湯川真子
なんか言いたくなったときに短歌にすることが多いので、まとめておきます。
★「外出自粛生活」をきっかけに、積もり積もった過去の一人旅を振り返る投稿を始めました★2023年、一人旅を振り返る投稿を続けます 「『旅行』はレジャー、『旅』は人生」が持論である。私のそれは、全てが旅である。目的も動機も要らぬ旅である。 「計画」を好まず、移動に時間をかけることを好む。夜行バス、夜行フェリー、鈍行列車、徒歩など。 ガイドブックや観光サイトには絶対に載っていない、そこに行かなければ見られない景色を見る。そしてそれをできるだけ詳細に、そのときの心境とともに、しっかり心に刻むのだ。 その後の人生で、或る地名を聞いたとき思い浮かべる風景に、どれだけ自分のオリジナリティを出せるか。画像検索で並んでいそうな短絡的な静止画のイマジネーションには、うんざりしてしまう。 だから、名物にも名所にも、正直そこまで興味はない。 「そこに私が行ったら何が起きるのか」。それだけが、旅を意味づける。
親友が転校し、さびしい気持ちをかかえる実加。そんな中、近所のおばあさんとひさしぶりに再会し気づいたこととは……。
小学校生活最後の夏休み。終わらない宿題と消化不良のワクワク感の間で鬱々とする悠太に、ちょっとしたイベントが舞い込んだ。そんな中、ふとしたことをきっかけによみがえる記憶とは……
大衆酒場が好きだ。 「大衆酒場」という言葉が好きだ。 ――好きな四字熟語?「大衆酒場」かな。 2020年。一人暮らしの家で、一人で飲む機会が増えた。もともと適応能力みたいなものはある方なので、「外で飲むのをガマンしている」という感覚はそんなになくて、「必要なことだから」「今はそうする」という淡々とした気持ちでそうしている。 だけど、昼でも夜でも外を歩いていてふと「大衆酒場」の4文字が目に入ると、なんだろう、ものすごく癒やされる。その文字を見るだけで、ふわーっと癒や
同じ店ちがう気持ちで飲んでいたちょうど何年か前の正月年末年始、束の間を家族と過ごし、残りの正月休みを一人マイペースに過ごす。 何年か前の正月も、同じ店で一人飲んでいたことを思い出す。その時の自分の状況や、考えていたことも思い出す。 「あれは何年前だ?」はっきりとは分からないけど、「❝ちょうど❞何年か前だ」ということが分かるのは、あの日も確かに「正月」だったからである。やっぱり正月って特別なのだ。 飲食店勤務の時代には私も毎年元日の早朝から働いたものだ。働く人がいてくれる
ハムカツの断面だけを待っていて指に油の光る人いてハムカツは、揚げたままの姿で運ばれてくることもあるが、できることなら断面を見せて運ばれてきてほしい。そう、待っているのはハムカツそのものではなく「ハムカツの断面」であると言っても過言ではない。 ハムカツの断面を待ちながら思うのは、ハムカツを切る瞬間。サクッと包丁を入れるその人の指には、油が光っていることだろう。
カルピスの記憶をたどる「今治の焼き鳥」と瓶ビールを2本愛媛県の今治を訪れるのは約二十年ぶり。前回、私はまだ十代だった。十代だったので、前回は今治名物「焼き鳥」にカルピスを合わせた。 今治の焼き鳥といえばこれ。鉄板の上から、大きなコテで肉を押さえてジュージューと焼く。 カルピスの記憶を懐かしくたどりながら焼き鳥をつまむ。あっという間に瓶ビールを2本空けていた。
花畑みたいなちらし寿司に冷たさ添えて灼熱の海べり北茨城市内のお寿司屋さんでランチ。 お酒のメニューが見当たらず、勇気を出して聞いてみる。ありますよというので、生ビールをお願いした。 目の前のケースからネタを取り出して、1つずつ丁寧に。じっくり時間をかけて作られた「ばらちらし」がうれしい。 真夏の日差しを受けながら海岸をずっと歩いた。 野口雨情記念館では、懐かしい歌の数々に触れた。海の見える会議室も素敵だった。
図書館の前にちょこっと瓶ビール→「酒気帯びの方ご遠慮ください」午前中に通院があり、午後は図書館に行きたくて、お昼に立ち飲み屋の肉味噌もやしで軽く腹ごしらえ。ビールを1本だけ。 ところがそのあと図書館に行ってみると、入り口に「酒気帯びの方はご遠慮ください」との貼り紙が。見なかったことにして入館…(ごめんなさい)。 読みたかった本が3冊とも書庫にあったので、手続きをして出してもらう。窓際の個人席に座ることができた。苦手なクーラーが効きすぎているんじゃないかと心配したが、快適な
麦茶みたいなコップ。ビールも麦だしね。鏡に見つめられながらお昼時、定食メニューが人気の店。のれんをくぐると、仕事の昼休みであろう雰囲気の男性たちが、大きなコの字カウンターを囲んで大盛りのごはんを気持ち良く掻き込んでいた。 店内中央を占めるそのカウンターが満席なので、私は壁に面したカウンター席に通される。目の前に鏡があって、「飲み過ぎるなよ」と自分自身に見張られているようで。 瓶ビールを注文すると、出てきたコップが可愛らしすぎて、そこに液体を注ぐとまるで麦茶に見えてくる。で
あっちの人の枝豆が来たら伝えよう厚切りハムカツまぐろ初訪問の立ち飲み屋。ドラム缶のテーブルは一人にぴったりサイズ。開店と同時くらいに入ったところ、「スーパー常連」のオーラを放つ女性と二人きりに。新顔の私に何か話しかけてくるかしらとそわそわしたけど、そういうタイプではないみたい。 注文は奥のカウンターで。飲み物はその場で現金と交換。料理はあとから運んで来てくれて、ドラム缶の上のザルに入れた現金から引かれていくスタイル。まずは瓶ビールをもらう。 スーパー常連のオーラの女性がカ
なんか言いたくなったときに短歌にすることが多いので、まとめておきます。→短歌 ------------------------------ 雨音は ふとんの中の私に刺さる 小さな針のようでいて ------------------------------ 淡々とした雨音だけが聞こえる静かで暗い夜の部屋。ふとんにもぐって耳からの情報だけを取り入れていると、まぶたの裏に浮かんできたのは小さな無限の針。痛いようで、だんだんと慣れてくる。今日の憂鬱も明日の不安も忘れて、その美しい
これは、2017年4月の話。 ※ 2021年、外出自粛をきっかけに過去の一人旅を振り返るシリーズです。時系列は順不同で気まぐれにお届けしています。 まとめはこちら「旅行ではない旅の記録」 This is 熱海 そこそこ遠い場所でもふらっと行ってしまう私なので、近場の熱海ともなれば、着の身着のままで行ってしまう勢いだ。 なんの目的も予定もなく、駅を降りてもしばらくは地図すら見ずにふらふら歩いた。 おまんじゅう屋さんとか お湯かけ地蔵とか駅前の足湯とか、いろんなとこから湯
今日はやめとかなきゃって思ってたんだけど、いますぐ飲まずには帰れない気分になり……飲んでいます。 初めて入る店でもいかんなく発揮されるのが、一人飲みならではの注文センス!!皆さんと飲むときは自信ないからお任せしちゃうのですが、私って注文のセンスあるぅ~、とひそかに思いながら飲むのは気分がいいものです。 ななめうしろの、同じく一人飲みの女性が「1杯目ハイボール、2杯目生ビール」というなかなか個性的な注文を繰り出していて意識してしまいます。3杯目はなんだろう??
グループ客が騒ぐ居酒屋のカウンターの片隅でひっそり飲むのが好きである。それはそうと、この「チーズハムカツ」はあまりにも禁断の食べ物であった。 うしろで騒ぐおじさんサラリーマン集団の一人が感極まって泣き始めた。木曜にあんなに酔っ払って大丈夫なんだろうかと思うのだが、まったく余計なお世話にもほどがある。私はビールと緑茶ハイを1杯ずつ飲んで、新人の店員さんのレジの打ち間違いにも笑顔で応対する。 帰りの夜道で出くわしたのは、「スキー」を朗らかに歌い上げているおじいさん。「山はしろ
なんか言いたくなったときに短歌にすることが多いので、まとめておきます。→短歌 --------------------------------------------- 好きな○○はなんですか ○○に入れると変なことばは多い (すきなまるまるはなんですか まるまるにいれるとへんなことばはおおい) --------------------------------------------- 小学校1年生のクラスで教育実習生が自己紹介をしたときのこと。「じゃあ、先生に質問はある
去年は中止になった「東京エクストリームウォーク」、今年は来月開催の予定。 おととし、このイベントに参加したときのことを、ちょっと書きますね。 ***** 2019年11月2日〜3日「第2回 東京エクストリームウォーク100」に参加した。一言で言うと、「100キロをひたすら歩く」イベントだ。 スタートは神奈川県の小田原城址公園。朝9時にスタートし、夜通し歩いて翌日の昼までに東京・築地を目指す。制限時間は26時間。湘南の海岸沿い、ランドマークが立ち並ぶ(私の地元)横浜、多
2007年1月、大学5年生だった私がカナダのプリンスエドワード島にホームステイしたときの話。 プリンスエドワード島シリーズ、復路のハプニングの話で完結篇としたいと思います。 ちなみに往路のハプニングについてはこちらから。 往路の成田→トロント→モントリオール→プリンスエドワード島という乗り継ぎを、今度は逆向きに帰る。 最初の飛行機は、島からモントリオール行きの朝6時台の便。その日は朝から猛吹雪だった。空港まではタクシー。日本から来たと言うと、運転手さんが「Fukuok