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フィンランドで意識する・日本で意識しなかったエコ

フィンランドでの日常生活を通して、環境に対する意識が高いことに気が付いた。もちろん、そうでない人もいるし、個人差はあるが、わたしのホストファミリーの考え方は興味深い。

環境への意識

一つ目の新しい概念は「プラスチック嫌い」である。残った料理はラップを使わず、ジャムなどの入っていたビンに入れたり、ミツロウラップを使用して保存する。量り売りの野菜や果物を好み、買うときも薄い布のバックを持参する。包装過多な商品を避けている。また、スーパーで売られているパンも紙の袋に入っているし、卵も紙のパックに入っている。(たまに、糞付き卵との出会いに驚く。)砂糖やオートミールなども紙の箱にそのまま入っている。(たまに、砂糖は箱からこぼれてくる。が気にしない)お菓子屋さんから出てくるお客さんは、紙のパックを手にしている。友人(学生)も、残った料理をお土産として、ラップではなくタッパーに入れてくれる。

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自家製あんこ(マスタード・ジャム・日本酒のびん)に保存

二つ目には「無駄が少ない」。上で述べたように、残った料理は全部冷蔵庫に戻すし、食べきれない分は冷凍庫に入れて廃棄しない。食べる食材も旬や無農薬のものを選ぶ。スーパーで売っている夏野菜は余計なエネルギーを使って生産しているため、野菜を育てることができない冬に食べる野菜は、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、キャベツなど保存ができる冬野菜ばかり。もちろん、バナナやアボカドも買うけれど、毎日必要ではないよね?また、一つのものを大事に使い、壊れたら修理をする。「これは、30年前に買ったやつだよ。」という物が日常にあふれている。

三つ目は「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」。食洗器の固形洗剤は、「半分で足りるから」と半分に切って使う。洗濯物が溜まったときだけに洗濯をする。服は、大丈夫な汚れだと判断したら着続ける。例えば、少し土が付いたとする。でも、土って汚いのだろうか。自然の物質に過ぎないのではと。(もちろん下着は、毎日変えている。)「シャンプーをしなくても汚れは落ちるから。」とお湯のみでシャワーを浴びる。(わたしは、使わせてもらっています。)

自分の選択

 そして、何よりも自分の意志に沿った選択をしていると感じた。ホストファミリーのEさんは、「自分の行動が環境を変えるとは思ってはいないし、環境を改善するには規則などを定めなければ変わらないでしょう。でも、自分がこの行動を取るのは、自分が納得できるから。」と言っていた。この日は、料理器具が壊れたので新しいのを買いに行ったけれど、プラスチック製のものしか売っていなかったので、買わずに帰ってきた。
 ベジタリアンの友人に、なぜ肉や魚を食べないのか聞いた。そしたら、予想通り「環境によくないから」という意見が返ってきた。畜産が環境に甚大な影響を与えていることは、知ってはいるが、それはあくまで一つの事実であって自分の生活とは関係が無いと考えがちな気がする。畜産が環境に良くない、だから、反対する自分は肉を食べるのをやめる。という、自分の行動に対する根拠を持っている。
 自分達の行動は、過激だと認めているホストファミリーだが、「ヴィーガンは過激すぎる」と考えていることも、また興味深い。彼らは、毎日肉や魚を食べているわけではないし、むしろ私は、日本にいたときよりも肉や魚を食べる機会は減った。野菜だけの料理でも十分においしいことに気が付いた。ただ、栄養バランスを考えたときに、タンパク質は必要であるし、全てを植物から摂取するのことは簡単ではない。サプリメントや謎の健康そうな粉を食べたいとも思わない。それなら、地元の農家の肉や近郊で獲れた魚を食べたい。なんたって、おいしいからね!しかも、農家や漁師にちゃんと還元されるし、移動コストやエネルギーも少ない。
 個人的なもやもやとして。大豆消費大国である日本の大豆の自給率は、10%以下である。日本の大豆食品の輸入依存システムは健全なのだろうか。これまで、安い豆腐や納豆、きな粉を選んで買っていたが、だいたいはカナダ産・アメリカ産だった。あれ、けっきょく、エネルギーかかっているのでは…。でも、家畜を生産するよりは、少ないのかな…。と自分の少ない知識で堂々巡りが行われる。結論、自分の納得できる選択ができたらいいな。
 フィンランドでは、鮭の入ったフィッシュスープが有名だが、ある人は「サーモンの養殖は環境に悪いから、地元の魚を使う。」と言って、おいしいフィッシュスープを振舞ってくれた。Kiitos!


 これまでの自分の行動は、何気なくやってきたことが多々ある。でも、なぜその行動を取るに至ったのか、改めて考えてみたい。そうしたら、自分の生活に対して、納得できる気がした。自己満でいいじゃないか!

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おまけ:ヘルシンキのごみ分別

 ごみは、紙ごみ、プラスチック、缶、ビン、厚紙、その他燃えるごみ、コンポスト(生ごみ)に分別される。生ごみは、紙袋(専用のかな?)にためてコンポストとして回収される。アルミ缶とビンをスーパーに持っていくと、デポジット料金が返金される機械がある。ごみ処理に対する制度が整っている!ごみを持って行ってお金がもらえるなら、そりゃ分別する気が起きる。全部分別をすると、自分がどんなごみを出したか知るきっかけになる。分別したことによって、ごみ処理にかかる余計なエネルギーが減ると思うと気持ちがよい。

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