19歳。塾の先生。

私は塾講師のアルバイトをしている。高校を卒業すると同時に始めたので、1年3か月ほどやっていることになる。1対2の個別授業で、主に中高生の英語・国語・数学を教えている。生徒たちは本当にかわいいし、講師も面白い人ばかりでとても楽しい職場だ。

自粛期間は塾も休室していたため、今はその振替が多く入り授業が変則的になっている。普段は生徒は固定だが、この期間は今までに担当したことがない生徒もよく見るようになった。この前、生徒が2人とも高校3年生の授業があった。1人は内部進学が決定していて、もう1人も就職する予定の生徒だった。2人とも7月末に退会することが決まっている。そんな授業中、ふと思った。

彼らに何を教えたらいいのだろうか…

学校と学習塾は違う。一般的に学習塾の目的は学校の授業のサポートをすること、学校の成績を上げること、志望校に合格させること、などだろう。高校卒業後の道が決まっている彼らに、塾の先生として一体何ができるのだろう。その日の授業はそのもやもやが消えないまま終わってしまった。

授業後、この悩みを室長に相談した。すると

将来のことについて語ってほしい

と言われた。自分が高校生に語れること… 何もパッと出てこなかった。そもそも高校三年生なんてたった二つしか学年が変わらないではないか。私が高校3年生だった時、彼らは高校1年生だったのだ。それなのに私が将来について語ってもいいのか。室長は「免許とかについても聞いてみたら」と言ったが、私だってまだ持ってないもん!

たとえ未成年だとしても、生徒に接するときにはひとりの大人としての自覚が必要だなと感じた。

明日が彼らの授業だ。まだ何を話すか決めてないが、これだけは伝えたい。

JKの気力と体力は最強だよ

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