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お金のリテラシーを身につけてもらおう!【お金の教育事業紹介2/2】

Living in Peace(以下、LIP)こどもプロジェクトは2018年より、社会的養護下の子どもたちを対象とした「お金の教育事業」を行っています。

これは、さまざまなコンテンツの提供を通じて、子ども達に今後の人生に必要な「お金のリテラシー」を身に着けてもらうことを目的とした事業です。

後編の記事では、前編で紹介した課題解決に向けてLIPが取り組んでいる事業内容について紹介します!

お金についての早期意識づけ講座(小中学生対象)

前回の記事で解説した課題解決のため、お金の教育事業では子どもたちの年齢に応じて、2種類の取り組みを展開しています。

ひとつめは、お金についての早期意識づけを目的とした講義の開催です。主に小中学生を対象として、以下のような講座を開催しています。

講義テーマ ※最新の構成とは異なる場合がございます

十分な理解と双方向性を保つために、講義は参加型のワークショップ形式で開催。講座を通じて、お金のリテラシーについての理解を深めていきます。

金融業界で働くメンバーが、本業の知識と経験を活かして子どもたちをサポート

「お金」というとその間口は非常に広いですが、お金の教育事業では注力すべき領域を下表のとおり整理しています。

世の中には、すでに「お金」にまつわる一定の優れたコンテンツが存在しています。しかしそれでも、社会的養護下の子ども、奨学金や施設退所後の生活などに特化したコンテンツは多くありません。

そこで私たちは、子どもたちの生活に密着した領域を中心に講義を実施しています。

なお、2022年度より高校での金融教育が必修化されます。教科は家庭科で、お金を管理・運用する「家計管理」という実践的な内容となるようです。

しかし家庭科の授業の一部という限られた時間のみで、前編で紹介したような課題をすべて解決できるかといえば、難しいのではないでしょうか。

LIPでは授業の具体的内容について引き続き調査していく一方で、社会的養護下の子ども達にとって不足するところは何かを見極め、よりきめ細かな対応をしていこうと考えています。

なお2022年現在においてはコロナ禍のため、主にオンライン形式で講座を実施しています(コロナ禍前は児童養護施設に訪問する等の形で開催)。
オンライン環境が整っていれば全国での講座開催が可能となっておりますので、講義をご希望の児童養護施設様は、お問い合わせフォーム等で是非ご連絡ください。

進学シミュレーションシステムの提供(高校生対象)

もうひとつの取り組みは、大学等へ進学を希望する高校生を対象とした、マネーシミュレーションツール「LIP進学シミュレーション」の提供です。

「LIP進学シミュレーション」画面イメージ

「LIP進学シミュレーション」は、Living in Peaceが独自に作成したオンラインツール。

簡単な選択肢などに沿って入力するだけで、進学から卒業までに必要となるお金を簡単にシミュレートしてグラフ化することなどが可能です。

Living in Peaceはこれまで、進学希望の高校生向けに、大学生活におけるファイナンシャルプランニングのセッションを重ねてきました。

いくつかのパイロットプログラムで印象的だったのは、セッションを終えた高校生達や施設職員が安堵の表情に変わったことです。

セッションに参加するまでは進学後のお金について不安を抱えており、まだ追加で奨学金をとるべきなのか真剣に悩んでいたようですが、セッションを通じて収支プランをグラフ等で見える形にして意見交換を終えると、大いに安心感を持てたようでした。

そして「この経験をシステム化すればより多くの社会的養護下の高校生に向けて展開できる」と考え、誰でも無料で使用できるwebシステム制作に取り組みました。

  ▷進学シミュレーション用webシステムの特徴
LIP進学シミュレーションシステムでは、より多くの子どもたちや施設職員さんにご活用いただけるよう、以下のような工夫を施しております。

《使いやすさについての工夫》
・「かんたんシミュレーション」「しっかりシミュレーション」の2種類を用意しています。
・シミュレーション結果が表やグラフで現れ、また、簡潔なアドバイスコメントも表示されます。
・シミュレーション結果を保存することができ、過去のデータを参考にして何回も試すことができます。
・スマホ対応となっています(パソコンでも使えます)。

《コンテンツのクオリティ向上の工夫》
・自立支援コーディネーターのアドバイスを受けて作成しています。
・入力ガイド(進学後の情報まとめ)に、進学後のお金にまつわる情報を集約しています。
・LIP進学シミュレーションシステムを利用した、個別のオンライン相談会も準備中です。

今後もユーザーからの意見を伺いながら、より良いシステムに育てていければと考えておりますので、気になる点があればぜひご連絡ください(お問い合わせフォーム)。

  ▷想定使用シーン
なお、「LIP進学シミュレーション」は、子どもたちの利用シーンとして、以下の2通りの場面を想定して制作されています。

ひとつは、子どもが施設職員さんと一緒に利用するシーン。もうひとつは、子どもが1人で利用するシーンです。

シーン① 施設職員と一緒にシミュレーションを行う
「LIP進学シミュレーション」を利用すれば、進学希望の高校生と施設職員で対話をしながら、効率的かつ効果的に個々のシミュレーションができます。これにより施設職員の手間を減らすことが可能です。

シーン② 高校生ひとりでシミュレーションを行い進学イメージを養う
「かんたんシミュレーション」を使えば、ひとりでも短時間でシミュレーションができます。また追加で「しっかりシミュレーション」を行うことで、さらに進学後の生活に必要な情報を知ることもできます。

より多くの方々に、それぞれの状況に適したかたちで利用いただけると幸いです。

「支援する人」を支援するということ

なお、上記ふたつの取り組みは、いずれも「支援する人を支援する」というスタンスのもとに行なっています。

これはなにより、現場で日々子どもたちと向き合っている支援者の方々を尊敬しているからです。

今後も、常日頃から子どもたちに寄り添っている「支援する人」たちと協力しながら、講座運営やシステム改修などを進めてまいります。

LIPのお金のリテラシーに関するコンテンツが、支援者の方々の負担を減らす一助になれば幸いです。

-お知らせ-

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