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【LIFULL×長野県東御市】地域おこし協力隊採用サポート 〜地域の秘めたる魅力をプロ目線で発信〜

長野県東御市は、面積112.37平方キロメートル、人口3万人ほどの小さな市。晴天率70パーセントを誇るほど気候がよく、お買い物も医療も充実、さらには待機児童ゼロを実現する老若男女が暮らしやすい土地でもあります。東洋経済新報社「都市データパック(2015年版)」による「住みよさランキング」では県内1位を獲得し、「ほどよく田舎」をキーワードに移住促進にも取り組んでいます。

なかでも「地域おこし協力隊」は、制度を開始した平成27年から、のべ37名の応募者を受け入れてきた同市。しかし近年は、採用課題を抱え、募集が思うように進まない状況に。そこで、LIFULL地方創生による「地域おこし協力隊採用サポート」を活用したところ、見事3名の採用に至ります。

今回は、人材獲得に導いた採用サポートの中身をご紹介。東御市の担当者による行政側の生の声もお届けします。

【お話をうかがった方】
長野県東御市担当者:商工観光課・村山さん、企画振興課・曽根川さん
地域おこし協力隊:藤本省三さん、吉井七重さん 
LIFULL地方創生推進部:宇野美左希さん

長野県東御市が抱えていた採用課題

市の面積の半分以上が山林、4分の1は田畑という豊かな自然

長野県東御市では近年、地域おこし協力隊の採用において、応募者の減少に加え、内定辞退や任期途中の退任などのミスマッチが起きていたといいます。さらに任期終了後の定着にも課題を抱えていました。

これまで行ってきた行政職の採用とは異なるため、「必要なノウハウがないことを実感していた」と話す企画振興課の曽根川さん。

その後LIFULLからの提案をきっかけに、採用サポートの導入を検討します。「採用計画〜集客〜選考〜育成サポート」までトータルに行うLIFULLのサービス内容の中でも、「任期満了後までを見据えた採用戦略」と「プロ目線のサポート」は大きな魅力ポイントになったそう。さらに導入実績のあった長野県中野市の担当者からサポート事例をヒヤリングし、具体的なイメージをつかめたこともサポート活用に踏み切るきっかけになったといいます。

LIFULL担当者が語る「採用成功に導いた取り組みポイント」

長野県東御市の採用事例セミナーの様子

東御市ではこれまで応募者ゼロの募集も経験する中で、LIFULLのサポートを受けた今回の募集では32名の応募者を集めることができました。そこから7名が最終面接に進み、見事3名の採用が決定。

人材獲得の裏側にどんな施策があったのか? 採用サポートを担当したLIFULL地方創生推進部の宇野さんに採用に至ったポイントを振り返っていただきました。

長野県東御市の採用サポートを行ったときの流れ

【ポイント1】採用に向けた準備

―現地調査・ヒヤリング
「長野県東御市とはどんな土地なのか?」をしっかりと調査するとともに、地域おこし協力隊の現状を関係各所にヒヤリング。市職員の中には、地域おこし協力隊への期待値が非常に高い方もいるため、ミスマッチを起こさないよう「皆で協力して受け入れていく」という体制づくりをサポートしました。

―課題と出口から逆算した業務内容を落とし込み
単に採用するだけではなく、任務終了後の出口をしっかり決めた上で、実際の業務内容を決定。募集要項への落とし込みを行いました。

【ポイント2】3年間のロードマップと任期終了の想定

長野県東御市にて募集した地域おこし協力隊の3年間ロードマップ

課題と出口から逆算した業務内容を落とし込むために、3年間のロードマップを作成。期間ごとにやるべき業務を明記し、見える化します。

例えば、「空き家の課題解決」を担当する地域おこし協力隊の場合、現状自治体が運営する業務を将来的に引き継ぐ流れを作るため、3年間で空き家の知識を学び、自分たちで運営するまでのプランを作成。任務終了後は3年間の学びを活かして、「行政から空き家バンクの運営を受託する」「空き家の知識を活用してゲストハウスを運営する」といった、4年目以降の具体的なビジョンを描けるようサポートします。

【ポイント3】募集ページの制作

募集ページの地域情報

①地域の特徴と暮らしが知れる詳細な地域情報
LIFULL地方創生が運営する『LOCAL MATCH』は、移住後の暮らしがイメージできることが大きな魅力。そのため冒頭から募集要項に入っていくのではなく、その土地の特色や魅力を伝えるようなページ構成を心がけました。そうすることで、移住後のイメージが掴みやすく、応募者の不安を払拭することにもつながったと感じています。さらにページ内には補助金の情報や行政情報について書かれたページリンクを貼り、東御市での暮らしを想像してもらえるような仕組みづくりに力を入れました。

【東御市担当者の感想】
協力隊の募集において、地域の特徴や暮らしの部分まで発信できていなかったので、そこはよかったです。これにより、どこよりも東御市がいいという方からの応募が増えました。初めての見る方にもわかりやすく、われわれが気づけなかった魅力も書いていただけた印象です。

【着任した協力隊の感想】
東御市での移住後のイメージが掴みやすくなり、不安の解消にもつながりました。動画もとても参考になり、イメージが掴みやすくなりました。

②不安を安心に変える詳細な仕事情報

募集ページの仕事情報

任期終了後の姿を描いた上での3年間のロードマップを作成し、不安を払拭するための詳細な仕事情報を記載。

【東御市担当者の感想】
3年間のロードマップを外部の人に伝わるよう明記してもらえたことで、一番のミッションである「地域への定着」の入り口を整えてもらえた印象。ここまで詳細に記載してもいいのだと勉強になりました。

【着任した協力隊の感想】
ここまで明確になっていると、将来的な部分のイメージがつきやすく、応募したくなるように感じました。

【ポイント4】関心を高めるアプローチ

①東御市での暮らしを軸にしたオンラインイベントの開催

移住オンラインイベント LOCAL MATCH TALK

<イベント内容>

  • 東御市の暮らしと協力隊の魅力を伝えられるゲストの登壇(東御市の移住相談員・臼井さん、先輩移住者・地域おこし協力隊大山さん、チーズ製造会社「アトリエ・ド・フロマージュ」の堀内さん)

  • ゲストクロストークでさらに深掘り

  • テーマに分かれてゲストに直接質問・交流できる機会を創出

東御市の魅力だけでなく、暮らしのリアルを地域の方や先輩移住者から直に聞くことができた本イベント。さらに小さなワイナリーが集う東御市で名品チーズを手掛ける堀内さんにも登壇いただき、地域の魅力も発信しました。するとイベント終了後には、参加者から市への個別の移住相談ツアー申し込みが4件あり、思わぬ効果が生まれました。

「これまでも東御市主催でイベントを開催してきましたが、どこか硬い印象のイベントになりがちでした。今回のイベントでは早く申し込んだ方にはチーズやビールなどの地域の特産品を送って、それらを飲食しながらイベントにご参加くださいという、われわれにはできないようなユニークなイベントを開催していただきました。そのおかげで、地域を好きになるということはもちろん、地域で活躍している方をゲストスピーカーに選んでいただいたので、地域に来るときは「この人に会いにいこう」という足がかりをこのイベントを通して作っていただけたのは、とても良かったです」(企画振興課・曽根川さん)

②100人を超えるスカウト
『LOCAL MATCH』を通してのスカウトを実施。
スカウト送信数:131名
スカウトにより応募した人:9名

「5年ほど観光課で地域おこし協力隊に関わってきましたが、最近応募者ゼロということもありました。その中で求めている方にスカウトをしていただくことを精力的に行っていただき、たくさん集めてもらって本当にありがたかったです」(商工観光課・村山さん)

【ポイント5】事前面談

①地域や業務内容についてしっかり説明し、ミスマッチを防ぐ

  • 「地域おこし協力隊」の制度についてきちんと理解してもらう

  • 地域の特徴や生活する上で起こり得る課題についても説明

  • 一度現地をおとずれ、自身の目で確認することを勧める

②応募者の経験やビジョンなどをヒヤリングし共有する

  • 応募書類だけでは人物像がわからないため、事前面談で応募者をよく知る

  • 地域おこし協力隊へのイメージや3年後のビジョンを確認

  • 経験をヒヤリングし、活かせそうな経験・スキルを持っているかを確認

【ポイント6】助言とフォロー

①よりよい人材を採用するため自治体に助言を行う

  • ミスマッチを防ぐため、自治体の現場担当者が面接を行うようアドバイス

  • 事前面談とこれまでの経験を元に応募者の今後の可能性について説明

  • 他の自治体での採用から得た知見・教訓などを共有

  • 採用経験が乏しい職員もいるため面接方法を助言

「面接では、地域おこし協力隊と一緒に動く現場の方が面接を担当するようアドバイスをしました。大切なのは、現場担当者がどんな人物と東御市を盛り上げていきたいかという考えや想い。現場の声をしっかり踏まえた上で最終面接につないでいただいた方がよいのではないかとお伝えしました。」(LIFULL地方創生推進部・宇野さん)

②モチベーションを維持してもらうための応募者へのフォロー

  • 応募者が離れないように、地域の方とつなげる

  • 最終面接までの質問や対策にきちんと対応する

【新・地域おこし協力隊に聞く】長野県東御市への移住を決めた理由

今回、東御市の地域おこし協力隊に着任したばかりの隊員2名にこれまでの経歴や応募のきっかけについて伺いました。

地域おこし協力隊に着任した吉井七重さん(左)と藤本省三さん(右)

藤本省三さん

  • 移住前の居住地:東京都江東区

  • 移住前の職業:食品メーカー勤務

  • 担当業務:湯の丸高原の観光振興への取り組み

  • 移住するきっかけ・目的:役職定年でセカンドキャリアを考えたとき、新しいことにチャレンジしたいという思いがありました。長野県には仕事でよく足を運んでおりましたので、長い間お世話になってきたなじみのエリアで働きながらお役に立って、ほどよい田舎暮らしにトライしながら、セカンドライフを確立することが目的です。

  • 応募動機:東御市は風光明媚な土地で東京からのアクセスもよく、一度住んでみたい、働いてみたいと思っていたエリア。新しいチャレンジという意味でも観光地域づくりの仕事内容に興味がわき、チャレンジさせていただきました。

  • LOCAL MATCHを利用した感想:全国の情報が一元的に集まってくるので理解が深まるサイトという印象。事前面談では、お互いのことを知る機会になり、ミスマッチのない形で進めることができたのは非常に良かったです。東御市の魅力を知る移住促進のためのイベントや長野の移住セミナーでは、移住や地域の特色、地域おこし協力隊の仕事内容や制度について、先輩移住者から話が聞けて、理解が深まりました。

吉井七重さん

  • 移住前の居住地:東京都世田谷区

  • 移住前の職業:飲食店経営

  • 担当業務:空き家の課題解決

  • 移住するきっかけ・目的:都内で10年間お店をやっていて、子育ても一段落したタイミング。東京で慌ただしく日々を送るより地方でのんびり豊かに暮らしたいという気持ちから、仕事と暮らしを心機一転することを決断。今までの経験をいかして地域の役に立つ仕事がしたいと思い、移住しました。

  • 応募動機:「ほどよく、田舎。とうみ」のキャッチフレーズが自分の思い描く暮らしとマッチしました。空き家に対する知識はなかったけれど、今までの経験(インテリアコーディネーター、子育て、飲食店経営)が活かせるのではないかと思い、応募しました。

  • LOCAL MATCHを利用した感想:仕事内容だけでなく、協力隊としての3年間とその先の働き方、東御市での暮らしを想像しやすいサイトでした。

行政担当者が感じた「採用サポートの活用メリット」

長野県東御市担当者 曽根川さん(左)と村山さん(右)

最後に東御市の担当者に採用サポートを利用してみた感想をうかがいました。

採用サポートを利用してみて感じたこと

  • これまでの採用では、書類選考と面接1回のみだったため、応募者への理解があまりできていなかったと改めて感じた

  • LIFULL担当者による事前面談があったことで、応募者のキャリアビジョンや移住に関する考え方を詳細にヒアリングしてもらえたことが、庁内選考する上で有益であった

  • 『LOCAL MATCH』には、移住への関心の高い人が集まっている印象

  • どんな人材を採用すべきかという点で、プロの視点での意見も非常に参考になった

「非常に良かった反面、これまでわれわれは何をしていたのだろうと反省する面もありました(笑)。宇野さんからはプロ目線の意見をズバッと言っていただいて、非常に参考になりました。こちらもご意見をすんなりと理解できたのは、宇野さんが何度も東御市に足を運んでくださり、信頼関係が築けていたことも大きかったですね。地域おこし協力隊の募集に関しては色んな業者からご提案いただいていたのですが、今回はLIFULLさんから本当に良いご提案をいただけて満足しています」(企画振興課・曽根川さん)

「これまでの募集は市のホームページや他のポータルサイトへの掲載が中心で、定型で埋めていくような募集でした。一方『LOCAL MATCH』では東御市での生活が想像できる内容を掲載いただき、われわれが気づかない目線で東御市の魅力を発信していただきました。われわれにも考える機会を与えていただけたのは非常によかったです」(商工観光課・村山さん)

(終わり) インタビュー時期:2022年11月

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モチベーションやスキルを高め、満足度の高いマッチングを実現します。

現在、地域おこし協力隊の採用にも注力し、採用全般のサポートも行っております。

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