伊皿子りり子(編集Lily)

楽しいことを仕事にしたい書籍編集者です。

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    • 読みました

      日常の読書記録。

    • 編集、日々の泡:楽しいことを仕事にしたい

      本をつくる仕事をしている。そのなかで心に残ったやり取り、など。意識低め。ためにはならない。

    • 無用とは言わせない:マジで推す本(のみ)の記録

      本をつくる仕事をしている。無用と切り捨てられがちなカルチャーこそが私を創ってきたと確信している。だから本に恩返しをする。ここではビジネス書や実用書など「明日すぐに役立つ本」は紹介しない。でも、じわじわと人生に効いてくる本当にすごい本だけを紹介するつもり。

    • 令和のいちばん長い夏:東京五輪に翻弄されたわたしの365日

      スポーツに興味のないアラフォー女が、はずみで五輪チケットに応募してみたら7セッション108万円分も当たってしまったことに端を発する五輪観戦記。

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    #002 『昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』【読書感想文】

    「あのとき、何してた?」という話題にのぼるような日が、ある。私が生まれるより前の、昭和のそんな一日に「楯の会事件」があるだろう。昭和45年11月25日。 中川右介著『昭和45年11月25日』は、大量の文献引用から一冊を構成する趣向を取る。戯曲『サド侯爵夫人』の形式を借りているという。サド侯爵の周囲の六人の女たちが、侯爵について語る。それにより、サド侯爵という人物が浮かび上がる、あれ。三島由紀夫の戯曲の代表作だ。 三島さんが自裁した、その日、その時、誰が、何をしていたのか?

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      • #001 村井理子著『家族』【読書感想文】

        ※ 発売前だし、ネタバレしないよう書いたつもり 先週、ネックレスを一本、駄目にしてしまいました。つらいです。 村井理子著『家族』に描かれた、村井さんのご家族のややこしさは、絡まってしまったネックレスの鎖みたいだと思った。めっちゃくちゃ華奢な鎖のやつ。鎖は繊細なほど、しつこく複雑に絡みつき、簡単には解けない。 ※『家族』特設サイト 息をのんで、一気に読んだ。2時間半くらい。ページを捲る手が止まらず、読み終わる頃には日が落ちて、部屋は暗くなっていた。灯りをつけるのも忘れる

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        • 小娘、絵を飾る

          絵を買うのが好きだ。いま、完成を待っている絵がある。天国のような絵を描く女友だちが、私の担当書にインスパイアされて描きはじめたという作品だ。途中経過の写真が送られてきて、興奮している。あんまり、素敵。 絵は飾る場所(壁の面積)が限られるし、一枚で居住空間の印象を変える主役級の存在だ。だから、衝動買い派の自分でも、かなり慎重に買う。 とても気に入っているが、創りたい世界観に合わない→買わない そこそこ気に入っているが、創りたい世界観にぴったり→買わない とても気に入り、

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          • わたしにしか、書けないものは、ある:哲学的文章読本『三行で撃つ』【推薦本】

            百年遺すつもりで、本を作った。 「千年の読書」に、なる。なんて、欲はさすがにかかないけれども、百年後も読まれるに値する文章読本にはなった。自負は、ある。 著者の近藤康太郎さんは、私の心算など知りはしない。でも、榛原の勝負便箋に、単行本書き下ろしの依頼状を書いたときから、私はひそかに戦ってきたつもりだ。この人の文章を私が死んだあとにも遺したい。そして、この人の文章を百年後に遺せる人間がいるとしたら、それは、私しかいない。そう思ったから。 なぜ、ずっと、その文章に惹かれてき

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            • 3本

            本をつくる仕事をしている。そのなかで心に残ったやり取り、など。意識低め。ためにはならない。

          • 無用とは言わせない:マジで推す本(のみ)の記録

            • 7本

            本をつくる仕事をしている。無用と切り捨てられがちなカルチャーこそが私を創ってきたと確信している。だから本に恩返しをする。ここではビジネス書や実用書など「明日すぐに役立つ本」は紹介しない。でも、じわじわと人生に効いてくる本当にすごい本だけを紹介するつもり。

          • 令和のいちばん長い夏:東京五輪に翻弄されたわたしの365日

            • 5本

            スポーツに興味のないアラフォー女が、はずみで五輪チケットに応募してみたら7セッション108万円分も当たってしまったことに端を発する五輪観戦記。

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            日常の読書記録。

          • 編集、日々の泡:楽しいことを仕事にしたい

            • 3本

            本をつくる仕事をしている。そのなかで心に残ったやり取り、など。意識低め。ためにはならない。

          • 無用とは言わせない:マジで推す本(のみ)の記録

            • 7本

            本をつくる仕事をしている。無用と切り捨てられがちなカルチャーこそが私を創ってきたと確信している。だから本に恩返しをする。ここではビジネス書や実用書など「明日すぐに役立つ本」は紹介しない。でも、じわじわと人生に効いてくる本当にすごい本だけを紹介するつもり。

          • 令和のいちばん長い夏:東京五輪に翻弄されたわたしの365日

            • 5本

            スポーツに興味のないアラフォー女が、はずみで五輪チケットに応募してみたら7セッション108万円分も当たってしまったことに端を発する五輪観戦記。

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            • 這い上がるために書に籠る:避難所へのガイド『千年の読書』【推薦本】

              2021年の大晦日だった。石川さゆりさんは、天城を越えたのか、あるいはこごえそうな鷗を見つめ泣いたのか。あろうことか、年が明けてからも知らないままだが、「今井」の蕎麦をすする頃には昼間の酒は抜け、頭はギンギンに冴えていた。頭痛一切なしで酒を抜いてやったゾという誇らしさで、万能感に支配されてさえいた。で、 万能の私は、本を読むのである。 仕事に「まったく関係ない」本を読んでやるのである(強い意思)。 手に取ったのは、梅田蔦屋書店の書店員・三砂慶明さんによる読書エッセイ『千年

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              • 振り返り11冊:2020年の担当本

                2020年は11冊つくりました。著者、デザイナー、イラストレーター、カメラマン、校正者と、人に恵まれた1年でした。楽しかったな。担当本を一気、振り返り。 赤松利市 著『下級国民A』赤松先生、初のエッセイ作品。先生が、東北にいる頃の実話です。この後の東京篇もつくれたらいいな、そのうちに。カバーは、2019年12月の早朝、日が昇る前の浅草で撮影した。先生の色気がすごい。絵になる! 結局、カバーには写真1点しか使っていないのですが、場所を変えて撮ったアザーが、どれもこれも素晴らし

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                • 人々が呆気なく事切れる:河南省エイズ村の魔術的リアリズム『丁庄の夢』【推薦本】

                  312ページ、二段組、3,200円なのである。高いけど、文字量を鑑みればコスパはいい。しかし、読み通させないオーラがバリバリ出てる。だからある程度責任を持って言いたいと思う。 買って損はなし。 特にラテンアメリカ文学ファンの人は。 むしろ買ってください(中国文学だけれども)。 ぜひとも。 寝不足クソ食らえで一気に読みきった。閻 連科(えん・れんか)の本は初めてだった。流麗かつ簡潔な訳が素晴らしく、のめり込める。明け方、ハイテンションで他の主要作品もただちにAmazonのカ

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                  • サディスチックが突き抜ける:殺しの緊張の緩和『おれの中の殺し屋』【推薦本】

                    痺れる。舞台はテキサスの田舎町。涼しい顔で殺りまくる保安官助手ルー・フォードのモノローグで展開する。サディストでサイコパス。しかし外ヅラはむしろよく、饒舌でとぼけている。多数、人が死ぬんだが、なぜかカラッとしている。日本のクライムなら、似た殺人鬼像を創ってももっとウェットな仕上がりになりそうだ。 笑いを生む条件として「緊張の緩和理論」を唱えたのは桂枝雀だが、ルー・フォードの殺しにはこれが当てはまる。変な笑いがこみあげてくる。そんな自分がちょっと怖い。 先の殺しを隠蔽するた

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                    • ディスタンスが揺らいでいる:人との適正距離を問う『フライデー・ブラック』【推薦本】

                      緊急事態宣言が発令されて家に篭らざるを得なくなったとき、意図的にやったのは「人と距離を取る」ということ。物理的に人との「密」を避けなくてはならなくなったということもあるけれど、精神的にも人との「密」を避けることで、物理的な「密」を回避することが簡単になった。周囲ではオンラインでの飲み会がブームになり、SNSで人と交流することへの依存度が高まる気配を感じた。しかし、私はそういうのはやめようと思った。 ではその期間、何をしていたかというと、考えごとと読書だ。ともに昔から好きなこ

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                      • インテレクチュアルかつ「実」がある:良書の3条件を満たす2020年上半期マイベスト『アロハで猟師、はじめました』【推薦本】

                        本年度上半期のマイベスト。 かっこいい本だ。私が書店員なら、「思想」の棚に置きたい。「アウトドア」棚はサブ扱いにするかな。「狩猟」のイロハを語ったルポかと思ってしまいそうだけれど、そんなありがちな体験記ではないからだ。本書において、著者にとっての「狩猟」とは材料みたいなものなのだな、と捉えて読んだ。 著者は「狩り・屠り・食す」という営みを一つの材料にして、自身の思考を料理する。他に類のない独創的かつ、キレッキレのレシピで読者に供するのは「暴力論」「戦争論」「コミュニケーシ

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                        • 賽銭箱のようにいる

                          煮詰まっていないかと聞かれることが増えた。それが、まったくそうでもなくて、なんかほんまにごめんなさい、世間。目を閉じれば、どこにだって行けるしね。 旅に出るのは、たしかに有益だ、旅は想像力を働かせる。これ以外のものはすべて失望と疲労を与えるだけだ。ぼくの旅は完全に想像のものだ。それが強みだ。 これは生から死への旅だ。ひとも、けものも、街も、自然も一切が想像のものだ。小説、つまりまったくの作り話だ。辞書もそう定義している。まちがいない。それに第一、これはだれにだってできるも

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                          • 「死ぬ気で味わう」3冊 #料理本リレー【推し本】

                            (※Instagram からの転載です) #料理本リレー キターーー(゚∀゚)ーーー!! 【From】青山ゆみこさん( @aoyama_kobe )。作家であり、リスペクトする編集者。『人生最後のご馳走』や『ほんのちょっと当事者』の著書がある。関西の「いっとかなあかん」店を食い尽くしてきた筋金入りグルマン。 *** 私が紹介するのは「死ぬ気で味わう」料理本。食べるって命がけの行為だ。本来は。食べなきゃ、死ぬ。忘れがちなことを思い出すクールな三冊だけど、すまん…。つまる

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                            • 安倍ちゃんにお願いしたい1つのこと

                              すっかり忘れていた。いや、忘れようとしていた、とでもいうほうが正しいのかもしれない。 2月20日から五輪チケットの「整理券はがき抽選による先行窓口販売」の申し込み受付が始まるのだそうだ。 整理券はがき抽選による先行窓口販売。 狂気じみて長い名前のせいで意味がまるでわからない。が、なんにせよ五輪のチケットを売るらしい。ニュースで偶然見て知った。そして、思い出してしまった。 あ、そういえば、わたし、五輪のチケット持ってたな…って。 で、さすがに楽観的な私でも気づいたので

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                              • そして誰もいなくなった:五輪チケット108万円分が当選した結果

                                「えっ、自分で書くの?」 失笑すら起きない空間に身を置くつらさは、何度経験したって慣れないものだけれど、1秒が数分のように感じられたのは初めてだった。ぜんじろうが「笑点」に出たって、もっと笑いが起きそうなものだ。って、ことはさすがにないかもしれないな。覚えてらっしゃいますか。かつて「第二の明石家さんま」と呼ばれた人でございます。 それにしても、おかしい。絶対におかしい。渾身の単行本企画「当選した五輪チケット108万円、全部買ったらどうなるか」に対して、この塩対応である。ス

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                                • やっぱり東急、でも楽天:五輪チケット108万円分が当選したその後

                                  平々凡々と生きてきたわたしに、突如ふりかかった「五輪チケット108万円、いちどに支払えよ、さもなくば一切の権利を失うぞ」問題――略して「仁義なき戦い」。って、まったく略してないわけだけれども、この戦いが東京都とわたしの間で勃発したことで、わたしの周辺は騒がしくなった。正確には自分で騒がしくしてしまったわけだけれども、この問題を前回のnoteに書いたところ、波紋が広がりまくった。不惑のごく平均的な女性編集者であるわたしの元に、片手で指折れる程度の激励と、妬み嫉みに満ちた罵詈雑言

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                                  • 五輪チケット、7セッション108万円当たったんですけど⁉︎

                                    33万4658円、足りない。何度計算しても足りない。 クレジットカード一括払いで必要な支払額は108万円。現在、わたしのカードの利用上限額は74万5342円。このままではわたしと「東京都」の間に勃発した「仁義なき戦い」 にわたしは屈しなければならない…。 小さい頃から、くじ運だけは悪かった。小学校の遠足では、バスの座席を決めるくじ引きで大嫌いな男の子の隣になった。大学の語学のクラス分けではノートを借りられるヤツが一人もいない使えないクラスに振り分けられた。生来の怠惰と相ま

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