ゴキブリものんびり 生まれて初めて手で 夏休みに家庭教師と塾講師から外房の海の民宿バイトに一歩踏み出して その2 ~当たり前過ぎて意識しなくなっていること
大学1年生の夏休みのことです。
【不得意な肉体労働にデビュー】
学習系の知的アルバイトのみに絞って居たのに、何と肉体労働系の仕事にデビューすることに。
·下宿生には有り難い食事付
夏期講習の仕事が終わった直後、サークルの先輩から食事付の海の家のアルバイトに代わりに行ってくれないかと懇願され、
「それも一興」
とのノリで快諾しました。
楽しい夏の物語の始まり
鉄道を乗り継いて鄙(ひな)びた駅に降り立ち、蝉の鳴き声と真夏の日差しを浴びながら海の家に到着。朝の部屋·風呂掃除まで終わって居るので、夕方の配膳からのお仕事。それまではゆっくり海で遊んで来てはとのことでした。
海岸に出て生まれて初めて海で泳ぎました。感動。
暑いので宿に戻り休憩。
【初めての宿での労働】
夕方声がかかり先輩2人と先輩の妹さんと私の4人出て大広間にテーブル、座布団を出して配膳。宿泊客は三々五々夕食を取り、逐次下膳。お客様の一部は残って引き続きお酒を酌み交わす。それも9時過ぎになると落ち着きました。
初めての体験でしたがあっけなかった。母方の実家でお正月に親族が毎年集まって居たのですが、その時のお手伝いの経験が生きました。
宿の人が、
「お疲れさま。有難うね。もう今日は仕事終了。食事して良いよ。ビールもテキトーに出して飲んで良いから。」
と仕切られ、我々も食事に。今ならビール飲み放題は嬉しいのですが、当時はあまりお酒は飲めませんでした。とは言え先輩にスピードを合わせてビールを頂きました。
数人のお客様は夕食の時間が過ぎてもして残り、宿の人もお酒や肴の追加を貰ってなんとなくだらだら。
【生まれて初めて手で】
その時です。お櫃(ひつ)の外にゴキブリが飛来したのを先輩の妹さんが発見しました。動きは田舎育ちだからかのんびりしていました。
お客さんは残っているのでどうしたもんかなぁとしばし放置。
先輩の妹さんは苦渋の表情で固まっていました。先輩達も動けず。
仕方ないなぁ
ゆっくりお櫃に近づき手で静かに一撃。
結構大きかったのですが、生まれて初めての手での駆除。グジュというなんとも言えない感触でした。
流石海が近い田舎です。その後もゴキブリは毎日現れました。そして私もだんだん慣れてきて、お客さんや先輩が妹さんが居るときは、手での駆除を担当しました。
すっかりゴキブリに慣れてしまい、お客さんも居らず先輩と私だけの時は見なかったことにして無視していました。
蛇足
この経験が吾妹の心をつかむ一助になるとは夢々思ってもいませんでした。(笑)
私は下宿生ではないので食事付きの有り難さが今一つでした。
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