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早死リスクを減らすには毎日11分の早歩きで十分

ケンブリッジ大学などの研究者らによると、誰もが推奨レベルの身体活動量の少なくとも半分を実行していれば、10 人に 1 人の早死を防ぐことができる。

『British Journal of Sports Medicine』誌に掲載された研究で、研究者らは、1 日 11 分 (週 75 分) の中強度の身体活動 (早歩きなど) で、心臓病、脳卒中、種々のがんなどの病気のリスクを下げるのに十分であろう、と述べている。

いくつかの慢性疾患と早死の予防に効果的な身体活動量を調査するために、研究者らは、先行研究のデータをプールして分析する、系統的レビューとメタ分析を実施した。

身体活動レベルと心臓病、がん、および早死の関係を調べた合計で94件の大規模研究コホートから 3,000 万人以上の参加者を対象とした 196件の査読論文がみつかった。

分析の結果、研究者らは、仕事関連の身体活動以外では、3 人に 2 人は中強度の身体活動が週150 分未満であり、週300 分以上を実行しているのは、10 人に 1 人未満であることを発見した。

大雑把な言い方をすれば、中強度の身体活動を週に150分以上行っても、病気や早死のリスクが低下するという追加の利点はわずかであることがわかったという。しかし、この量の半分でも大きな効果はみられた。週に 75 分間の中強度の身体活動を続けると、早死のリスクは 23% 低下したという。

中強度の身体活動を週に 75 分間行うだけでも、心血管疾患の発症リスクを 17%、がんの発症リスクを 7% 減らすことができた。一部の特定のがんについては、リスクの低下が大きく、頭頸部がん、骨髄性白血病、骨髄腫、および胃噴門がんのリスクは 14 ~ 26% 低下した。肺がん、肝臓がん、子宮内膜がん、結腸がん、乳がんなどの他のがんでは、リスクが 3 ~ 11% 低下することが観察された。

研究者らは、研究に参加した全員が中強度の身体活動を週に少なくとも 150 分行った場合、約 6 人に 1 人 (16%) の早死が防げると計算した。また心血管疾患の 9 人に 1 人 (11%)、がんの 20 人に 1 人 (5%) が予防される。

しかし、中強度の身体活動を週に 75 分以上行うことでも、約 10 人に 1 人 (10%) の早死を防ぐことができる。また20 人に 1 人 (5%) の心血管疾患、ほぼ 30 人に 1 人 (3%) のがんが予防される。

主任著者でケンブリッジ大学MRC疫学ユニットのソーレン・ブラージ博士は、次のように述べている。「何らかの身体活動を行うことは、何もしないよりはましですから、これは良いスタートポイントです。週 75 分が実施しやすい場合は、そこから推奨される最大量まで徐々に増やしてみてください。」

出典は『British Journal of Sports Medicine

http://dx.doi.org/10.1136/bjsports-2022-105669


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