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英語圏に棲む者のエゴ

昨年の夏のこと、英語を、その音節数で数えた作歌に挑戦してみた。

例:「ストップ」なら4音、「stop」なら1音と数える

動機は、昨今の歌に、カタカナではなく英語を含む外国語がそのまま短歌に詠われるようになり、英語圏に長く住むと、音律にズレを感じるようになったから。

だったら英語の音節数でもいいじゃないかな?という考えがチラと芽生えた。 全くの試作だ。


水甕は、印刷スペースの関係から、「27文字内、ルビが禁止」という規制があり、縦書きであることもあって、結果的には不成功だと思う。

選者がどの程度買って(理解)くれたかにもよるが、英語の音節数というリズム感は共有できなかったのだろう。
その証拠に、手を加えられた歌5首が掲載となった。

以下の9首がオリジナル、太字が掲載歌で、()の方がオリジナル(つまり()部分は省かれた。


「My Song」 シンタニ優子

仲麿も見上げた空に時流れmoon riverを駆ける誓い新たに

天離る向こうに親しき人の居て夢想飛行にmoon river越え行く

目に見えぬ物を信じる群衆に並ぶ、手放す、yesterdayが光る

呈示する証書照合暗号禍マスク不要の柔きyesterday(よ)

三月の死者らが鳴らす鐘の音の殷殷として突きつけるstop(を)

寄せ返す記憶の波に引き込まれ打たれる恐怖(今も)time after time

剃刀の刺ささりし頭を思い出すtime after time未だ癒えない傷痕

謎解けて上書きしゆくイカドーブンオモイコンダラ乏しきmemory

(因果だと呟く君は泣き顔で示して見せる画面はingでfreeze)
因果だと呟く君は泣き顔で示す画面はingでfreeze

                      水甕2021年8月号掲載

反省点として、英語を使ってはみたものの、読者の理解を得るために、歌謡のタイトルに頼ってしまったこと、
実際には、英語を詠み込む必要のない歌に仕上がってしまい、単なる破調の歌で終わってしまったことなど。

一度試してみたかったので、後追いはしない予定です。
ちなみに、最初「試作」としたタイトルは、歌(歌謡)の流れを汲んで「My Song」とした。