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コロナ影響で休校のいま「どんなLINEのやりとりしてる?」。現役JKに聞いた、ティーンのいまどきコミュニケーション

幅広い世代が利用しているLINEアプリ。その使い方も、世代ごとにさまざまな面白いアイデアが生まれているようです。

とくにデジタルネイティブ世代の現役高校生からは、常に新しいLINE活用法が生まれている印象があります。高校生と言えば、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、休校や卒業式の中止・縮小を余儀なくされた高校がたくさんあると聞きます。

今回は、そんなティーンのLINEの実態調査と、コロナ影響を受けての高校生のリアルな胸の内を聞いてみました。

取材に協力してもらったのは、Sちゃん。都内の私立高校に通う3年生(※今春から大学に進学)です。

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今回は顔出しNGのため、似顔絵で。けっこう似ています。

コロナ影響で“グループディズニー”は中止

——新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、休校や卒業式の中止を決定した高校もたくさんあるみたいですが、Sちゃんの学校はどうでしたか?

私たちの卒業式は3月頭だったので、中止にはならず、縮小の形で実施できました。

——それでも縮小は免れなかったんですね……。今回、政府から休校の要請が出たとき、友達とLINEで何か会話ってしましたか?

「クラスLINE(※)」で誰かしらが触れるかなって思ってたのに意外とみんな静かで反応はなかったです(笑)。でも、卒業式の当日にみんなと「呆気なかったね」と話したのを覚えています。

※クラスの全員が参加しているグループLINEの略。「クラス替えが行われると、まずは『クラスLINE』を作るのがよくある流れ」とのこと。主に行事の後に写真などを共有する目的で使用。Sちゃんのクラスの場合、受験シーズンは互いに気を使ってあまり「クラスLINE」が交わされる機会がなかったそうです。

保護者の参加はなしで、先生と卒業生だけでおこなって、歌も歌えずに1時間くらいで終わっちゃいました。

——卒業証書を受けとるだけの式ってことですか?

いや、卒業証書も出席番号一番の人が代表者として渡されるだけでした。

——それはなんだか……さみしいですね。歌も歌えずってのは、飛沫感染の防止?

みたいです。校歌のテープだけ流しました。中高一貫で6年間通ったのに、あまり卒業の実感はないです(笑)。
せめて、と思って、写真だけみんなで撮りました。先生たちに「気持ちはわかるけど、早く帰宅するように」と言われつつ。

——先生たちも苦渋の選択ですよねえ。コロナウイルスによる影響って他にもありましたか?

友達6人でディズニーに行くためのLINEグループを作ってて、楽しみにしてたんですけど、休園になってしまって……。

——高校生活の最後の思い出になるはずだったのに……。

友達はLINEグループ上で怒りをぶつけてましたね(笑)。

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△「さよならミッキー」の文字が悲しい

学級閉鎖中、クラスLINEでシェアされた「インフル早見表」

——LINEグループって、普段どういうときに立ち上がるんですか? 「ディズニーに行く」みたいな「どこに行く」「何をする」って目的が決まったら、専用グループを作るみたいな?

その形が多いですね。あとはクラスや部活のLINEグループがあるくらいです。

——めちゃくちゃ古い言葉を使うんですけど、“ズッ友”(※)みたいなLINEグループないんですか?

めっちゃ古くないですか?(笑)

(※)「ずっと友達」の略語。筆者の青春時代に流行。

——いや、前置きしたのに……。まあでもそういう仲良しのLINEグループとかないんですか?

そもそも、うちのクラスってあまりグループみたいなのがなくて。お昼とかも、みんなそれぞれ自分の机で前向いてお弁当食べてます。

——え、机くっつけたりみたいなのは?

あまりないですね。友達とお喋りしたいときも、用があれば大声で話すみたいな。クラスみんな仲が良いので、誰とでも話せるんです。中高一貫で付き合いが長いから、というのもあるのかも。

——サバサバしているというか、コミュニケーション強者感がすごい。じゃあ友達とのLINEのやりとりで、思い出深いものってありますか?

どちらかというと面白かったことなんですけど、中学3年生のときにインフルエンザが流行ったことがあって、最終的に学級閉鎖までなったんです。みんな休校になって暇だったのでクラスLINEが動いていたんですね。そのとき、「インフル早見表」を作ってグループ内でシェアしてました。

——早見表……? インフルエンザの特徴をまとめた表みたいなことですか?

そうじゃなくて、メモアプリにクラス全員の名前を入力して、その横に「〇×」をつけていくっていう……。

——ああ、誰がインフルにかかったかってことですか。

けっこう面白くて、インフルかかったら×がつくんですよ。

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△筆者作成。たぶんこういうこと……?

——バトルロワイアルみたいですね。残り〇人みたいな。Sちゃんは大丈夫だったんですか?

かかりました(笑)。

——じゃあ×だったんですね(笑)。

イベントの出欠はスタンプで。ひと目で参加人数がわかるLINE活用術

——LINEで便利だなって思った機能ありますか?

受験期間のときとか、勉強用のLINEグループを作って、そこでビデオ通話をずっと繋げてましたね。みんなが自分の勉強している姿を映すだけなんですけど、集まらなくてもみんなちゃんと勉強してるよって。

——家にいてもお互いさぼらないように。そういうの良いですね。

あと、イベントの参加者を集めるとき、「この場所で何時からやるから参加できる人はスタンプ押して」って、グループのノートに投稿する方式が楽ですね。

トーク上でパラパラと「参加します!」ってそれぞれが返信するやりとりだと人数を把握するのも大変ですし、通知もうるさくなってしまうので……。

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——スタンプを押した人だけでトークを作ったり、管理がしやすそうですね。

LINEスケジュールを使って、そのままLINEアプリ上で日程調整もできますしね。あれはすごく便利だなと思います。

まるでエアリプ? ステメを活用した秘密のコミュニケーション

——友達同士だけでやってるLINE文化みたいなものってないんですか?

あ、LINEのひとこと(ステータスメッセージ)ってあるじゃないですか。あのひとことでコミュニケーションをとるって文化はあります。

——ひとことって、プロフィールページとか友達一覧で表示されるメッセージですよね。具体的にはどういうコミュニケーションなんですか?

例えば、後輩のひとことに「いままでありがとうございました」って書いてあったとして、宛名は書いてないんだけど、なんとなく内容から「私のことだな」って分かったら私も自分のひとことで返事するんです。

——ああ、エアリプみたいな。他に人には分からないけど、本人にだけは伝わるようにメッセージを仕込むってことですね。でもそれ、勘違いの場合もありそうですね(笑)。

前後のやりとりや、設定している画像から判断するしかないですからね。でも、分かるんですよ。

——実際のやりとりで見せられるものってあります?

部活の先輩が引退したときのスクショが残ってます。これが私が送った内容で。

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これが先輩から返ってきたひとこと。

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——すごい、想像以上にコミュニケーションしてる……。え、なにこの文化。

カバー写真も二人で撮った写真になってるんですよ。

——カップルの“匂わせ”投稿みたいですね。これはいつから始まったんですか。

なんか、自然発生的に始まったんですよね。一般的に高校生の間で流行っているかどうかはわからないです(笑)。

——頻繁にプロフィールを見に行く習慣がないとこのコミュニケーションって成立しないですよね。めちゃくちゃ面白いです。今日はいろんな話を聞かせてくれて、ありがとうございました! 落ち着いたら、ぜひグループディズニーを叶えてくださいね。

ありがとうございます!

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TEXT:早川大輝 EDIT:みんもの編集部