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絵本「二平方メートルの世界で」を読みました。

 書店でふと手に取った絵本、「二平方メートルの世界で」がとても素晴らしかったので、紹介させてください!!

 主人公は、小学校3年生の女の子です。持病を持っているため、3歳から入退院を繰り返しながら治療を続けています。「二平方メートル」とは、入院中彼女が過ごす、ベットの広さ。孤独感を抱えながら入院生活を送る中で、彼女はとある大発見をするのですが…

 このお話は、現在小学5年生の前田海音さんの実体験がベースになっており、前田さんと絵本作家のはたこうしろうさんが一緒に作り上げた絵本です。自分が病気になったことの不条理さや、治療の辛さ、入院中の孤独感、家族への申し訳なさなど、自分もがん治療を受ける中で感じたことばかりで、とても共感できました。と同時に、前田さんは小3で同じことを「考えざるを得ない状況」であった訳で、それはとてもとても大変なことだったろうな…と思います。そして、「病と向かい合う」ということは、実年齢が何歳であっても、精神的に大人になるしかない出来事なのかもしれないな、と感じました。

 前田さんは病室での「大発見」をしたことで、とても勇気づけられます。私は前田さんと全く同じ「大発見」をした訳ではないけれど、twitterやnoteなど、ネットを通じて同じような気持ちになりました。病気と向き合う辛い経験をしたことがある人は、病気の種類に関わらず共感できるお話だと思います。そして、優しく背中を押してくれる1冊でもあると感じました。

 温かみのあるはたこうしろうさんの絵もとても素敵で、とても爽やかな読後感です。もし、今病気の治療中で孤独に押しつぶされそうな人がいたら、ぜひ手に取ってもらいたいな、と思います。これは、前田さんの物語ではあるけれど、色々な病と向き合っている私たちの物語だ!と強く思いました。前田さん、素敵な作品をありがとう!!

「二平方メートルの世界で」文/前田海音 絵/はたこうしろう


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