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『夢なし先生の進路指導』を読んで

 この前、夢について真剣に考えていた頃、気になる漫画を読みました。

そこで、見た感想について書いていきたいと思います。

主人公の『夢なし先生』と呼ばれる彼は、キャリアコンサルタントの仕事をしています。

 彼は、夢を目指す生徒に厳しい現実を突きつけてきます。

 第一話のが、声優志望の女の子の話です。

 夢を目指してひたむきに取りしますが、大きな壁が立ちはだかります。

 彼女は、凡人なのです。

 声優志望は、30万人。
人気事務所のオーディションは、500倍。
有名アニメのオーディションは、事務所の推薦によりおそらく7000倍。

 凡人が、これらのかなり狭き門をくぐり抜けるのはかなり厳しいのです。

 しかも、声優はアイドル化してしまい22歳ぐらいまでしか重要がない…

 彼女は、自分より遥かに才能のある人を目の当たりにし、絶望してしまうのです。
 ですが、何がなんでも声優になりたく枕営業に手を出してしまいます。

 そこで、監督にそそのかされホテルに連れてこまれいいようにされます。そして、彼女は大役をゲットします。

 しかし、それも監督の気まぐれにより一発で終わってしまいます。
 彼女は、どんなに頑張っても頑張っても、思うようにはいきません。

 それでも、心をすり減らしながらメイドカフェで働き、夢に向かってまい進します。
 しかし、自分の実力が理想に追いつかず絶望し自暴自棄になってしまうのです。

 そこで、夢なし先生が傘を差し出し、少女は少しずつ自分を取り戻していきます。

 この漫画は、初めは暗い話なのかと思いましたが、読んでいてハッと感じるものがありました。

 夢なし先生は、夢を目指す若者達に厳しい現実を突きつけ、諦める大切さや諦めた事で終わりじゃない事を教えてくれるのです。

 大抵の漫画は、ポジションな感じで夢を持たせ成功した者ばかりを取り上げます。

 しかし、この漫画は、真逆であり残酷のように見え読む者の視野を拡げてくれるのです。


  大人も成功者も、誰もが口を揃えて『夢は必ず叶う』『努力したら報われる』『諦めなければ夢は叶う』などと無責任にそれを言いがちです。

 彼らは、それは当たり前のように夢を目指す者に対して、励ましてきます。

 彼らにしてみたら、元気づけてるつもりなのでしょうが、それで追い込まれて自暴自棄弐なってしまう無才な人だって出てきます。

 夢は、誰だって叶えられるものではありません。誰でも、努力すれば夢は叶えられるものではありません。

 勿論、努力も必要ですが、人それぞれ適性が違います。元の能力が、皆違うのです。

 私は、この漫画を読んで救われました。

 例えば、小説家を諦めようか苦しんでいる人に対して、誰もが、『諦めたら終わり』『今からでも間に合う』などのような、夢に向かって邁進するような言葉を投げかけてきます。

 専門の人でも関係ない人も、無責任に『努力すれば確率がぐっと上がる』『努力したものが掴み取れる』『成功者は、皆死にものぐるいで努力してる』との事を言っていました。

 その小説家を目指した人達だって人一倍努力してきた筈です。彼らの心は、その精神論根性論の言葉で救われるのでしょうか…

 益々、心を追い込まれてしまう筈です。

 小説家もかなり狭き門です。一般文芸は、1000か、2000倍…ライト文芸は、500倍から100倍の狭き門をくぐり抜けなくてはなりません。

 私も、現在WEB小説を書いてサイトに投稿しようと考えてますが、自分の能力の限界や才能溢れた作品にやり場のない苦しみを抱えています。

 夢なし先生は、諦めたら試合終了ではない、諦めた先に見えてくるもの、視野が広がるという事を私に気づかせてくれました。方向転換する大切さ、柔軟さを教えてくれました。諦めたら終わりではない、死ぬわけではないのだと、私はこの漫画に救われました。

 諦め方向転換することで、新しい世界が見えてきます。

 彼は現実的で、マイノリティーな考えの持ち主です。彼もまた、夢を目指して挫折したひとりなのです。

 夢を目指すのが疲れてきた方、興味のある方におすすめです。
 
 新しい見方も出来、視野が広がること間違いないです。

 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。m(_ _)m


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