Sexy Zoneの7thアルバム〔POP×STEP〕が発売された件(ネタバレだらけの楽曲感想)

 何が言いたいかって、さいっっこう!! です。
 Sexy Zone節が炸裂、大・爆・発。曲調は時代を感じる(昭和っぽい)ものからニチアサ魔法少女アニメOPまで幅広く挑戦しているし、曲の背景として石器時代~現代を捉えている。歌の内容も恋から社会に切り込んでいくものまで含まれており、東京をアルバム全体のメインに置きつつ広範な曲を物にしているSexy Zoneに舌を巻かざるを得ない。
 今回はSexy Zoneの楽曲の良さを「惑星を手中に収めた世界観」と「圧倒的肯定感」とを「メンバーそれぞれが自身の生き方を軸として表現しきる」ところであると感じている私(女、二十四歳、中島担)が今回のアルバム≪POP×STEP≫を聞いて感じた率直な感想を思いのままに文章化したので、時間が有り余るほど暇な人は読んでください。

楽曲のネタバレだらけ、少し特典のネタバレあるかも、半分くらい個人の妄想、100%主観、支離滅裂です。遠慮なく逃げてください。

❖ 1曲目「極東DANCE」
 スタイリッシュな曲調を持つリード曲。百人一首や四字熟語、故事成語などから引っ張られた歌詞を初めとした和的要素を含んだ世界観に、ファンは異世界系妄想を広げさせられる。言葉遊びのような韻を踏んだリズムがふんだんに盛り込まれており、気づけばSexyワールドに引きずり込まれていく。
 メンバーが繰り返し述べる通り、「世界から見た東京」を示そうとしている曲。実際の東京はこうじゃないですよ。忍者とかサムライとか芸者とか、よくも悪くもニッポンと呼ばれているものは未だにあって、それを示しているという意味でかなり非現実的な曲。PAGESにおいて日本に暮らす等身大かつ現実的な20代の姿を見せたSexy Zoneがこの曲をリード曲に引っ提げてアルバムを出すというのが面白い。
 後ろで卓球やってたりトランポリンやってたりするのも様になっちゃうのは、これまでのトンチキ経験値が効いてるなと感じました。

❖ 2曲目「恋のモード」 ニチアサ魔法少女アニメ枠兼Sexy枠
 PAGESから極東DANCEのふり幅に驚いている中でキラキラピカピカなイントロで全く予想外の方向から心を掴まれる2曲目は「恋のモード」。「服を着替えるように~」と菊池風磨が歌うけれど、それはこっちのセリフ。空気が変わるんですよ、ここで。
 ニチアサ魔法少女アニメ枠みたいな(渋谷系というらしい)曲調なんですが、主人公は「僕」が一人称の男。ただ、ここで表されてる恋愛観や主人公のボキャブラリーはかなり少女漫画の女主人公チックで、男性は共感できるのかな……? というのが気になるところ。個人的には「恋のモード」っていう感覚にものすごく共感するんですけど、男性にもこういう恋のモードってあるのかなって。こういう片思いウキウキきゅんきゅんソングを聞くと、「ああ、Sexy Zoneって私たちの心理を巧みに歌い上げるなあ」と嘆息するのですがこの曲もまさにそれですね。
 「僕は恋のモード! 君に夢中」「いろんな君の魅力がまるでマシンガンのように僕のハートを打つよ 無敵さ」のあたりはかなりSexy Zone入ってるなと思います。恋がはじまるよー!!の続編っていう感じ(マシンガンが選ばれるあたり主人公は確かに男子文化に触れてきた人間なんだろうなと思うし、恋はじは女の子が主人公だけど)。
 この曲、さらっと「Sexy sexy Baby」という歌詞があるけど、曲調もあいまってちゃんと(?)Sexyの意味合いが「人として魅力的な」となっていて決して性的な方向にならないのがSexy Zone力ですね。

❖ 3曲目「禁断の果実」 郷ひろみか? 昭和歌謡
 言葉遊びを中心にザ・昭和!っていう曲(郷ひろみとかユーミンの真夏の夜の夢とか)。ニチアサ魔法少女アニメOPで眼前が淡い空色や桃色のきらめきに包まれていた次に?! という驚き! それでもしっかり聞き手を曲に乗せてくる。「オレ」「男と女」という一人称・二人称はSexy Zone楽曲ではあまりない表現なので新鮮。「ぼろぼろ」「もろもろ」「ジゴロ」あたりは韻を踏んでいるというよりは寒い親父ギャグ(同じ言葉遊びなのに極東DANCEと感じ方が全く違う。てかジゴロってわからなくて調べたわ!)。こんだけ昭和押しな感じなのに地味に「やばみ」とか入ってるのもおかしい。どこの時間軸なの? 個人的にこういう曲が一番似合ってるのはマリウスだなと思う。めちゃかっこいい。

ここまでの3曲でもあっちへこっちへ振り回されてまさにジェットコースター。だって東洋ファンタジー⇒女児向け学園アニメ⇒こてこて昭和歌謡ですよ?

❖ 4曲目「Honey Honey」 Sexy枠兼職業人に向けられた曲 Sexy枠
 ここで既発シングル曲が現れてようやく気持ちが落ち着く(笑)
 個人的元祖「ああ、Sexy Zoneって私たちの心理を巧みに歌い上げるなあ」と嘆息するソングです。何かに向けて努力するファンに向けた応援ソング。
 聞きどころは、ところどころに挿入されるメンバーの「baby?」で、一人ひとり表情が違うのがとてもいい。
「素敵な君を幸せにするのがたぶんね、僕の使命だと思う」「どんな君どんな日も守り抜くから」「I can’t stop loving you」「みんなにもいいでしょと自慢しちゃうよ」あたり、特にセクシーを想うファン心理をよく理解されてますねと毎回感心する。

❖ 5曲目「タイムトラベル」 槇原敬之っぽい? 特に途中の笛。
 イントロからアッこれ良曲って頭が完全に理解する。
 サビはすべてハイトーンという攻めたお洒落楽曲。それでいて懐かしい雰囲気。
 設定的にはたぶん、(昔的に言えば)「女々しく」情けない30代会社員男性が主人公(偏見です)。久々に開かれた同窓会、昔好きだったけど告白なんてできなかった人に再会して当時の気持ちがむくむくと湧き出てきて、「このまま君を連れ出して……」「イヤイヤそんなこと本当は思っちゃいないよ、俺」「ああ、でもまた後悔すんのかな、やっぱり連れ出して……」「イヤ、冷静になれ俺」って気持ちの中を行ったり来たりする、ヘタレでさえない主人公の話。(……に聞こえる曲を収録時19歳のマリウスが歌っている(笑))昭和とか平成初期の恋愛っていう感じがする(っていう私自身もその時代には生きていないけれど)し、こういう普通の会社員のちょっとした煩悩にスポットライトが当たっているのも昭和を感じる。Sexy Zoneのファンのメイン層にはどう映るのだろう(笑) 今だったらSNSが発達してるから、余程のことがなければ連絡先とか近況の情報は入ってくるものじゃないのかなあ。ましてや想い人だったわけだしね。……いや、こういう時代だからこそ一度取り残された人はより一人の世界で右往左往彷徨うのかもしれない。
 どうしようと思案していたところ、「このあと二人でどう?」って彼女の方から言い寄られて「これは現実なのでしょうか」って思っちゃう主人公はとてもうぶ(笑) こういうちょっと弱い男性を敢えて描いているところも槇原敬之っぽい。とても好きなので5年後くらいにもう一度歌ってほしい! たぶん印象変わる。

 一回目聞いたときは「尖ってるな~攻めてるな~」だったんですけど、聞くうちにめっちゃ好きになったので個人的一番のスルメ曲です。
 あともう一個大発見?はちょっとカッコ悪い・情けない・不甲斐ない男性を演じるのは菊池氏が一番似合うなって感じさせられた点ですね。楽曲の力かな。

❖ 6曲目「Blessed」
 PAGES楽曲からの順当な進化形。make me brightの延長線上にある曲(主観)。
 初っ端から「真面目に生きてきたけど空っぽ」なんて歌うんですよ。真面目に生きることが当たり前で、いろんなことを成し遂げなければならなかった彼らが、世の中に溢れた“ふつうに生きてきた人”の目線に立って歌うの。ちょっとだけ日常を素敵に感じられるようにという願いが込められた曲だなあと。
 彼ららしさが感じられるのはこの曲に描かれる物語の中の”未来へのアプローチの仕方”。自分を幸せにするために、彼らは自分の足で歩んでいくことを選ぶ。けれどその道中は一人ではない、自分の道を照らしてくれる光があるから。
「祈るより言葉にして確かめた」「世界は僕らを待ってはいないだろう」「思うままに進めば」「Never stop」彼らは歩き続ける、見据える先があるから、見たい景色があるから。

❖ 7曲目「BLUE MOMENT」
 ぶわぁ~~~~って青く鮮やかな光が会場を照らしていくのが浮かぶ。そこにゆらり佇んで手を振ったりちょっと歩いて微笑んだりするSexy Zone……好き!(妄想です)
 嵐っぽいなって感じる爽やか楽曲(私、たぶん爽やかな楽曲全部嵐っぽいと感じる病にかかっているのだと思う。でもこの曲を櫻井翔が歌ってるのめちゃ想像つくんですよ……)。「思い出は切なくて甘く苦い人生のスパイス」と今に延びている過去を肯定し、未来に向かって生きていこうとしているのは、未来に生きる自分だよね。<今>の主人公がそれを知ってるわけじゃない。進路希望を埋める人々に「なぜ未来が分かるんだろう?」と問いかけ「カレンダー急かしてくるよう」と止まらない時間に抗うことも出来ぬまま未来へ続く道を考えあぐね、悩む。青春だなあって感じる。
 「枝分かれ」する前の木の下……彼らにとってはジャニーズっていうのがまさにその大樹だったのだろうし、実際に同じ未来を歩めなかった人もたくさんいたよねって思うと「今」がとても尊く感じられる。
「超えられた」「導いてくれる」のフレーズをふまけんが歌うのが憎い。また、未来へ向かうことを戸惑っているのは年少組のマリウス・勝利で、未来へ誘う歌詞をふまけんが歌っているという歌割りも素敵だなと思います。しょりマリは悩んでいる姿がしっくりくるというか、説得力をもって表現してくれるので強いですね。


❖ 8曲目「○△□」 なんて読むの!? タイトルトンチキ枠。
 この曲、歌詞が一番好き。人の悪いところがすぐ目についちゃう彼女に対して「近づいて遠のいて目を凝らして斜めから後ろから見てみよう」って批判的な視点を提示しつつ本人を否定しないし、あくまで彼女の世界がより広がるように道の方向を示すに留める。そう言われたら「え、どういうこと?」って感じたり「何をみればいいのかわかんない」ってなる人もいたりするかもしれないんだけど「難しく考えなくていいよ、宝探しをしよう!」って話してくれるの。もう、愛じゃん。
 で、自分の心を省みた時にそれはいびつかもしれないけどそれこそが「唯一無二の自分らしさ」「だから四角い箱の中に閉じ込められるのはごめんなさい」って話してくれる。綺麗かどうかなんて結局は他人の指標でしかないのでそれに合わせたものである必要なんてないと。最高の肯定ソングですよ。
 たぶん彼女は、他人の悪いところも目につくけど、自分の悪いところもすぐ目についちゃう人だと思うんだよね。だから2番でそのフォローが入る。皆いびつなんだよって。単純な人なんていない、皆違うんだよって。そこに良し悪しはなくて、唯一の基準は「ハッピーになれる」かどうか。「ハッピーになれるかたち見つけよう」なんて幸せな言葉なんだろう。もし自分が大切にしたいと思える人ができたら伝えたい言葉No,1です。

❖ 9曲目「ダヴィンチ」 かっこいい系か?と思いきやトンチキ枠
 MrダヴィンチTELL ME!! という曲。世代なので、めっちゃボカロやんって思った。
 消費社会の世の中に対して強くNOを突き付けようとする「若さ」「青臭さ」に溢れた曲。世の中に対して鬱憤や違和感を持っていて、だからこそモナリザが皮肉に笑っているように見えもするのだけど、主人公としては何をすればいいかなんてところまで頭は回ってなくて「この世の中なんか違うじゃん??」の地点で止まっている。で、じゃあ何をするかっていうと、ひたすらこれおかしいじゃんってところを指摘するだけして、最後は稀代の天才であるダヴィンチに教えを請う(笑) とても若い。憶測だけど、主人公はまだ就職してないか、してても仕事できない人だと思う(アート系だったら別ですが)。たぶん一般企業に就職してたら「まずは自分で考えろ」とか「自分で動け」とか言われたり、「そんなことどうでもいい」とかって切り捨てられたりする。
 でもそういう疑問を率直に「自分にはわからんわ、わからんけどおかしいやん?」って言える人って素敵だし、そういう視点が無いと世の中は主人公が嫌だおかしいという方向にどんどん歪められていく。声を上げている主人公もこの社会にとっては稀有な存在で、必要な存在。
 Sexy Zoneらしくはない(笑) 彼らはおかしいと思ったことがあっても、まずはほかの人の意見を聞いて自分なりに理解して、自分の中の違和感はそれとして咀嚼して噛み砕いて、自分の中で他者と自身の意見をぶつけることができる人たちだから。けれどSexy Zoneがこういう目線の歌を歌うと、こう、エネルギーで突っ切るシャカリキソングになる化学反応は面白いなと思います。普段こういう世の中に対して斜に構えた姿は見られないですし。


❖ 10曲目「まっすぐのススメ!」
 これも結構昭和っぽい(それしか語彙無いんか)。歌詞と曲のギャップを一番感じたのはこれかも。恋のモードでも思ったけど、語彙が少女なんだよ(笑) そして語彙力少女な歌って彼らにぴったりはまるのほんと不思議だよ……。なんで君らキュートに歌い切っちゃうの!! かわいいじゃん!!! あとチキンライスハートって何?! お子様ってこと?! かわいいなあ!!!!

❖ 11曲目「Tokyo Hipster」で、でた~! 我らが三浦徳子先生~! これぞSexy Zone
 全部がトンチキ歌詞で大好き三浦徳子先生過ぎる。今回の世界観枠というか地球枠です。
 だって東京をテーマに歌詞書いてくださいって言われて渋谷が谷底で銀座が海だった話する? 石器時代の話やら銀河系の話してたらそりゃ「5分遅刻した」ことなんてどうってことないわな!と全力で納得した。
 っていうか三浦徳子先生のセクゾ観独特過ぎてほんと大好き。Sexy Zoneに宇宙のこと歌わせてるの大抵三浦徳子先生じゃん。
 Tokyo Hipsterもそうだし他のトンチキソングを聞くと、スムーズに言葉が流れないことでちょっと思考を立ち止まらせることについての「一瞬考えるっていうのはコミュニケーションなんです」って話を思い出す(穂村弘『はじめての短歌』です)。Sexy Zoneの世界観ってまさにソレじゃないですか? ちょっとおかしい距離感の語彙と語彙の歌詞の楽曲にきらきらした包装をしてそのままファンに贈ってくれるんだよね。それをどう咀嚼するかは聞き手に委ねられているから、想像(妄想)が捗るし、そういうコミュニケーションを彼らとしているなっていう気分になる。(暴論)

❖ 12曲目「MELODY」 エモの塊。
 今の若者だからこそ歌える歌だなと思う(「MELODYが君と僕を繋いでる、見えないけどね、不思議」あたりのちょっと冷めた言い方とか)。そしてSexy Zoneだからこそ歌える歌でもある。肯定ソングですね。わかりやすく「歌い手=Sexy Zone」「君=ファン」と置き換えて素直に聞ける歌です。先のことを今は何もわからないけど、何となく音楽に身を委ねて日々を過ごしているひとに対して「一緒に歌おう」とSexy Zoneが隣で寄り添ってくれる歌。Sexy Zoneってファンを恋人にしがちなんですが、この曲では音楽を介した友達になるのが新鮮だなあと思いました(ほかに友達というと「フレンド」が思い浮かぶけれどそれともちょっと違う。MELODYの「友達」って、高校のときの別のクラスのでもちょっと気が合うかも……な人とか、大学の講義でちょっと仲良くなった人とかのフランクさが似合う。そしてファンに向けた曲と言っておきながらあれだけど、恋愛には決して進まないタイプの人間関係における「友達」っぽいなとも思う)
 気持ち悪いこと言っていいですか? ホールで「ラ、ララララ」って歌うSexy Zone想像しただけで泣けました。っていうかこれもう歌詞的に一緒に歌う曲ですよね?? 一緒に歌ってみようって言ってくれてるし下手くそでも気にしないって言ってくれてるし。まさにSexy Zoneとファンを繋ぐ架け橋じゃん……って感無量でした。MV? まだ怖くて見れてません。画面からエモが溢れだして私の心臓直撃して死ぬと思って……。

❖ 13曲目「One Abillity」 個人的には槇原敬之っぽいなと思う曲。
 初手、宇多田ヒカルか??? と思った曲(宇多田ヒカルを聞いたことはほとんどありません、宇多田ヒカルファンの方すみません)。中島健人的愛を歌ってる曲だなあとも。ちょっとBO愛入ってる。
 この曲で中島健人は「人」、菊池風磨は「時間(あるいは、経過)」、佐藤勝利は「自分」マリウスは「空間」が歌唱に滲む人だなあと感じました。
 中島健人の歌唱には彼自身の視線が見えてその先に特定の一人が前提とされていることがわかる。菊池風磨の話す「今」は圧倒的に過去と相対しての今だし、佐藤勝利の声は彼自身が今ひとりなんだという切実さ、失恋の香りを伝える。マリウスの声には場所性を感じる、部屋とか廊下とか空とか。そういう妄想を掻き立てる曲だった。
にしても「愛してるが零れ落ちる」って中島健人にピッタリの表現ですね。たぶん彼の周りには愛の結晶がごろごろ落ちていて、片づけが下手な彼はそれをそのまま放置しながらたまに拾い上げたりしている。

❖ 14曲目「それでいいよ」
 今年のツアーの最後の曲はこれかなって真っ先に思った。(「いつまでもいつまでも」枠)。中盤のMC後でもいいな……。
「どんな君だってそれでいいよ」「全部ありのまま抱きしめたら」「いつも側にいるよ」。Sexy Zoneだなあという歌詞。シンプルだからこそ余韻が残るし、聞き手が聞き手自身に素直に問いかけることができる時間をくれる楽曲だなと思います。

❖ 15曲目「麒麟の子」
 社会へNOを突き付けた最新シングル。作詞家の「みんな麒麟の子」がそのままストレートにぶつかる。パフォーマンスが楽しみだなあ。最新シングルなのでツアー頭にくるのかな?って思ったんですけど、そうなると間奏部分でSexy感じてるか聞かれるのかな……聞かれたいな……。私たちSexy感じてるWonder Childなので……。

❖ 16曲目「HIKARI」
 シンデレラガールっぽさ(「君は前を向き歩んでいく」の音程、「誰かと出会うことで~」「かさぶたを掻きむしって~」のあたりとか)もあり、嵐っぽさ(サビ)もある、爽やか系ジャニーズ曲っていう印象が強い。良い意味で王道。Sexy Zoneの中では逆に異色なんじゃないかな?と感じる。終わり方すごい突然だなって毎回思う。エッッ終わりなの??? 足りないよ? もっとSexy Zone欲しいよ?って思わせる曲順で狡猾。
「今の気分はどう?」に対して最高――!!って叫びたいです……。

<ソロ曲>
❖ Show must go on(佐藤勝利)
 ジャニーズとしての彼の覚悟の曲。自身を魚や人形って話してるのが斬新だよ……。あなた天下の佐藤勝利よ、あの佐藤勝利なのよ? って思うけれど彼はそういう気持ちだったんだ、って。 Show must go onと言いながら、showの鮮やかできらびやかな場面よりもそれへの道程・過程を話しているのが……佐藤さんだわ……。新しく与えられた靴を、彼は進む方へ用いたけれど、逃げる道もあったんだよね。アイドルとしての道を歩むことを決意してくれてありがとう。
 最後のfive minutesは意図的なのかな?

❖ SHE IS…LOVE
 中島健人の重い愛来ましたよ~~~!っていう曲。
 「君(=ファン)は僕のすべて」もすごいし、ファンに「ケンティー大好きだよ」って叫ばせる方法が斬新すぎない?? そして「傷だらけの僕を守ってくれた」って現実に則した感情をストレートに歌詞に乗せて歌ってくれることがとても優しいし、ウワッ私がケンティーのソロ曲の歌詞に載ってる……って思うのほんとやばいです。
 ステージ上でどんな表情作ってくれるのか楽しみで仕方ない。C&R全力で叫ぶつもりで準備しておきます。ケンティー!

❖ HAPPY END
エッまさかの失恋ソング?! って驚いた曲。
白いシーツの海とかyou say “wooo-yia…”ってRougeだなあ。ほかにも過去のソロ曲の要素が入ってるのかな? ぱっと浮かぶ歌詞がそこだけだったのでわからず……菊池さんのソロ曲を聞きこむ日々が始まりそう。

❖ all this time
 あのね~~~~~大穴だった。泣きました。一回目で泣くなんて初めてです。一番英語だから意味なんてわからないのに、二番で日本語歌詞になった部分で理性が崩壊してウワ~~っと涙が出てきて止まらなかった。もう、めっちゃ好きです。この曲に出会えてよかったし、この楽曲を作ってくれた皆さんに全力で感謝したい。
 以下しばらく楽曲とはあまり関係ないんですが。
 Sexy Zoneは肯定感をファンに根付かせることが得意なグループだけれど、そのアプローチの仕方は個々人で異なると思っていて、けんしょりは「ファンはみんな可愛く見えちゃう」人だし(本当にみんな可愛いじゃん、みたいなこと平気で言うし、たぶんある程度ちゃんとそう思ってる)、菊池さんは自分らしくあることが大切だと思っていて、自分の生き方にもそれを強く反映しているような人。聡ちゃんはたぶん純粋に優しい。自分自身の弱いところを自覚しているからこそ、人に対して優しくできるみたいな視野の広さや心の細やかさがある人のように感じる。その点、マリウスはちょっと違う。どちらかというと菊池さんに近くて自分らしくあることが大切だと思っているところは同じだと思うけれど、菊池さんは「嘘を吐かない」「ごまかさない」「周りの目をうかがわない」みたいな意味での「自分らしさ」で、マリウスの言う自分らしさには「自律」とか「他者を尊重しつつ、自分自身を尊重すること」みたいな意味合いがある。「自分の大切だと思うことを大切にすること」というか。彼のまなざしはとても温かく、同時に冷静でもある。他者への興味を持つことができる彼は、一人ひとりに対してとても優しい。彼が紡ぐ言葉は、「全肯定」というよりも「君は君が大切だと思うことをしっかり大事にする必要がある」ということを主張しつつ、でもその内容はどんなものでも良いよというそういう姿勢を示してくれている。どんな道を選んでも応援するよ、それが君の良いと思う道なら……というやさしさ。マリウスに対してはそういう妄想じみた信頼が有るので、曲と声を聴いてるだけで肯定された気分になっちゃって……泣いてしまった。
 一回目聞いたとき打ちのめされすぎて、もう一度聞き直すのに24時間置きました。それくらいすごい衝撃だった。歌詞カード見たら負けだと思って、できるだけマリウスの声から意思を汲み取りたくてひたすらリピートした。
 曲の感想を書け。
 完全洋楽じゃん……。すっごい感情籠ってて、英語の詞だから意味はわかんなかったけど、親や家族、周囲のひとへの感謝や後悔の曲なんだろうなってことは分かった。「大人になったら思い出すんだろう、ああバカだったな、お互いのためによくなかったなって。正解、不正解、普通なんてないんだよ」って19歳のマリウスだから、20歳になりたてのマリウスだから歌える曲だし、こんな思いを残してくれてありがとう……って一通り思って、歌詞カードを読んだ。
 どう……解釈すればいいんだろう。いまとても悩んでいる。素直に解釈すれば、「僕らが試したすべて」は「君にもよくないし僕にもよくない」なんだけど、そのままだと過去全否定の言葉になってしまって、でもマリウスのほかの言葉とかみ合わない気がして、それは私が知っているマリウスの言葉が少ないからなのか、歌詞の解釈を間違えているのか……。ひたすらずっとこの曲ばかりを聞いている。
 あのね、折角だから我儘言っていいですか。勝利さんのギターと中島さんのピアノで歌ってほしい。
 マリウスがこの言葉を届けたいひとへ届きますように。マリウスの願いが叶いますように。

*総評*
 Sexy Zoneらしさを詰めつつ、いろんな冒険が見られるアルバムであると思う。ただその冒険は行き当たりばったりのものではなくて、XYZ=repaintingやPAGESでの経験を軸とした冒険だから、アルバムの中の広がりは非常に大きいのに地はしっかり固まっているなという印象を受ける。クールもキュートもセクシーもあり、Sexy Zoneのいろんな側面が見られるアルバム。買って損はない。というか、買ってほしい。Sexy Zoneありがとう、ポプステ魂楽しみです!!!!!

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