見出し画像

本当の意味で良い夫とは??「妻のトリセツ」要約・所感

おはようございます。本日は黒川伊保子さんの「妻のトリセツ」を取り上げたいと思います。

ご結婚されている方、夫婦関係は良好でしょうか?夫婦の数だけ悩みはあります。良好で上手くいっている夫婦、最近はあまり上手くいっていない夫婦いろいろあるでしょう。夫である男性にもう一つ問います。妻を怒らせてしまった経験がありますか?…ほぼ全員ではないかと思います。

本書では女性であり人工知能の科学者でもある著者が、脳機能という科学的な根拠をベースに妻の怒りを10発から5〜6発に減らして良好な夫婦関係を築く秘訣を教えてもらえます。なぜ5〜6発? 0発じゃないの? この理由については後述します。特に男性の方に最後まで読んでもらえれば幸いです。本書から学んだ事を以下にまとめていきたいと思います。


1. 記憶の引きだしが得意な女性脳 男性脳の違いとは

妻がなぜ不機嫌なのかがわからない夫、そもそも妻の怒りの原因は今目の前に起きていることだけが原因ではなく、過去の記憶の総決算として現れているのです。女性は感情に伴う記憶を長期間にわたって保存し、しかも鮮やかに引き出すことが得意な脳の持ち主なのです。

女性と男性の脳の違いは、左右の脳をつなぐ脳梁の太さにあります。これは左右の脳の連携を司る部分であり女性のほうが太いのです。つまり、女性の方が左右の情報処理には長けているのです。これが記憶を引き出す能力の一役をかっています。

では、なぜその様な違いがあるのか。これは進化の過程でそうなったのです。他の哺乳類も含め自分が産んで残せる個体が少ない人類において、女性の大切な役割は子どもを安全に産み、そして育てる事でありました。特に周産期・授乳期では神経を研ぎ澄まし、自分自身と赤ちゃんを守ることが命題だったのです。

目の前の命題に対して瞬時に脳をフル回転させて、つまり左右の脳を密に連携させて様々な記憶をもとに総合的に判断して対処することが種の保存として長い間求められて進化してきたのです。

周産期の授乳期の妻は満身創痍なのです。夫の相手などしている場合ではありません。妊娠中 出産後 授乳と女性ホルモンの量は目まぐるしく変化します。ホルモンだけでなく妊娠すると胎児や胎盤に栄養素を送るために循環血液量が40%の増加します。このあたりを周産期・授乳期において妻との関係に悩む夫諸君は理解しておいた方が良いでしょう。

では男性はどうか。狩猟時代の男性の命題は十数キロも離れた場所まで狩に出かけ、獲物を捕獲した後に迷わず洞窟まで帰ってくることでした。GPSもない時代です。木や山や谷などの地形、太陽や星などの天体からの情報を瞬時に測り記憶しておく能力が長い間求められながら進化してきたのです。男の子は生後8ヶ月で3mの鳥瞰があるとも言われ、小学生にもなれば公園を真上から見た展開図を描ける子もいます。男性の生まれつき空間認識能力が高いのはこのためです。



2. 女性は共感をもとに生きている

女性はどこまで行っても共感の生き物であると以前のnoteでも取り上げたことがあります。



ここでは女性同士の会話と女性と男性の会話の違いをみていきます。女性同士の会話はいわば共感のプレゼント大会であるといいます。先にも述べた通り女性脳の目的は目の前の赤ちゃんを安全に育てるために、事態に対して瞬時に判断して対応することでした。その為には多様な情報収集から知恵が必要となります。

女性は自分以外の人の経験談すら、自分の経験かのように知識として蓄積していざという時に備えていったのです。その為には相手に気持ちがよく話してもらわなければなりません。相手に共感のプレゼントをしてその体験を鮮明に引き出し、自分のものにしていく。女性同士の井戸端会議にもこういう意味があるのです。

一方で男性と女性の会話、つまり夫婦の会話ではこうは行きません。これは女性脳と男性脳の会話の通信線の違いで説明できます。女性は会話において「心の通信線」と「事実の通信線」のダブル回線を使います。しかし、男性脳の会話は「事実の通信線」の1線のみです。

会話には4種類あるとしています。
①心は肯定、事実も肯定
②心は肯定、事実は否定
③心は否定、事実は肯定
④心は否定、事実も否定
通常女性どうしの会話では③と④は使いません。事実の肯定か否定かは問題にはなりませんが、心を否定してしまうと会話が、つまり人間関係が成り立たなくなってしまうからです。女性脳は仮に事実を否定する場合でも「あなたの気持ち分かるよ私だって同じ立場ならそうしたと思う、でもそれは間違っているよ」となります。

しかし、事実の通信線しかもたない男性脳との会話になると問題が生じます。それ間違っているよといきなり結論をだす。夫側に悪気がなくても、心の通信線をわざと絶たれたと妻側は感じてしまうのです。

女性との会話の黄金のルールは絶対に心を否定しないこと、そして「君の気持ちはわかるよ」の魔法のコトバを使うことです。もちろん本当に分からなくていいのです、だってわからないんだから。

3. 褒めることが苦手な男性脳 男どもよ、もっと褒めよ


女性脳が共感脳、男性脳は空間認知という話をしてきました。男性は共感して褒めることが苦手な理由はまだあります。空間認知が得意な男性脳のもう一つの特徴は拡張感覚に優れている能力をもっています。バイクやメカの道具をまるで自分の体の一部で神経まで繋がっているかのように使いこなします。そして、どうやら長く一緒に暮らしている妻を自分の体の一部だと勘違いしてしまっているのです。

自分の右腕をわざわざ褒めることがないのど同じで、妻を褒めることをしなくなる。拡張機能の低い妻たちは一体感がないゆえに言葉の絆を欲しがり、嘆くのです。夫たちよ、褒めることなど思いつきもしないほど一体化した妻に仮に先立たれでもしてしまったら…きっと体の一部でも無くしたような喪失感に襲われるでしょう。

4. 本当にいい夫の条件


冒頭で本書の目的は妻からの怒りを10発から5.6発に減らす事と言いました。なぜ0発でないのか?

女性は今日も家事と育児と仕事を片付け、あらゆる気づきとタスクを多重に走らせている。そのためただ生きているだけでもストレスが貯まるものなのです。女性たちは日々その貯まったストレスの放電先を探している。そう、本当に良い夫とは適度にその怒りの雷を落とさせてくれる、つまり放電の手伝いをしてくれる夫と言えます。

完璧で非の打ち所がない夫ではその放電先が子どもなったり、自分に跳ね返ってきたりして危なくて仕方がない。時に夫がまんまとヘマをしてくれる、気に触るようなことを言うと妻は安心して怒りの雷を落とし、放電できるのです。

 人の脳は相互作用でできています。イケメンで仕事も出来てイクメンで気の利いた褒め言葉もお手のモノ。そんな夫では実は幸せは長く続かないのです。自分の存在は自分の行動が相手に作用してはじめて認知されます。非の打ち所がない夫では自分は居なくても良い→存在が無いのも当然と思ってしまうのでしょう。世の男性たちは「ちょっと手間のかかるが実は愛おしい」そんな夫を目指しましょう。


脳機能の違いに着目して夫婦関係をみてきました。男性女性それぞれがお互いの脳機能について学んでおくと家庭という最大のプロジェクトにおいて成功に近づけるのではないでしょうか。「夫のトリセツ」という書籍もありすのでどこかの機会でそちらも取り上げてみたいと思います。

これからの時代に増々必要とされる共感力は、実は女性に有利性があることが分かりました。女性が今以上に活躍する時代が必ずやってくるというのはこのような事実からも納得出来ます。家庭でも社会でも、差別的な意味ではなくお互いの良い特徴を活かしていかなければと改めて思いました。


更に詳しく知りたい方は 是非手にとって読んでみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?