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結局のところよくわからなかった飲みものだけれど


先日の森の散歩で立ち寄ったカフェにて「リモナーデ」を注文した夫。

リモナーデはドイツでよく聞く言葉で、「レモネード」からきたものだと思われる。
そしてレモネードといえば、一般的にレモン果汁をベースに甘みを足した飲みものが思い浮かぶ。イタリアでは「リモナータ」。おそらく夫はレモンのこれを飲みたかったのだろう。

ところが、出てきたのはこちら。

なんか赤いぞ


そう、ドイツでいう「リモナーデ」は、「甘い炭酸飲料全般」を指すことが多い。「リモ」といったりもする。
コーヒーや紅茶、ジュース(果汁)、アルコール、これらに対しての炭酸飲料の呼称、という感じか。コーラやスプライトなども「リモ」にあたるという、けっこうアバウトな言葉なのだ。

もともとカフェに立ち寄ることがほとんどない上に、下の写真のような普通のレモネードが出てきたこともあるので、つい失念していた。


では、いったい先ほどの赤い飲みものは何だったのか。
ひと口味見させてもらって、「あ、知ってる味だけど……」と、しばし考えて思い出した。

フランスにいたときよく見かけた「グレナディン」に似ている。そこではこれがわりと人気で、このシロップはどこのスーパーにも置いてあった。水や炭酸水などで割ったり、カクテルのベースにしたりするようだ。
グレナディンは「ざくろ」のことを指す。ところが話はそう簡単ではなく、じつはラズベリーやカシスなどのベリー類に香料が足されたものだという。

当時、なにが入っているのかよくわからず色も不自然に鮮やかなグレナディンは怪しげに映り、家に置く習慣はなかった。子どもたちは他所のお宅や課外学習などで飲むのを楽しみにしていたらしい。

ということで、結局のところなにを飲んだのかわからずじまいなのだが、この赤い飲みものは時を経て家族での貴重な一日の思い出に加わった。


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