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双方向オンラインワークショップの3つの壁

みなさま、お元気でしょうか?
ソフトディバイスの野々山です。

デザイン思考系メソッドとかも人が集まってやる方が便利だったり、割と合議制で決まることも多いから、その場にステークホルダーを集めて、ワークショップとかやってましたが、2020年からはそういうワケにはいかなさそうなので、オンラインワークショップの年と決めました。

その前に、オンラインワークショップをする上で、僕が考える3つの壁があって

・参加者のITリテラシーの差/ツールへの慣れへの壁
・参加者同士の存在感への壁
・集中力の限界の壁

ITリテラシー、ツールへの慣れへの壁」は、デザインアイデア発想のためのワークショップでは、僕が重要視している機会の”フラット化”を崩してしまいます。

オフラインのワークショップでも、「みんなで付箋に絵を書いて貼りましょ〜」みたいなことをしてたら、なぜか貼ってる人は絵がうまいデザイナー1人だけ。。。みたいな状況なったりしませんか?

ツールへの慣れは、その場への参加可能性を下げてしまいます。オフラインでのワークショップで「絵を描く」というのも壁ですし、オンラインでチャットアプリや、その他のwebベースツールへの慣れは「壁」です。

ちなみに、絵を描く壁の解決の仕方はくぼみさんが解決の糸口をnoteにまとめてくれています。

次の壁は、「参加者同士の存在感の壁」です。チャットだけでは、どうしても参加者の顔しか存在感や今やっていることなどを推し量る術がありません。ワークショップでは、「みんながんばってるからやろう!」って心持ちを起こすことで、少し周縁の参加者になりかけてる人のコミット度合いを取り戻すことができたりするのですが、スピーカーが大写しになるようなシステムを持っているチャットでは、今やってる人が、がんばってるからいいや〜って気になってしまいます。

そして最後に「集中力の限界の壁」上記2つの壁がクリアできていたとしても、オンラインでのワークショップは人間の認知システムが偏るからか、視覚情報と、イヤフォンから聞こえる平面的な音なのか、当社比1.5倍くらい疲れます。
さらに、スマホの通知でもこようモンならすぐに離脱できてしまう。オフラインのワークショップでスマホ触ってたら、すぐにバレてしまいますが、顔しか見えないので、全然わかりません。

3つの壁の乗り越え方として

・慣れたツール+新しいツールで、安心感 x 挑戦の心を揺さぶる
・オンラインでも同じ場所!で、みんなの動きを可視化する
・短いリズムでやることを切り替えることで、離脱をふせぐ

かなと思いまして、ワークショップのファシリテーションを一緒によくやっている。弊社の同僚のくぼみさんと一緒に手法を考えていきました。

今回ご紹介するのは、オンラインチャットアプリ+スプレッドシートです。

慣れたツール+新しいツールで、安心感 x 挑戦の心を揺さぶるは、僕のクライアントは国内メーカーが多く、普段触れ合う人はITリテラシーが高い方ではあると思うのですが、ソーシャルメディア業界ではないので、普段からバリバリwebアプリ使いこなしてるって感じはありません。会社そのものが保守的であったり、セキュリティ面での判断が厳しめであったりして、新しいツールの導入はかなり厳しいです。
なので、実施した環境は、Microsoft TeamsとExcelとOne Driveです。Office365のライセンスをお持ちでしたら、一挙に揃う。研修終わりたての新入社員から、経験豊富なベテラン社員さんまで共通に使えることが多いExcelを用いることで、ツールへの壁を突破しよう!と思い立ちました。
 さらに、くぼみさんの進言で、ツールをまとめることにしました。すなわち、1回のWSで、アジェンダはメール、会議はTeams、共同作業は、ExcelにMiroに...みたいなことは、しない。ツールの説明に時間が取られてしまいますからね。
 今回の新しいツールは、Excelは使っていても、同時編集にまで手を出している方は、なかなかいらっしゃらないようで、使い方は一緒なんだけど、共有して同時編集機能というのは初めてという方も多かったので、「どれどれ」と言った感じで取り組んでもらえました。

参加者の動きを可視化できるツールを導入するは、すぐに手が出るやり方を採用して、かつみんなに見えるように工夫することで、相互の関心を引き出し、離脱を防ぐようにしました。
 今回は、事前課題でアイデアスケッチを書いてもらって、そのプレゼンとディスカッションの会だったのですが、用意したのは、アジェンダキーワード抽出テンプレートの二つです。基本的に、みんなで一つにシートに集まって、ファシリテーターが進行してゆくので、

集まるとこんな感じ。セルの移動で誰が見ているかわかります。

キーワード抽出シートはこんな感じなのですが、参加者ごとに1列づつ割り当てる想定です。

そして出席。キーワード抽出テンプレートの、参加者の欄に自分で名前を書いてもらいます。席取りゲームならぬ、セル取りゲームです。わらわらとシートにみんな移ってきて名前を書きます。

結構、これが、参加者同士の話題を産むのでインタラクティブになっていきますね。同時編集なんだけど、バラバラのシートを割り当てるわけではなく、同じシート上に集まることで、視覚的にも同じ場所を再現して集まって作業しました。

短いリズムでやることを切り替えることで、離脱をふせぐは、どうしてもオンラインだと、

みたいな、離脱が起こってしまいます。この会は、プレゼンテーションを聞いてから、ディスカッションだったのですが、プレゼンを聞いている最中にも、聴いている人にワークを設定しました。

プレゼンテーションを聴いている最中に、そのプレゼンの中のキーワードを書いていってもらいました。まぁ、メモの共有なんですが、「メモを書いてください!」だと、オンラインWSでは伝わりづらいので、「〇〇みたいなキーワードを…」と事例をしっかり伝えることで、はじめてワークできます。

で、さらに

時間の単位を短くして、シートをどんどん移動してしまう。そうすると…

みたいに、自分の状況が可視化されていくので、それについて行かないとという気持ちにもなりますし、ファシリテーションの僕からも目に見えるので「〇〇さん、どうしました〜?」みたいに声かけも簡単にでき離脱を防ぐことができます。

今回のまとめ。

最後に、僕は、どうしてもいろいろやりたくなってしまうのです。くぼみさんとお仕事しているから、今回のWSでも、ビジュアルにスケッチを使って!って息巻いていたのですが、くぼみさんから「テキストの方が向いてるからテキストで行きましょう」って言われて、ハッっとなったんです。

まだまだオンラインWSは、草創期です。提供する側も参加する側も成熟度はまだまだだと思っています。なので、成果をよくばらないこと、が重要だと思っています。

オンラインがゆえ、接続が不安定になったり、リハーサルはしていても本番の環境を再現することは難しいこともありますし、突如どうしても上手くいかないことがあるので、そういったことに対処できる心の余裕を保つためにも、スキル的にも、スケジュール的にも内容的にも、余裕を持って設計することが一番大切なのかもしれません。

このお話は、
リモートワークハックLT - vol.1 #remoteworkhack
でお話しました。
このLTの全スライド公開は、こちらのnoteで

京都のUIデザイン事務所
ソフトディバイスにて、お仕事しています。
ご相談はお気軽に〜

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