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病院で見た景色

 手術を受けた病院へ通院。診察室の前で待っていると、病室から出てきた女性がいました。50代位の方でしたが、呆然とした様子で涙を流されており、看護師さんに「こちらでお話しましょうか」と肩を抱かれて廊下を歩いていきました。

 ああ、きっとなんらかの告知を受けて、ショックを受けられたんだろうな…とこちらも辛くなりました。私は検査結果を聞きに行った時には、家族もいてくれたし、一応最悪の想定をしており「がんの中でも予後のいい乳頭がんで良かった」と思えました。でも、何の心の準備もないまま、1人で告知を受けたら、きっとショックを受けるに違いありません。がん=死のイメージがある世代であればなおのこと。看護師さんと話をした後は、家まで無事にたどり着けたのかな、前向きな気持ちになれているのだろうか、と心配になってしまいました。他人事とは思えませんでした…

 がんの告知を受けた直後に、病院で色々な患者会の紹介をしたり、がんに影響を受けた人を支援するマギーズ東京のパンフレットを渡したり、といった心のケアまでしてもらえたらいいのに、と思いました。

 自分ががんを経験して感じるのは、病気の治療そのものはもちろん主治医が力になってくれますが、気持ちのケアについては完全に患者任せなんだな~ということ。前向きに病気と向き合うためにも、心のケアができる場所とつながるきっかけがあったらいいのにな、と思います。

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