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レゴスクラムを開催しました

こんにちは!
LIFULL senior のエンジニア、望月と申します。

先日、アジャイルサムライの読書会でご紹介した通り、
LIFULL seniorではアジャイル開発への移行を目指してさまざまな施策を行っています。

その一環として、レゴスクラムというワークショップを開催しました。

レゴスクラムとは、レゴブロックを使って建物を作りながらスクラムの理論を実際に体験できるワークショップです。

すでに多くの企業で実践されていて、受講した記事も公開されています。
とても参考になりますので、ぜひ読んでみてください!


スクラムガイド読書会

スクラムガイド」とは、スクラムというアジャイルソフトウェア開発のフレームワークを定義した文章です。
冒頭に「スクラム公式ガイド : ゲームのルール」とあるように、スクラムの定義や理論、価値基準といった原理原則について記されています。

エンジニアグループでは、レゴスクラムの受講に先立ち「スクラムガイド」の読書会を実施しました。
先日開催した読書会と同じく、基本にして原点を知っておくことが重要だと考えたためです。

今回は身体的なアウトプットを通じて理解を深めるために、持ち回りで音読しながらみんなで要点をメモしていく、という方式で進めました。
スクラムガイド日本語版のPDFは全17ページと、スクラムとは何であるかが短く凝集された文章です。
30分の読書会を2回実施し、全文を読みながら、重要なキーワードを書き出していきました。

スクラムの基本となる文章にふれておくことで、レゴスクラムという実践の場に進む良い準備となりました。

ちなみに、今回の「レゴスクラム」の講師である⾓征典さんは、スクラムガイドの日本語訳を長年担当されています。
「スクラム」の定義とルールを最初期から体験されている方にご指導いただく、という素晴らしい機会でもあります。


全社で体験するスクラム

レゴスクラムの良いところは、誰でも参加できることです。
エンジニアだけでなく、ディレクターや営業職など、開発経験がなくてもスクラムを体験できます。

その恩恵を受けるべく、今回はエンジニアだけでなく、デザイナー、ディレクター、マーケター、営業や人事、取締役、社長など、全社一丸となってワークショップに挑みました。

全社一丸となってスクラムを体験することで、スクラム導入において大切な社内関係者と開発チームの協力体制を築きやすくなると考えています。

全社一丸となりレゴスクラムに挑みます


レゴスクラムから見えた!スクラムの効果

レゴスクラムを通じてスクラムを体験することで、スクラムの良い点が明らかになってきました。

私が、特にいいなと思った点について紹介します。


1.本当に必要なものを明らかにしてくれる

「人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」

とはスティーブ・ジョブスの有名な言葉です。

実際に製品を見て、使ってみるまで、
製品のイケているところも、ダメなところも、妥協できるところも、そうでないところも、そもそも何が必要だったのかも、
人は、想像することが難しいのだと感じました。

具現化する前に描いた絵空事では、本当に必要なものかはわかりません。
スクラムでは早期に製品を具現化することで、本当に必要なものを明らかにしてくれました。

街づくりで「家電量販店」と「有名牛丼チェーン」を作った時

上記の写真の完成したレゴを見て、誰もが「これしかない」と思いました。そして同時に、誰もが「これでいいんだ」とも思ったのです。

壁で囲まれたちゃんとした店舗を作らなくても、 顧客が本当に必要だったものは実現できました。
そしてそれは、実物を見るまでは気が付かなかったのです。


2. 関係者の信頼を得られる

スプリントレビュー時には、未完成の建物に対するいくつもの要望が出てきました。

「屋根はつけてください」「壁で囲ってください」

時間が足りず、初回のスプリントでは未完成の建物がたくさん残ってしまったのです。

しかしその後、スプリントレトロスペクティブで開発方法を見直し、次のスプリントですべての建物をしっかりと修正できました。
そうすると「よく、あの残タスクを1回で終わらせたね」というお褒めの言葉を頂けたのです。

スプリントレビューで関係者の意見をヒアリングし、真摯にフィードバックを続けていれば何が起きるでしょう?
関係者から「自分たちの意見が製品に反映される」という信頼が得られるのではないでしょうか?

そして、自分たちの意見がきちんと反映されるという信頼を得ることができれば、関係者から製品の改善につながる貴重な意見が、どんどん出てくるようになるのではないかと思います。


3. 開発効率の改善につながる

最初のスプリントでは、とにかく思った通りに建物を作れませんでした。

ブロックの山に人が集まってしまった!

ブロックの山に一斉に人が集まってしまい、思ったようにブロックを集められません。
またブロックの色を合わせたり、建物の四面をブロックでしっかり囲んだりなど、開発者のこだわりなども要因となって、想定通りに物事が進まなかったのです。

しかし、他のチームのスプリントレビューを見て、色がバラバラでも壁がない建物でも要求を満たせることがわかり、それをスプリントレトロスペクティブでフィードバックしました。

また、ブロックに人が集中してしまう問題点から、役割分担をして一つの建物を作るようにしました。
一人がブロックを集め、もう一人が組み立てるようにしたのです。

そうするとどうでしょう!?
次回のスプリントでは、驚くほど速く建物を作れるようになりました。
なんと、2回目のスプリントでは1回目と比較して、二倍のストーリーポイントを消化していたのです。

スプリントレトロスペクティブでの振り返りは、開発の改善案を提案するだけでなく、ストーリーポイントの消化率を確認することで、自分たちが行った改善策の効果を実感できました。

スクラムの流れの中で、開発効率が改善し、その効果を実感できることがわかったのです。


スクラムが届けてくれるもの

上記で書いたようなスクラムの効果を振り返ってみると、スクラムが本当にもたらしてくれるものを明らかにできました。

関係者の「本当に望んでいるもの」が、関係者との信頼関係を築くことで次々と要望として集まり、常に開発効率を改善することで素早く提供できる。

これらが達成できたら、一体何が起こるでしょうか?
私は、顧客満足につながるのではないかと考えています。

そしてこれこそが、スクラムにおける最も重要なポイントであるとも感じたのです。

それを裏付けるように、17th State of Agile Reportの調査に次のようなことが書いてありました。
急速に変化する市場において、組織がソフトウェア開発と配信の目標に対しどのように優先順位を決めるかを調査したところ、最優先事項として回答されたものは「顧客満足度」だったそうです。

アジャイル開発を行う多くの企業は、顧客満足度を重視していますよね。
逆を言えば、顧客満足度を高めたいと考える企業は、アジャイル開発を有効であると評価しているともいえます。

スクラムはアジャイルの中で最も利用されており、その効果も明らかになっています。

「スクラムの導入は、顧客満足の改善につながる。」

これが、今回のレゴスクラムの中で、私が得られた最も良い体験でした。



我々 LIFULLグループは企業理念として 利他主義 を掲げています。

我々のサービスを通じて、サービスを利用する方々を幸せにすることは、我々の使命です。

スクラムが顧客満足を高めるために有効であるのなら、これを採用することで、利他主義につながるサービスを今より確実にお届けできるはずだと確信できました。

より良い開発体制と顧客満足が得られるサービスづくりを目指して、LIFULL seniorはこれからも改善を行っていきます。