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双子のライオン堂書店「一日学校イベント」

2018年1月20日にライオン堂が一日だけ大人のための学校になりました。

生徒は6人、先生は5人みんな大人ですが今日だけは生徒と先生の気持ちで勉強をしていきます。

時間割は1時間目「数学」、2時間目「国語」、3時間目「美術」、4時間目「理科」、放課後に「文芸部」となっています。

1時間目の「数学」では東京都の公立高校を受験する中学生が挑戦する入試の問題をみんなで解きました。受験生だったら満点間違えなしの問題ですが、大人のみんなはどうでしょうか。。。

2時間目の「国語」では連句会を行いました。松尾芭蕉から始まった連句という575と77をみんなで考えながら句の世界観を広げていく文芸の遊びです。短い授業時間なので、考える時間は2分だけという厳しい制限でしたが生徒のみなさんから様々な句が披露されました。

3時間目の「美術」は講義。フランスやドイツで形成されていた芸術家コミュニティーの歴史を勉強しました。お昼前でしたが集中力の切れる生徒もおらずみんな真剣に先生の授業を受けていました。都会から地方へ解放を求めるように集まった芸術家たちがどのような目的を持っていたのか作品や芸術家村の写真を見ながら勉強しました。

4時間目は「理科」。みんなが大好きな実験の時間です。当日は嗅覚や香水、香道についての話を聞きながら水蒸気蒸留で香りの抽出を行いました。実験材料となったのはローズマリーと古本!古本の香りは会場の全員が納得する古本の匂いでした。埃っぽいような甘いような古本屋さんの香りが会場に広がりました。

文芸部は「読書会」を行いました。サリンジャーの『ナイストーリーズ』から「笑い男」をみんなで音読しました。中学生の時代にサリンジャーの作品に触れた人も多いのではないでしょうか?一人で黙読するのとは違う体験をしてから感想を話し合いました。


ショートホームルームが始まる朝9:30から部活動の終了17:30まで一日たっぷりと勉強しました。またいつの日か双子のライオン堂学園でお会いしましょう。


最後に生徒のみなさんの感想文を掲載します。


Aさん

十数年ぶりに学生気分を味わうことができました。宿題もない、赤点もない授業は「楽しい」の一言に尽きます。

中学生の頃はもっと数学もできたはずなのに……。長年のブランクは思った以上に私を「できない子」にしていました。時々このような場所で、普段使っていない頭を使ってみるのもいいものだなと思いました。

本日はありがとうございました。


Bさん

ライオン堂書店の「学校イベント」は中学校レベルの数学から始まった。先生のテンポが良くて、あっという間に45分すぎる。国語では連句をするのだけど、短い時間でポンポン書いてゆき、できた作品もさることながらその場の雰囲気が盛り上がる。美術も理科も知らない事ばかりで、ふんふんと感心しながら聞いた。皆で同じものを食べる給食も良い時間だった。また、この学校に入学したいな。


Cさん

ずっと気になってた開校だったので、前日に思い切って申し込みました。いきなり日直当番に任命されるなどの驚きがありましたが学生の時以上にのめりこんで授業をうけることができました。

もう少し中学生らしく悪ふざけしてもいいかなと思いましたが自粛しました。演じる役とかあってもよかったかな?

バラエティーに富んだ企画や授業が多くて楽しめました。

(↑う~んマジメすぎないか?)


Dさん

学校へ行った。一日、学生になるというのは、久しぶりの事。朝の会から、4教科の授業、給食、帰りの会。毎日こんな生活をしている学生たち、たいへんだけど楽しいと思った。自分での学びは続けているつもりだったが、時間割の中で、クラスメイト達と学ぶのはまた別の楽しみだ。みなさん、さようなら。またあした。

~古本の香につつまれながら~


【先生】

鮎食亭 先生(学級担任)

詩人。教職員として働いていた。双子のライオン堂書店でイベントをたくさんやっている。

オノ 先生(数学)

塾でこっそり働いている人。双子のライオン堂の初代バイトをこっそりしていた人。

鈴木涙香 先生(理科)

香りのコンサルティング last note。「嗅覚を通じたコミュニケーションの復権」を掲げ、嗅覚そのものにフォーカスしたユニークなイベントを主催。香道・香水・アロマセラピーといった領域を超え、ユーザーの裾野を広げている。
https://lastnotekobe.tumblr.com

竹田信弥 先生(国語)

双子のライオン堂店主。高校2年にネット古書店「双子のライオン堂」を開業する。大学は文学部文芸創作学科。2013年、文京区白山に実店舗を開店し、2015年に港区赤坂に移店。

山中麻未 先生(美術)

ゲームデザイナー。19世紀ドイツ美術の研究に基づき製作したアナログゲーム『ヴォルプスヴェーデ村と4人の芸術家たち:1894 - 1937』など、美術を題材にしたゲーム製作を行っている。

(記事作成:tanaka)

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