ユーザー目線で磨く技術力とチームの結束
direct開発部 副部長の宮本さんにプロダクト開発のビジョンやチーム育成について伺いました。お客様のお困りごとを解決しつつ、幅広い用途に対応する重要性や、分散型開発環境でのコミュニケーション方法、そしてユーザーの声を反映したものづくりへの宮本さんの熱意が伝わるインタビューとなっています。
キャリアの転機と現在の役割
ーー最初にキャリアと現在の役割についてお伺いしたいのですが、前職のジャストシステムからL is Bに転職を決意した理由を教えていただけますか?
ジャストシステムを退職してすぐにL is Bに入社したわけではなく、一度フリーランスのエンジニアとして活動していました。開発は昔から好きでしたが、ジャストシステム時代に働きすぎていた頃があり、結婚して家族もできたこともあって時間の使い方を考え直そうと思っていました。その頃、ワークライフバランスを重視している企業の方々とお会いし、新しく誘致される企業でWebアプリやスマホアプリの開発を行うフリーランスを探しているという話を聞きました。これがきっかけでフリーランスとして活動することになりました。
ーーフリーランスとしてはどのくらい活動されていたのでしょうか?
約1年半です。その間に当時は直接的には知り合いではなかったL is Bの代表である横井さんからFacebook経由でL is Bでの仕事の誘いをいただいたこともありました。しかし、その時は他の仕事の兼ね合いで、ご一緒することはできませんでした。ただ、L is Bには優秀なエンジニアたちがいることは知っていて、いつか一緒に仕事ができたらいいなと思っていました。その後、L is Bで働いている前田さんからも声をかけていただき、L is Bへの入社を決めました。
ーー現在はdirect開発部の副部長というポジションですが、具体的な業務内容について教えてください。
副部長としての業務は、部長の前田さんを助けることが主な責務です。前田さんは開発内で起きている事柄の把握と情報収集を行っており、その上で取り組むべき課題を整理しています。その他にも、directの機能開発の進捗管理や採用活動など多岐に渡る業務を行っています。イメージとしてはプロジェクトマネージャー兼エンジニアリングマネージャーで、その役割の一部を私が分担しているという形になっています。
情報収集のわかりやすい例としては1on1があります。現在、サーバー開発に携わっているチームの1on1は前田さんが担当しています。一方、クライアント開発に携わるチームは私か各チームリーダーが1on1を担当しています。チームリーダーが1on1を行う場合には私はオブザーバーとして参加しています。
前田さんと私は定期的に情報を突き合わせてるので、それを通して各チームの状況を把握し、必要に応じてアクションを起こせるようにしています。
directの開発体制と機能開発の流れ
ーーdirect開発部では9週間ルール*がありますよね。これについて教えてください。
(*9週間ルール:L is Bでは、お客様のご要望を定期的に新機能に反映するという独自の「9週間ルール」を設けて日々開発を続けております)
はい、9週間の内訳は以下のようになっています。
機能開発が3週間、負債返済期間が2週間、テスト期間が3週間、その後にリリースを行い、最後に「価値ある1週間**」が設けられています。
機能開発期間は、計画に基づいて新しい機能を開発するための時間です。負債返済期間は、システム内に蓄積された「ひずみ」を解消するための期間として確保されています。
また次の開発ロードマップのキックオフも、この負債返済期間の始めに行われるようになっています。この期間には、機能開発を円滑に進めるための準備や実装の把握、構造整理も行っています。
テスト期間は、自動テストとは別に、テスターによる手動テストを実施する機会です。そして、「価値ある1週間**」は、社員が新しいことにチャレンジできる時間として確保されています。
(**価値ある1週間:四半期に一度、エンジニアには自由に使える時間があり、技術情報の収集や学習をしたり、各自の裁量で自由に過ごすことが可能な期間です)
リリース後には緊急対応が必要になることもありますので、その影響を緩和するためのバッファー期間としても機能しています。このようにして、計画的な開発と技術的負債の解消を両立させています。
ーーdirect開発で特に宮本さんが大切にされている部分や観点などがあれば教えてください。
“困りごとを解決すること”と、“汎用的に使えること”を両立することを大事に考えています。「こういう機能が欲しい」という要望から、「こういうところで困っている」というところに焦点をうまく変えることで、重要なポイントは外さずに、仕様検討の幅を広げることができるかなと考えています。
そうすることで、できるだけ多くの人が使える機能に変えていけるよう、議論しながら開発を進めています。
ーーチームの意見をもとに開発フローを改善しているという話を聞きます。どのようにフローに活かしたり改善したりしているのか、具体例を教えていただけますか。
1on1やチームの振り返りで出た意見のうち、必要なものはdirect開発部全体の振り返りでも共有してもらっています。その振り返りの中で、「これを試してみよう」と決めたものを次のリリースサイクルで実際に試すようにしています。
例えば、”機能開発のキックオフを早める”というのも、1on1やチームの振り返りで出た意見が起点になって早まったものです。また、キックオフの後に機能担当者を決めているのですが、その中から情報の整理に責任を持つような代表者を決めて進めるようにしたというのも、開発フローに組み込まれました。これも1on1や振り返りから出てきた意見がきっかけになっています。
いろいろ試行錯誤しながらやっているので、おそらくこれからも少しずつ変わっていくかなと思っています。
分散型チームマネジメントとリモートワークへの取り組み
ーー拠点が離れている分散型開発環境では、どのようにコミュニケーションを取っていますか?
私たちは主に以下の方法でコミュニケーションを取っています。
基本的なコミュニケーション:
ビジネスチャット「direct」を使用したテキストコミュニケーション
会議や技術的な相談が必要な際はビデオ通話を活用
日々のチームコミュニケーション:
各チームで毎日会話する時間を設定
例:Webチームの朝会(5〜10分程度)
朝会の内容:
問い合わせ状況の確認
レビュー中のプルリクエストの状況確認
開発中の項目で困っていることの共有
締め切りがある項目の確認と必要に応じた相談
現在、チームメンバーとともに、この朝会を通じて全員が同じ情報を共有できています。一つのダッシュボードを見ながら、各項目の状況を確認しています。
この方法の効果として、以下が挙げられます。
毎日のリズムを作り出す
見逃しや忘れを防ぐための自動的なリマインド機能
複数の目で情報を確認できる
このようなコミュニケーション方法により、分散型環境でも効果的な情報共有と協力体制を維持しています。
ーーリモートワークによる効果的な開発プロセスについて教えてください。
今はツールの進化によって、オフィスにいなくても他の拠点の人とコミュニケーションしやすくなっています。そのため、昔よりも遥かにリモートワークがしやすくなっていると感じています。特に、ビジネスチャット「direct」はリモートワークを行う上で欠かせないツールだと思っています。
効率的な開発プロセスが実現できているかどうかはまだ分からない部分もありますが、リモートワークをする上で気を付けていることがあります。それは、できるだけ一つのオフィスにいるときのコミュニケーションに近づけるようにすることです。具体的には、すぐに返答できる質問には迅速に返答するよう心掛けています。また、返答に悩んでしまう場合でも、リアクションだけは早めにするようにしています。
このような取り組みによって、リモートワーク環境でも円滑なコミュニケーションを維持し、効果的な開発プロセスを進められるよう努めています。
エンジニアの成長支援と育成
ーーチームメンバーへの育成支援について教えてください。
最初が一番肝心なので、新しいメンバーが最初につまずかないように気を配っています。何年か前に、新しい人が開発環境の構築でうまくいかずに苦労していたことがありました。それを受けて、手順を見直したり、ドキュメントを整備したりして、つまずかないようにしてきました。
その他に考えていることとしては、まず開発体験の良い部分に触れてもらい、理想的な体験を先に体感してもらうようにしています。そうすることで、他の部分に取り組む際に自分で違和感に気づき、改善しようというモチベーションが湧くようにしています。また、幅広くコードベースに触れられる課題も早めに体験してもらい、その後の不具合修正や機能追加のタスクに取り組む際の良い足掛かりとなるようにしています。
このような取り組みによって、新しいメンバーがスムーズにチームに溶け込み、効率的に作業できるよう支援しています。特に、チーム加入のタイミングでのサポートに重点を置くことで、チーム全体の生産性向上と新メンバーの自信構築を同時に達成することを目指しています。
ーーエンジニアとしてキャリア成長支援についてはいかがでしょうか?
その人にとって少し難しいと感じられる程度の仕事を任せるよう心がけています。それがその人ができることの幅を広げて、キャリアを発展させることにつながると考えています。
ある程度難しい仕事、難しい開発を任せることで、設計や実装の力はもちろんのこと、早めの相談や、様々な段取り、落としどころを見つける力など、物事を進めるのに必要な能力が試されて磨かれていくので、そういった力をどんどんつけていってもらいたいと考えています。
そして、その後に1on1を通して一緒に「こうだったね」という経験の振り返りをする中で一緒に経験を咀嚼し、成長を見守っていければと思っています。
このアプローチにより、チームメンバーの成長を促進し、同時に彼らの経験を深めることができると考えています。難しい仕事に挑戦し、それを乗り越えていく過程で得られる学びは非常に大きいものです。そして、1on1でその経験を振り返ることで、さらに学びを深め、次の挑戦への準備ができるのです。
プロダクト開発のVisionと今後の展望
ーーここからはプロダクト開発のビジョンや今後の展望についてお話を伺いたいと思います。まず、directが目指しているサービスの姿について教えていただけますか?
directに限らず、L is Bはお客様の仕事のコミュニケーションを助けるための道具を作っています。目指しているのは、例えば「仕事が楽になった」「早く帰れるようになった」「社内の雰囲気が良くなった」と言ってもらえるようなサービスです。directを通じて誰かの人生の助けになるような仕事ができたらいいなと思っています。
ーーユーザーにとって具体的にどんな価値を提供したいと考えているのでしょうか?競合他社のサービスと比較して、direct独自のものはどのようにお考えですか?
directの特徴としては、以下の点が挙げられます。
セキュリティ面:ゲストモードをはじめとした充実したセキュリティ設定。
柔軟な管理:組織という仕組みを使って、それぞれのお客様に合った運用が可能です。
UIのわかりやすさ:年配の方でも教育コストなしで利用できるという声もあります。
迅速な改善:営業や商品戦略部が集めたお客様の情報を早いサイクルでプロダクトに反映させています。
これらはdirectだけでなく、L is B全体の強みでもあります。お客様に近いという点が、我々の大きな特徴だと思っています。
エンジニア志望者へのメッセージ
ーー最後に、エンジニア志望者に向けてメッセージをいただけますか?L is Bでエンジニアとして働くことの魅力について教えてください。
L is Bでは、お客様の仕事のコミュニケーションを助けるために、お客様の声を聞きながら機能改善を繰り返しています。そこでやりがいを見出せる方は、ぜひエントリーしていただきたいと思います。
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