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応援されている=生きていく理由


少し前、知り合いのご夫婦と半年ぶりに会った。
奥さんは私の一回り上で、旦那さんは奥さんより10歳ほど歳上。つまり旦那さんは私の父でもまあおかしくない年齢である。

私は学生の頃、個人経営の小さなカフェでアルバイトをしていてその時知り合ったのが旦那さん。そのカフェをとても気に入ってくれていて、いつも開店前から来てくれていた。
私が大学を卒業してからも交流が続いて、カフェの常連さんたち数名と一緒に旅行にも行くほどの仲だった。
奥さんもそのメンバーに入っていて、いつの間にやら二人は結ばれ、昨年めでたくご結婚された。

旦那さんはカフェにいた頃から私のことをいつも、本当にいつも褒めてくれた。
ある意味、ファンのような立ち位置だったように思う。
いつも冗談めかして「(私の名前)ちゃんには全国30万人のファンがいるんだから・・・」なーんて言っていた。その冗談は私を嬉しくさせた。
もちろん変な関係では無かったし、私からみた彼はどこか親戚のおじさんのような、遠いけど少し「そばにいると嬉しい」存在だった。

久しぶりに会った二人は新婚旅行の土産話を聞かせてくれた。
少し前までは他人だったふたりが、同じ家に暮らし、同じ苗字になり
一緒に外国にだって行けるのだ。私は残念ながら今までお付き合いした人と旅行に行った事がないので、愛する人と海外旅行だなんてまだ夢の話である。
純粋に「いいなぁ」と思った。「いいなぁ」と言った。

相変わらず、二人は私に優しい言葉をかけてくれた。
これからの進路に迷いがあること。
恋愛がどうしても上手くいかないこと。
どうしてもほどけない絡まった糸のような悩みを
できるだけシンプルに、伝えてみた。なんか、恥ずかしいし。

奥さんの方は、新卒ですぐ会社を辞めた時にも自身の経験と共にアドバイスをくれていた。

「焦らなくっていいからね」
「(私の名前)ちゃんなら大丈夫」

そんなありきたりな言葉だけど
なかなか人の口から生(なま)で聞くことのない言葉は
長いこと心の中に明かりを灯し続けてくれる。

久しぶりに他人からの「褒め」や「承認」というエネルギーを受け取り、
充電満タン!になったのもつかの間、結局は自分の問題とは自分で向き合って戦うしかないのだ。あゆも歌っていたじゃん、「答えなんてない、もしあるとしたら君はもう手にしてる」って。


余談:誰かの胸の中に明かりを灯す文章を書くことができたら、幸せだと思います。当面の目標です。


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