病気と薬のことは主治医に任せる

調子が悪いからだろう。躁鬱に対する探求が尽きない。坂口恭平もこう言っている。

鬱の奥義その6
「鬱状態のとき、好奇心がなくなったとかならず嘆く。しかし、実は持てるすべての好奇心を『躁鬱人とはなにか?』という問いの探求に注いでしまっているため、他に充てる十分な好奇心が不足しているだけである」

坂口恭平『躁鬱大学』

この方のブログに『精神科薬物治療を語ろう』という本の抜き書きがあったから見てみようと思う。そして、また「神田橋條治」の名前が出てきた。

このブログでは抜書きされているので、引用先をどうしたらいいか分からないのだが、とりあえず本の題名にしておこう。

てんかんの薬は近視がメガネをかけるのと同じ
あくまでも道具
自分が侵食される感じはない

『精神科薬物治療を語ろう』

僕は躁鬱病らしく、てんかんではない。ただ、躁鬱の薬はてんかんの薬でもあるらしい。僕はバルプロ酸や他の薬を飲んでいるが、正直効いているのか効いていないのかさっぱり分からない。ただ、薬を減らすと調子が悪くなる。それが思い込みなのか離脱症状なのか分からない。まあ主治医が薬を処方する限り薬は飲むつもりだ。今では、「まあメガネでもかけるか」みたいな感覚で服用している。

難治性の双極性にリボトリールが効く
テグレトール、リボトリールで薬を減らせる

テレビで言えば
抗うつ剤や抗精神病薬は画面のつまみを回している。
抗てんかん薬は電源を入れるとか切るとか、そのあたりで効いている。

リボトリールが効くのは天才
感性が優れている
芸術的才能がある

リーマスが効く人はお人よし、一緒に酒を飲みに行くにはいい

双極スペクトラムの人は窮屈な状態で我慢すると波が大きく揺れる

中学時代が一番窮屈 中学で登校拒否などになる

過剰活動が生きる上で心地よい
過剰活動にリボトリール

善意で行っているのだが、
みんなとペースが合わないから
自分勝手などと言われる

やらなくてもいいことまでやってしまう
双極性の人

『精神科薬物治療を語ろう』

僕は足がむずむずすることがあったので、このリボトリールが頓服で出ている。常用じゃなくて頓服というのが僕の主治医のやり方だ。僕の主治医は、「薬はあくまで補助的なものですから」とか「薬は飲まないに越したことはない」とか「これ以上薬を増やしたくないです」という。よく考えたらそりゃそうだ、と思う。まあそれで助かってはいるわけだが、薬で何とかならないかとも思う。上のようなことが書かれていると、リボトリールやリーマスを飲んでみたくなるじゃないか。ただ、「神田橋先生がこう言っているんです!リボトリールやリーマスを試したいです!」と主治医に言っても却下されるだろう。「はあ?」と言われるだろう。患者から薬をリクエストするのはどうかと思う。こっちは完全に素人で、相手はプロなのだ。リクエストしたからといってうまくいくとは限らない。病気や薬のことはプロに任せるしかない。そして、要は窮屈と我慢が躁鬱には合わないらしい。このあたりは、『神田橋語録』や『躁鬱大学』で何回も出てくるので、もうさすがに覚えてしまった。ちなみに僕は中学で登校拒否になってしまった。

根掘り葉掘りではない。
患者は「良くぞ聴いてくださった」と思う。

「何があなたの病気をよくしたようですか」
と聞いてみる

よくなった理由。
そこに一番いいデータがある。

悪くなった理由をみつけるのはあら探し

『精神科薬物治療を語ろう』

良くなった理由、あるいは調子が良かった時期が参考になると『躁鬱大学』にも書かれていた。僕にとっては小学生の時で、どうやらそこに「一番いいデータ」があるらしい。そして、これまでの神田橋先生の発言を見てきた通り、躁鬱には内省がよくないらしい。内省は僕が最も得意なものだ。

この他にも面白いことが書かれていた。漢方薬の話もでてきた。ただ、僕はこの漢方薬が効いた試しがない。以前風邪をひいた時に行った病院が漢方を出す主義の医者で、それで漢方を飲んだのだが、風邪を拗らせたことがある。それで他の病院へ行って、普通の「風邪薬」を飲んだらすぐ治ったことがある。また、湿疹やら、吐き気やら、鬱やらで漢方を飲んだことがあるが、ちっとも効かなかった。また、漢方は苦いし、毎食後飲まないといけないのが辛い。もちろん効く人もいるのだろうが、僕は漢方薬を疑っている。

大体、病気や薬に関することに意識が向いている時はマズイ。調子が悪くなると、こういったことを調べ出すようになる。病気のことや薬のことは素人が調べたところでどうしようもないと思っている。もう目の前の主治医に任せるしかないと思っている。

神田橋條治さんの考えはかなり面白く、神田橋先生のような人に診てもらいたいと思うが、実際のところ彼が言っていることや、やっていることが正しいのかどうか分からない。もしかすると「オカルト」なのかもしれない。
精神科医の方が、神田橋先生のことをどう思っているのかが気になる。

「基礎知識」さんのこの記事にはこう書かれている。

3)症状に合わせて使い分けるという医師

エビデンスを踏まえた上で、経験や感性を生かした処方をする。

精神科医には比較的多いタイプながら経験や感性が本当に正しいのか評価するのが難しい。

以下の本の著者でもある神田橋條治という超有名な精神科医は、患者に薬をかざして合う薬を見つけることができるという。
ちなみに私が知っているこの人の(自称)お弟子さんである精神科医は、「この薬の方が合う」と次々と薬を変え、あっという間にほとんどの患者を悪化させていた。

基礎知識 「抗うつ薬はどの薬を選ぶのが良いか 私の治療アルゴリズム」

直接的に神田橋先生を評価しているわけではないが、経験や感性を生かした処方が、「本当に正しいのか評価するのが難しい。」と言われている。

まあとにかく、神田橋先生の言っていることは面白いのだが、あまり傾倒するのもどうかと思う。ついつい主治医に「神田橋先生がこう言っているんです!」と言いたくなるが、これは慎まなければならない。やはり、病気や薬のことは目の前の主治医に任せて、自分に出来ることをコツコツとやっていくしかない。

そりゃ神田橋先生のように、自分のことをよく「分かってくれる」医者がいればいいと思う。精神科は他の病院とは少し異なるので、そう思ってしまうところがある。ただ、実際のところ難しいのだと思う。自分のことを分かってくれて、自分に合った薬を出してくれる先生を探し続けるわけにもいかない。だから僕は、症状を言って、薬を調整してくれて、簡単なアドバイスがもらえたらそれでいいと思っている。

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