・ なべて始まりは、美しい。 静かな凪に滑り出る帆の朝 渚の波は玉を転がす。 吐く息の白い高原の朝 歩み出す背に朝日が熱い。 岬を曲がったとたんの烈風、 さまよう森朽葉、土の匂い、 暑い夕べの無風の苛立ち、 水場のない長い登りのガレ場。 はらんだ帆に追いつけない艇の傾ぎ、 密蜂のさわぐお花畑を下る軽いリュック、 小さな漁港の昼下がりの寄港、 滴る石清水の