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《帰化申請》 生まれ育った土地で初めて日本人となった

2017年から進めていた個人の最大プロジェクト、帰化申請を無事に去年成し遂げ2022年から書類上の正式な身分は"日本人"となりました。

自分がこんな過程を経て帰化をしたんだという記録とついでに、もし帰化したいと望んでる方達がいれば少しでもお役立に立てれば。

申請を決意した際、どんな情報でもググれば見つると思いがちな現代をもっても、インターネットで収集できる情報や事例が本当に少なくて(内容が似たりよったりな弁護士事務所のブログしか出てこない)、いったんアイデンティティやカルチャーの話を差し置いて、事例の一つとして誰かの役に立てば良いと思う。(アイデンティティやカルチャーの話も今度したい。)

帰化申請は例えるならば、これまでの自身の一生を書面で立証する過程。本当に一人1ケース、準備する内容も違えば、それに伴う煩雑さも違ってくるので私の事例がダイレクトに誰かの助けとなることではないかもしれないけど、まあこんなパターンもあるんだと参考に思ってもらえれば幸いである。

帰化申請とはなんたることかや、申請する際の大まかな流れは情報も多いのでここでは割愛させていただく。

まずは私のケースのバックグラウンドを少し。
帰化前の国籍は中国。
生まれは日本。育ちもほとんど日本、進学のため日本を数年離れ、本帰国した際に法務省にて一度目の面接へ。

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●1度目の面接 < 2017. 12月 >
 海外から帰国してすぐ、2017年年末近くの某日、法務局にて1度目の面接を行う。
そこで初めて知ったのは、一度日本を離れ長く海外で生活してしまうと過去に住んでいた年数はカウントされず、帰国した時点での再カウントとなること。

私の場合、生まれてからほぼ継続して10年以上の住居実績があったにもかかわらず、その後海外で8年間住んだため、戻ってきた時点からの0カウントに。つまり、帰化申請の最低限の条件である"引き続き5年以上日本に住所を有すること。"が満たされておらず、そもそも申請が出来ない、とのこと。

意気揚々と面接へ赴いたのでその時点で、えっ…あとこれから5年もまつの??と暗い気持ちに笑
幸い?私の場合生まれが日本だという点が考慮され、住居実績は5年から3年に短縮可能とのこと。それでもあと3年待つなんて長い、、、と落ち込みつつもこの時は帰路につくしかありませんでした。泣

●2度目の面接 <2020.12.17>
 前回の面接からほぼきっかり3年。
仕事をしながら日々の生活をこなして待ち望んだこの日に。この日の面接では最低条件に問題がないことが確認出来たので、面接官の方と質問に答えながら私のケースで必要な書類を一点一点洗い出して行きます。
結果必要な書類は以下となりました。

フォーマットあり;
-帰化許可申請書
-親族の概要
-履歴書
-帰化の動機書
-宣誓書

中国大使館より;
-国籍証明書(訳文)

区役所より;
-出生届書
-除票
-住民票
-源泉徴収票
-課税証明書
-納税証明書

その他;
-卒業証書の写し
-過去の全てのパスポートの写し
-両親の離婚証明書
-申述書
-在留カードの写し
-在勤及び給与証明書
-預金通帳の写し
-賃貸契約書の写し
-年金定期便の写し
-5年分の運転記録証明書
-自動車免許の写し
-自宅、勤務先、事業所付近の略図
-スナップ写真、最近のもの 家族、友人と2〜3枚

以上、全てを2部ずつ

資料を請求する相手が大使館なのか、役所なのかなどはその場で面接官の方が丁寧に教えてくれました。両親の離婚証明書や運転免許などからもわかる様に、その他の部分の資料は個人のケースによって大きく変わるかと思います。

自分のケースの場合以下の3点が簡潔に済んだかと思いますので考慮材料として、メモしておきます。

①在勤及び給与の証明
最終学歴を卒業後、努めて会社員の雇用形態のみで勤めたので在勤及び給与の証明が簡潔にすみました。個人事業主などの業務形態で勤めていらっしゃる方は更に細かい税金の納税証明を出したり、確定申告に今まで漏れがなかったかなど項目ごとに自分で証明しなければならないので大変そうな印象でした。

②親族の関係証明書
一人っ子で兄妹などはいないので両親の婚姻証明(うちの場合は離婚証明笑)のみですみました。しかし、離婚証明は中国国内でしか発行してもらえないので、中国国内在住の父親に頼んで郵送してもらう必要がありました。

③婚姻届書
こちらも未婚なので特に必要はなかったのですが、ご家族のいらっしゃる方は婚姻届書等が必要な様です。

●3度目の面接 <2021.07.20>
 時間を見つけては役所に出向いたり、6冊あるパスポートのコピーを少しずつ取ったり、両親から必要な書類を連絡して準備してもらったり、そうこうしているとあっという間に半年以上が経過。いざ集めた書類を法務局に持参しようと3度目の面接予約をするも、なんとコロナで休業!!!

ようやく法務局が再開し予約を取得できたのは7月末。

幸いこの日書類に不備はなくこのまま受理していただけました。あとは面接の電話を待つのみ!

●4度目の面接 <2022.03.01>
 年が明けて、待てどくらせど法務局からかかってこない面接の電話…半年以上すぎてようやく面接のお呼ばれが!この時からは面談時と別の担当事務官の方と面接をします。

意外だったのは、結婚を前提にお付き合いしている方がいるか聞かれたことと、はいと答えたところ、その人の名前から馴れ初め、付き合ってどのくらいか、結婚後の展望など割と詳しく聞かれたことでしょうか。まあ、将来の日本人の旦那になるかもしれない人物なので警戒されて当然でしょうか、、
それから通帳の写をみて割と大きめの出費があったところは何に使用したかなども聞かれました。(引越し費用でした。)
また、自分の場合は転職歴などもあったので何が原因で転職したかなども聞かれました。人となりやプライベートなケースから書類が示す項目とズレがないか確認されている印象でした。
年の変わり目か何かに取得した納税証明書の一項目が反映されてないものがあったので追加書類としてそれだけ後日提出し直しました。

●結果発表 <2022.08.末日>
 忘れもしない8月●日。
インターネット上の情報を見ていると大体面接から半年を目処に結果通知がなされるようなので、9月までに来なかったら一度法務局に電話しようと思っていた矢先!平日オフィスに踏み入れた朝、電話で通知をいただきました。
念の為確認するとしっかり官報にも名前が!
ここまでくると帰化終了まであともう一息です。あなたは日本人となる資格がありますよ、と法務大臣からGOサインをいただいたのであります。

●後期作業
 そのあとは中国大使館にパスポートを失効しに行き、その証明を法務局に送ったりと2度ほどの書簡のやりとり、在留カードを返納、最寄りの区役所で帰化届を届けて終了!

この時マイナンバーカードがあるとマイナンバーカードの名義変更のみで年金や保険証など役所管轄の書類が一括で届出完了なので便利でした。

ただ、パスポート作成に必要な戸籍抄本は帰化届を提出してから役所が作成されるまで少し日にちがかかったので急ぎパスポートが必要な方はご注意を!

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以上が一連の大まかなリードタイムとスケジュールだったわけだけど、足がかり5年間の帰化過程、文章にするとあっさり。笑
あんなに大変に思えたのは、認められるのか否か、いつ結果が出るかわからない中でひたすら待たされるという気苦労が一番大きかったのでしょう。

それから申請中の出国について!!これはわたしが彼と遠距離状態だったのもあって申請中、申請に影響がないか一番心配していたポイントだったのだけど、結果的にはコロナによる各所の休業が一番の妨げであったぐらい、影響はほとんどありませんでした。
年間何日以内なら元々影響はないとどこかの書類に書いてはあった気がするけど、それでも毎回出国と帰国のたびに法務局に報告しなければならないので、出国した日数分、審査が遅くなるのかな、、、何か影響が出るんではないかと気が気ではありませんでした。帰化申請中、国に一時的に帰ろうかな、海外旅行しようかな、などと考えていらっしゃる方(旅行や帰省など短期のもの)どうぞ楽しんでいってらっしゃいませ!!!(電話は忘れずに。)

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