物語の視点 【一人称】 3

※カクヨムから引っ張ってきた記事です。

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 このエッセイは勢いで書いているので、話を続けようとすると難しいですね。話の重複する箇所があるかもしれませんが、まあ、復習みたいなものだと思って。

 ここまで一人称について書いてきましたが、今回は物語との相性です。

 一人称は感情をガシガシ描写できるので、当然、気持ちが揺れ動く青春系の物語は相性抜群です。キャラクターたちの気持ちが惑う様や、迷い、悩み、そして告白が成功した喜びや幸福。青春モノは日常を描いているので、共感しやすい物語です。青春の甘酸っぱさを、ここぞとばかりに書きまくって読者を揺さぶってやりましょう。

 現代ドラマでも、いいですね。日常系は一人称で、なんとかなります。

 他にも、サイコホラーや、脱出モノ、タイマンが売りのバトルものとか、ボクシングみたいな狭いフィールドで行うスポーツは一人称との親和性が高いのではないかなと。一人称で視界を狭くすることでキャラクターとの共感を得やすく、キャラクターの感じている恐怖感や臨場感を読者と共有しやすいのです。読んでてドキドキするって感覚になってほしいとき、一人称はかなり便利です。

 ミステリーは、視点として選ぶキャラクターによりますかね。

 探偵視点だと全ての問題点に気づいてしまいますから謎解きとしてはつまらないですし、謎解きに凝りたくて描写していない事実などがあれば、それは読者への公平性に欠けます。フェアか、アンフェアか。このあたりはミステリーファンとしては無視したくないところ。

 こういうとき『助手』という存在は活用できます。一人称は、その人物を等身大に描きます。『助手』を視点に選んだのなら、彼彼女と共に探偵を見守り、気づき、驚くことができるでしょう。まあ『助手』は一般人枠と変わらないので(読者の共感性を大切にするなら、ですが)、探偵が気づける箇所を素通りします。それも謎解きという観点から見れば読者への公平性に欠けるので、私個人としては安易に使えないかなと思います。所々、探偵の解説が必要になりそうです。うーん、難しい。

 一人称と相性が悪いのは、広いフィールドを必要とするものです。『引きの絵』が必要ってヤツですね。野球とかサッカーとかの多人数チームスポーツや、ファンタジーでも合戦モノだったり。『引きの絵』じゃないと伝わらない、とにかく人数が多い、広い土地が必要、そういうものに一人称を使うのは苦労します。

 野球をプレーしたことのある人間なら分かると思いますが、個人がプレーに絡む回数なんて限られています。外野、特にライトとか守ってみてください。素人は、まず、そこまでボールを飛ばせません。小学生のライト守備なんて、一番下手なヤツがすることです。ライト守備の小学生視点なら、チームメイトが楽しむのを眺めているだけの物語になります。仲間はずれになる主人公の悲哀を描きたいのなら、オススメです。

 私は小学生の頃から運動できたので、内野を守っていましたが(ドヤァ)。

 いや、それは関係のない話だった。

 ピッチャーや、キャッチャーといった必ずボールに触る役職なら書けるかもしれません。しかし、チームスポーツですから、個人ばかり際立っても物語として破綻する可能性はあります。結局は作者の力量次第ですけど。

 私の作品でいえば『ドラゴンライダー』は架空のスポーツですが、レースバトルです。『引きの絵』が必要だったので、一人称ではなく三人称で書いています。

 でも、この三人称には秘密がありましてね……。

 一人称は、ここまで。

 次回、三人称へ進みます。

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Webを漂う書くのが好きな人。最近はゲームのことばかり。現在「NOVEL DAYS」「アルファポリス」にて作品投稿中。