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購買プロセスにおける買い手/売り手関係の変化

こんにちは。リンクインサイトのカスタマーサクセス(営業/マーケティング)です。
リモートワークを題材にした記事が多いなか、今回はデジタル技術などの普及で変化した、商品やサービスの購買プロセスにおける買い手・売り手の関係の変化に着目して書いてみたいと思います。

デジタル以前の購買プロセスは売り手がコントロールできた?

BtoBの販売において、新型コロナ以前から言われているのが「顧客購買プロセスの変化」です。
一般的に、マーケティングにおける顧客の態度変容のプロセスは、以下のAIDMA(近年はAISASも)で表現されていますが、
Attention(認知)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(購入)
一昔前の販売では、この5つのプロセスの大半を「売り手」がコントロールできていました。

なぜなら、現在のようにインターネットが普及しておらず、顧客が売り手の商品について知る機会が
・訪問営業
・電話営業(テレアポ)
・展示会
・DM(ダイレクトメッセージ)
などアナログな手法に限られていたためです。これらは、基本的に「売り手」がコントロールできるコミュニケーションです。顧客視点でいえば、受動的に情報を得るのが基本スタイルでした。

一方、インターネットが発達し、各企業もWebやSNSで積極的に情報発信を行うようになると「買い手」が主体的に製品やサービスについて情報を取得しようとします。
ここで重要なのは、インターネットを通じて情報を取りに来る潜在的な顧客はAIDMAでいえば"Attention"や"Interest"の段階において基本的に個人単位では見えないということです。
※Google Analyticsなどのツール活用により、アクセス数などの総数は可視化可能
アナログ中心の手法では、「潜在顧客」から「見込み顧客」、実際の「顧客」にいたるまで、直接のコミュニケーションを通して把握することが可能でした。
しかし、デジタルが普及した現代では、「見えない潜在顧客」にいかに訴求するか、が大切かもしれません。

商談は買い手にとっての"確認作業"?

潜在顧客が興味を持ってホームページやランディングページから問い合わせが入り、いざ商談になります。
AIDMAでいえば、Desire以降の段階ですが、その商談の出来次第で受注or失注が決まると考える方も多いでしょう。
しかし、情報が溢れる現代において、潜在顧客は情報収集の段階である程度詳しく商品やサービスについて知っています。インターネットを中心とした情報収集の段階である程度は発注先が決まっていて、それを裏付けるために商談を行っているかもしれません。商談の感触は良かったのに、なぜか契約・注文してもらえなかった。。。
このような経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

依頼してもらえなかった理由としては「コストが高かった」「他社の方が安かった」「納期が合わない」
などともっともらしい理由を言われるものの、実は商談以前に大方決まっていた、という可能性はあるでしょう。
言い換えれば、商談前の段階で勝負はついており、顧客にとって商談は「確認作業」でしかないのかもしれません。

売り手としては、"第一印象"が重要?

このように、売り手がWebやSNS上で発信する情報を起点として、
買い手が主導権を握りながら購買プロセスを進んでいきます。
商談前の段階である程度比較検討が進んでいると仮定すると、「見えない潜在顧客」に対して有効な情報発信・コミュニケーションを行うことが重要と考えることができます。
※Web上での情報がなければ、もはやスタートラインにすら立てないかもしれません。
そして、潜在顧客から見た、ファーストインプレッションは大半がホームページでしょう。多くの企業が、見た目(デザイン性・レイアウト)やコンテンツ(文字内容・画像・動画)に力を入れているのも、この"第一印象"がその後のプロセスを左右する裏返しといえるでしょう。

出張や訪問、展示会など対面でのコミュニケーションが難しいWithコロナの時代では、この流れに拍車がかかるかもしれません。

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