ともしび
私の本棚~司法試験編憲法(引っ越し作業中)
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私の本棚~司法試験編憲法(引っ越し作業中)

ともしび

第1 はじめに

 私が受験時代に使用していた本や読んだ本,現在指導に際して確認するために使用している本をまとめていこうと思います。利用方法なども一言二言で書いていきますので参考にしてください。また,同じ名称の本も多いので,通称なども使用していきます。

 なお,すべてを私が購入し通読していたわけではなく,図書館で参照していたものも結構記載しております。

 特にこれはというものは別途書評にします。

 なお,引用しているものは最新版をに統一している予定です。私が受験当時に使用していた版とは異なります。

 また,分類に関しては以下の定義・基準で割り振っております。

・基本書と教科書 メインテキストとしての使用に耐えうるだけの情報量がある書籍。基本書と教科書は同義語として扱います。

・体系書 メインテキストとしては過剰な情報量だが,参考として読む本、あるいは辞書的に使用するとよい書籍

・副読本 教科書ほど網羅性はないが事例演習の素材でもない。論点解説を中心にしている書籍

・演習書 主に事例問題をベースに論点や判例などを解説している書籍

・判例集 判例百選をはじめとした判例の事件内容を解説している書籍

・入門書 メインテキストにするには情報量が不足するが,全体を外観するのに使える書籍。主にその他に分類

・予備校本 予備校の出版している書籍(なお、過去問解説や再現答案系は含まず)

第2 憲法の書籍の外観

 憲法は司法試験予備試験の問題と基礎知識といわれる部分の距離が比較的遠い科目です。また、教科書に書いてある知識をそのまま答案に書くことの少ない科目です。ですが、教科書で考え方を学んでおかないと体系が崩れます。

 憲法の書籍状況の特徴は教科書や判例集も豊富にありますが、一番の特徴は副読本の多さにあります。有用な本もたくさんありますが、逆にやりすぎてもコスパがよくないです。

 ここの紹介を参考にしつつ、自信で本屋で手に取って検討してみてください。

第3 書籍紹介

1 基本書・教科書

①『憲法(第7版)』岩波書店 芦部信喜著・高橋和之補訂 通称『芦部憲法』

 芦部に始まり芦部に終わる。行間を読むテキストといわれますが,最低限度のことがコンパクトに書いておりいまでも普通に使える教科書です。というか,採点官もこれで勉強していたと考えると受験憲法における共通言語ではないかと思います。最近は使わない人もいますが,聖書ですので一度は読んでほしいです。

②『憲法学読本(第3版)』有斐閣 安西ほか著

 私が受験時代には使っていませんでしたが,最近指導の際に推奨しています。読みやすし,統治も記述があるので1冊で憲法をと思う人にはお勧め。

③『立憲主義と日本国憲法(第5版)』有斐閣 高橋和之著

 芦部憲法の補訂をしている高橋先生の基本書。審査基準論の理解が進む一冊でした。割と芦部憲法でわからない部分や不足している部分の補充として使用していました。

・『憲法1人権(第8版)』『憲法8統治(第7版)』有斐閣アルマ 赤坂・渋谷著


 学部の教科書的な本ですが,人権の関係性などの図表がまとまっていてよかった。知識の整理にはちょうどよい本です。統治もコンパクトで非常にわかりやすかった。これくらいの知識量で充分と思う。

・『憲法Ⅰー統治機構(第2版)』『憲法Ⅱー人権(第2版)』日本評論社

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 買って読み進めている本です。教科書的には申し分ないと思う。司法試験的に効率的に知識を習得できるのか?という点の評価はまだできていない。

(2) 体系書

・『日本国憲法論(第2版)』有斐閣 佐藤幸治著

法科大学院を作った戦犯?(らしい???)だが,表現の自由やプライバシーの自己情報コントロール権説などはわかりやすいですし,統治の内容もここまで書いてあれば申し分ない。体系書といえばこれ!という一冊に思う。法科大学院制度を作った点はギルティですが。。

・『憲法1-基本権』『憲法2ー統治機構』日本評論社 小山他著

 いわゆる新4人本。旧4人本とは内容が全然違うが,最近のトレンド的にこちらなのかと思い受験指導で辞書として使用している。内容的には可もなく不可もなしという感じです。3段階審査で書かれた教科書という触れ込みですが,現在の司法試験で3段階審査の枠組みで書くのは厳しいので角に読み込む必要はないと思う。

※旧4人本はさすがに古いので以下紹介にとどめる。昔はこれを使っていた方も結構いたようです?私はあまり使用していなかったですが。


(3) 演習書

・『判例から考える憲法』法学書院 小山他著

事例の内容がちょうどよく,解説も丁寧でわかりやすくなり非常に使い勝手がよかった。やや古い本ですので、現在で必須の本ではないでしょう。たしか受験新報の連載です。図書館とかで読めるなら読んでみるといい本

・『憲法起案演習』弘文堂 渋谷秀樹著

 アルマを書いている渋谷先生の司法試験過去問の解析本。学者の司法試験問題の解析本としては,これしかないかなと思う(よく考えたら後述の『憲法ガール』の著者の大島先生がもはや学者か?)。内容は30ページくらいまでの総論部分だけは非常によい。判例のまとまりや答案作成の際の視点になる。

 しかし,本題のはずの問題の検討部分となる各論は、、、まぁひかえめにいって読む価値は極めて乏しい。。。参考答案も合格のための参考にはならないし,現場でここまで分析できるか?としかいえなもの。およそ受験生をターゲットとしているようにも思えない記述も多く、意図が不明な本という印象。学者が書いてみた司法試験答案という感じか。というか,この分野だと『憲法ガール』が強すぎるためわざわざ読まなくとも。。。総論部分の表はよいが,ならアルマにも同様の表はあるのでそっちの方が情報量が多くてよいと思う。

・『憲法演習サブノート210問』弘文堂 宍戸・曽我部編著

 サブノートシリーズの一冊。民法と刑法がよかったので買ってみたが、他に比べて疑問符??の着く問題が多い。メリハリをつけて読めばまぁ読み物としては面白い??一行問題とかおふざけですよね?はしがきと内容の不一致があるから錯誤では??9条の問題とか国際法ですよね??どこに向けて書いているのか…わからない問題もある程度ありますが,良問も多いので本当にメリハリが重要な本だと思う。ある種ネタですね。

・『憲法ガールRemake Edition』『憲法ガールⅡ』法律文化社 大島義則著

 憲法の過去問解説の究極。問題を小説形式で解説するという独特の内容。絵もいいですし,読みやすい。分析のレベルは受験レベルとしては最高峰なので個々に書いてあることの半分くらいが本番で書けるように勉強すれば問題ないと思う。個別指導の方には必ず購入してもらっている書籍です。

(4) 判例集

・『憲法判例百選Ⅰ(第7版)』『憲法判例百選Ⅱ(第7版)』有斐閣 長谷部,石川,宍戸編

 定番の1冊?人権部分だけも試験範囲的には十分ですが,一応2冊を紹介。判例百選に掲載のある部分については択一で出ても文句は言えないのでしっかり読むべし。百選の使い方は別途記事にしますが,憲法の百選は試験に使える記述も多いので悩んでいるなら使用すべき。統治も必要箇所は読んでおいて損はない。

・『精読憲法判例[人権編]』『精読憲法判例[統治編]』弘文堂 片桐他編

 ローのテキストとして使っているというので読んでみたら非常に良かったので最近は推奨している。人権の判例は長文で読みにくいですが,この本ならメリハリをつけて読めるし,法理論がどういうものか,事案がどうだったのかを正確に理解できる。判例の原文を読むという点ではよいシリーズ。統治は試験的にはここまで必要ないが,一応お勧めしておきます。ロッキード事件とか選挙権関係とかも判例の判断構造はこれを読めばわかる。まぁほかのテキストでコンパクトに理解するのでもいいですが。。

・『憲法の地図』法律文化社 大島義則著

 憲法判例の一図付けを図表を使いながら整理してくれている一冊。判例相互間の関係から憲法の人権の体系が見えてくる非常に良い本です。薄くてある程度判例を読んでいればすぐに読めるので最後の仕上げにちょうど良い。私の受験直前の4月に出ましたが半日で読んだ記憶があります。

(5) そのほか

・『読み解く合格思考憲法』辰巳法律研究所 

 憲法の答案の書き方がわからない!という方はとりあえず手に取ってよんでみるといい1冊。まず入り口としては非常によい。コンパクトだし。記述にやや不安な部分も個人的にあるが,他の書籍と併用したり,過去問を分析すれば問題ないと思うので,買う価値あり。

・『「憲法上の権利」の作法(第3版)』尚学社 小山剛著

私が3段階審査と出会った1冊。違憲審査基準での理解がどうも進んでいなかった時期(大学1年の春休み)に読んで,基準論以外でも判例や条文の整理できるんだな~と思い,逆に基準論の理解が進みました。判例の分析なども秀逸です。

・『憲法 解釈論の応用と展開(第2版)』日本評論社 宍戸常寿著

 私としては,憲法の理解が格段に進んだ1冊です。読みにくいし,難解であるのは事実ですが,内容は非常に濃いと思います。憲法の人権の考え方がみにつくおすすめの1冊。答案作成方法にも言及があり興味深いです。

・『憲法の急所──権利論を組み立てる(第2版)』羽鳥書店 木村草太著

私が受験生時代にすごくはやっていた本です。一応,読みましたが結構独自的な視点が多いように感じ,私自身は深くやりこまなかった一冊。それでもいまだに使用している人も見かけるので推奨しておきます。

・『憲法判例の射程(第2版)』弘文堂 横大道聡編

最近よく使っている人を見かけるので一応持っている一冊。まだ読めてないので評価はできませんが流行っているのでよいのだろうという推定が働く。

・『憲法論点教室(第2版)』日本評論社 曾我部他著

 最近買って読んでみてよかった一冊。ここどうやって理解するんだろう?っていう意論点について一定の道筋が書いてあり理解が深まる1冊。

・『LAW IN CONTEXT 憲法 - 法律問題を読み解く35の事例』有斐閣 松井茂記著

 自分が学部2年の時の演習で使った本。ゼミの先生は確か新任の准教授で単位が取りやすいのかわからなかったため,あまり受講生がいない授業でした。そんなタイミングの学生に,これを使用して憲法問題を検討させるというかなりの無理ゲーなゼミでした(笑)。しかし,この本の内容とあいまって,人権の設定とか新規の憲法問題に対してどう対処していくのか?判例と新しい問題はどう関係し,どのように処理していくべきか?などを学べた思い出の1冊。さすがにもう古いので試験に使用するのはちょっと厳しいかも。

※憲法は副読本の種類が多いので適宜必要なものを1冊くらい読んでおくとよい。

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ともしび

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ともしび
司法試験受験指導する弁護士です。2015予備試験合格、2016ロー卒&司法試験合格 OLSアドバイザー 個別指導の募集要項などの情報発信、司法試験の感想などや勉強方法などを書いていこうかなと考えています。 お問い合わせは lighta.ampligh@gmail.com