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ソロキャンプ:Sigma fpで真夏の星空を撮る

三城いこいの広場オートキャンプ場

今回は長野県の三城いこいの広場オートキャンプ場にお邪魔してきました。こちらは区画をしっかり切ってあり設備もちゃんとしている、どちらかというとわたしが「あまり行かない方」のカテゴリに属するキャンプ場なのですが、自然の地形を巧みに活かして、高低差を使って区画同士が直接隣接しないようにしてあり、「お隣さん」が気にならない、という一部のソロキャンパーにとって一番重要な条件がほぼ常に確保されています。標高が高くて夏は過ごしやすく、虫も(相対的に)それほど気にならない、というのも高評価ポイントなのですが、やはり山の中、という立地上、星がよく見えるということで、今回は「天の川」撮影をテーマの一つにして出かけてきました。

Sigma fpによるタイムラプス撮影

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今回も撮影機材はSigma fp+24mm Artだけ、だったんですが、そのSigma fpには本体単独で枚数無制限(メモリーカードの容量が許す限り)のインターバル撮影ができる、というなかなかナイスな機能があります。今回はISO感度を1600まで上げて、絞りはf/2.0、シャッターも15秒まで伸ばして、今までよりもっと光をしっかり拾う方向で撮影してみました。どうも星以外のフィールドで、今よりもっと高感度性能が低かった時代に育った世代としては、ISO 1600という感度にどうしても心理的に抵抗があったりするのですが、今回、いろいろ最新の情報等を改めて仕入れてみて実際に試してみた結果、「なるほど」という手応えがありました。まだまだいろいろ試してみなければ、という段階ではありますが、固定観念の枷が外れて、ちょっと世界が広がった気がします。

ところで、「Sigma fpは本体単独で無限インターバル撮影ができる」というのは実に素晴らしいポイントなのですが、無限に撮れてしまうがために、欲しい枚数撮り終わったら自分で止めないといけないんですよね。240枚撮ったら自動的に止める、ということはできないわけです。なので、インターバル撮影中に「そのインターバル撮影を始めてから何枚撮ったか」を表示してくれるようになったら地味にありがたいと思うんですが…まぁもちろん、撮影者の方で時間測っておけばいい、という話ではあるんですが、そんな大した機能でもないでしょうし、次のファームウェアアップデートとかでさくっと対応してくれたりしないものでしょうか。

ちなみに今回はしっかりレンズヒーターを用意して臨み、午後8時頃から午前2時過ぎまで、全く結露なしに撮影を継続することができました。もっと早くから用意しておくべきだった…

風景・星景写真撮影支援アプリ「PhotoPills」

なお今回のタイムラプス撮影にあたっては、その準備に「PhotoPills」というiPhoneアプリを利用しました。

かなり多機能なアプリで風景写真や天体写真を撮る人にはいろいろ便利な機能がてんこ盛りなのですが、今回主に利用したのは「Night AR」という機能です。

この機能はiPhoneのカメラを利用して現在いる場所から画角、構図を決めると、その現地・現在の映像に、指定した日時の空の状況を重ねて表示してくれる、というものです。要は、今いる場所で南の空にカメラを向けたら、午後10時頃にどんな星空が見えるか、とか、今いる場所で天の川を撮ろうと思ったら、何時頃、どの方角、どのくらいの高さに銀河系の中心が来ているか、ということを映像で教えてくれるわけです。

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このスクリーンショットは当日、実際に場所決めのために歩き回っていた時のものです。この画面を見ながらカメラをあちこちに向けながら歩き回ったのですが、南側が完全に開けた場所がなく、最終的にこのスクリーンショットの場所の近くで撮影することにしました。場所と時間が少しずれていますが、このセクション冒頭の写真と見比べてみてください。

もちろん、多少の誤差はあるのですが、撮ろうと思っている対象がある時に、明るい内に場所を決めて、レンズを向ける方向まで決めておける、というのは結構ありがたいところで、しかもタイムラプスの時は、撮り始めてから例えば3時間後にどうなっているか、というところまで見極めないといけないので、そういうところまで見通しを立てることのできるこの機能は非常に重要です。有料アプリですが(2020年8月時点で1220円)、お値段以上の価値はあるかと思います。

Tschumのシェルターテント<Kama Leicht>

既に以前の記事でも取り上げていますが、ドイツのTschum社のシェルターテントが、去年の11月の注文から半年以上の月日を経てようやく手元に来たので最近のキャンプではなるべくそれを持ち出すようにしています。

このシェルターテントKamaは、シンプルな構成だけに設営も撤収も簡単で、テントに居住性や快適性といったものはあまり求めていない自分のスタイルにはしっかりマッチしている感じです。まぁ正直なところ、夏の間は熱がこもるのと地面に虫がいることを考えるとタープ+ハンモック+バグネットという構成がベストなのですが、それでも何やかやで持ち出してしまえるのは、このテントの魅力ゆえなんでしょう。スタイルがシンプルで美しく、素材も縫製も非常に上質なんですよね。使っているだけで、使っていること自体に満足できる感じで。

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ソロ用の小型シェルターとは言いつつ横幅270cmで、220cmのコットなどは余裕で収まります。当面はKama+Helinoxグラウンドチェア+Thermerestコットという構成がレギュラーになりそうです。

あとやはり、夜、さぁ寝るか、と横になった後も外が見えるというのはいいですね。平地のキャンプ場では角度的に難しいかもしれませんが、今回のようなキャンプ場だと、星を見ながら寝る、という贅沢が味わえます。この辺もやはり個人的には高ポイントです。

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Tschumの焚き火台<Feuerschale>

実は焚き火台の方もTschum社のFeuerschale(Fire Bowl)を、やはり同じようモノ自体の魅力で多少の不便さを押し切って使っている感じだったりします。

これも前回の記事で既に触れていますが、とにかく一人用の焚き火台としては重すぎる(1.88kg)のが難で、せっかく小さく薄くまとまるのに、バックパックのポケットなどに入れるとバックパック全体が強烈に引っ張られ、生地に結構な無理がかかる感じがあってどうにも据わりが良くない感じがあります。今のところは、他のものを全部詰めた後に、蓋をするイメージで最後に上から載せています。

しかし実際に組み立てて火を焚いてみると、抜群の安定感と自由度の高い広めのオープンな火床が醸し出す「ダイレクトな、生の焚き火」という感覚が非常に良くて、多少の不満は気にならなくなってきます。

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ちなみに今回は持参した薪は最低限にして、現地で拾った枯れ枝を焚き火に使っていたんですが、やはり売り物としてしっかり加工された薪とは匂いが違います。現地調達は当日までの天気も含めて条件がいろいろ不安定なのでリスクもあるんですが、「焚き火」をより強く味わうなら、市販の薪より自分で調達したものの方が、体験としては濃厚になりますね。もちろん苦労や失敗も含めて、という意味ではありますが。

今後の予定

今後ですが、これから徐々に涼しくなってきて、候補地の幅も広がってくるので(今はどうしても高原優先になってしまう)、テーマの方も少し幅を広げてみようかと思っています。

ここ数日、ふと頭に浮かんできてあれこれ考えているのは「最近すっかりご無沙汰なスノーピーク系ギアで、快適に」という方向だったりするんですが、もちろん夏のハンモック泊ももう少し堪能しておきたいですし、「気になっているまだ行ったことのないキャンプ場」の内、通年営業でないところは今のうちに行っておかないと、というのもあります。

あれこれ考えて計画して準備している時間も、このキャンプという趣味の、大きな楽しみのひとつなので、それをしっかり堪能しつつ、また近い内にどこかに出かけていきたいと思います。それでは、その時にまた。

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