安定的な気候が続き、これまで人類は繁栄して来ることができました。

さて、そんな地質時代なのですが「今はすでに、新しい時代に突入している」という学説が科学の分野で議論されているそうです。

「人新世(アントロポセン)」とは?

人類の経済活動によって地球環境や生態系に決定的な変化を起こしている地質年代として「人新世(アントロポセン)」という言葉が提唱されています。古代ギリシャ語をベースにした言葉で「人類の時代」という意味だそうです。

「人新世」は1960年代頃から科学者の間で発案され、現在に至っても様々な地質学会で議論されています。まだ正式な地質時代として設定されているわけではなく、現時点ではあくまで非公式なものとして利用されているようです。人新世という言葉の誕生からこれまでの経緯が分かる記事はこちら。

地球誕生から人新世までのわかりやすい時代表はこちら(引用:朝日新聞デジタル)

ここ最近で「人新世」というキーワードは多くのメディアや活動でも取り上げられるようになっていて「人新世」をテーマにした写真集が発表されたり、日経サイエンスでも特集が組まれるようになっています。

「人新世」をテーマにした映画「天気の子」

新海誠監督作品「天気の子」がアメリカでも公開され大ヒットとなっているそうです。

すでに映画を観た方は分かるかと思いますが「天気の子」は「気候変動、その後」をテーマにした内容です。主人公の陽菜と帆高が「気候変動が起きてしまった世界でどうやって生きていくか?」ということが主題におかれています。天気の子の考察についてはこちらにまとめているのでご興味あれば。

「天気の子」が北米でも話題になっているのを見て「人新世をどう生きていくべきか?」という問いは、世界で共通の問いなんだろうなと感じます。

人新世の住居、経済、食糧、暮らし方、働き方、生き方…etc

地質年代が変わってしまったと言われる今、私たちがいま真剣に考えるべき問いなのかもしれません。

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そんなわけで今回のサス100は「人新世」をテーマに書いてみました。次回もお楽しみに!

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