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co-working space ぶり~ずWORK 代表坂本麻美さんのLOCAL MATCH STORY 〜移住して実感した”住む場所を豊かにするのは環境ではなく人”ということ〜

移住を経験し、地域で活躍されている人を紹介する「LOCAL MATCH STORY」。
今回は、香川県東かがわ市に移住された坂本麻美さんをご紹介します。そして、この記事は坂本さんご本人に執筆いただきました。

私の自己紹介

高知県高知市出身
co-working space ぶり~ずWORK 代表

大学を卒業後、関西で営業職や教職員として働き、心機一転イギリスの大学院へ留学。その後、2018年に香川県東かがわ市に移住し、地域おこし協力隊として活動を開始。
現在は、co-working space ぶり~ずWORKの運営と翻訳等の多業を行っている。

私が移住した地域はこんなところ

香川県東かがわ市は、3町が合併した人口約2万9000人のまちで、香川県の東の端でうずしおで知られている徳島県鳴門市と接しています。地場産業の手袋生産は伝統産業であり、はまち養殖の発祥地、そして有名な製薬や和三盆糖などの伝統を今なお受け継ぐ、伝統と文化、自然環境豊かな市です。また、穏やかな瀬戸内海に面しているので、休日のキャンプ場は年中賑わっています。

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峠から見た東かがわ市

なぜ移住しようと考えたのか

私は18歳から生まれ故郷を離れ、別の土地で生活をしていました。なので、私にとって他の場所で暮らすというのは“移住”というより“引越し”でした。
イギリス滞在中に祖父が亡くなったことで、家族が何かあったときにすぐに駆けつけられる場所にいたいと思うようになり、イギリスから帰国後、四国内で就職先を探しました。その際に東かがわ市の地域おこし協力隊の募集を見つけ、仕事内容がイギリスで学んだことと英語を活かす職種だったので応募を決めました。また実家からもそれほど遠くなく、大きな国際空港からも実家から比べると遠くなかったので移住することを決断しました。これが東かがわで暮らし始めたきっかけです。

移住するまでこんなことありました

移住するまでに、それほど大きな不安はありませんでした。
外国で暮らすことに慣れていたということもあったと思いますが、今までしたことない仕事への期待と新しい人たちとの出会いにわくわくしていて、不安よりも楽しみのほうが大きかったです。
初めて面接で東かがわを訪れたときに、山道を抜けてすぐに某大手チェーンのハンバーガー屋さんが見えたので、何かあっても生きていけると思いました。

移住後のライフスタイル

移住後は都会で暮らしていたときのライフスタイルとは真逆の生活となりました。それまでは、仕事に追われ毎日睡眠時間4~5時間という生活をしていましたが、仕事が終わって明るければ徒歩10分の海辺に散歩しに行き、自分の時間を楽しむ余裕ができました。誘惑が少ないということもありますが、貯金もかなりできるようになり、今までは考えられなかった資産運用にも取り組めるようになりました。

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地域の田植えを手伝う様子

移住してわかった地方暮らしの魅力

地方暮らしの魅力の一つとして、知り合いがすぐに増えるということがあります。仕事が地域おこし協力隊ということもあり、比較的色々な職種の方と知り合えました。一人と知り合うとその方のつながりでまた別の方と知り合うという風に幅広い人脈作りができ、都会に住んでいた10年と比べると、知り合った方の数は多いと思います。ここに移住してきて初めて“住む場所を豊かにするのは環境ではなく人なんだ”と思いました。

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移住先での住まいについて

住まいは地域おこし協力隊として来たときと変わらず同じ場所で暮らしています。大家さんもすぐ近くに住んでいますし、アパートの一階に住んでいますが、身の危険を感じたことは一度もありません。庭に守り神のヘビと遭遇したとき以外は。
都会のように窓に雨戸も設置されていないので、夜になると防犯上のため閉めるものは玄関と窓の鍵ぐらいです。家賃は2台の駐車場付、2DK(6畳の和室と洋室、6畳より少し広めのキッチン)、風呂トイレ別、ちょっとした庭つきで40,000円です。築年数はわかりませんが、きれいにリノベーションされています。夏場になると、ヤモリが出てきたりしますが、大通りから少し入ったところにあるので騒音もなく、快適です。

移住先でのお金事情について

確かに、地方に行くと収入の額は都会の収入と比べて低いです。しかし、 生活に必要な固定費、特に食費はかなり抑えられますし、家賃も半分以下です。私の経験からいくと、都会にいたときのほうが収入は多かったですが、その分電車代や家賃がかかり、結局同じ比率で出費をしていることに気づきました。むしろ、都会にいた時の方が誘惑が多すぎて出費していたと思います。

移住先での暮らしで困ったこと

暮らし始めてすぐに家で倒れてしまったことがあり、診てもらえる病院を見つけるのには苦労をしました。家族も友だちもいないところで緊急で何か起こると困ることがあるので、すぐに頼れる人を見つけないと地域情報が手に入らず苦労します。また、これほどまで野生の生き物と関わることがなかったので、遭遇したときにどうしたらいいのか戸惑いました。
飲食店の情報も更新されていないことが多いので、インターネットを頼りにしているとすでに閉店していたり、店舗自体がなかったりするので気を付けなければいけません。

移住後の活動内容について

地域おこし協力隊として、地域の市民団体の国際協力支援のお手伝いをしたり、地域イベントのお手伝いをしていました。また、外国からのお客様の多い飲食店のメニュー表記や地域の地図看板の表記を英語にしたり、観光船で流すナレーションの録音をしたりと、私ができるスキルを使って活動につなげていました。
現在は、縁あって地域の方が所有されている建物をリノベーションして、地域内外を問わずに人が集まれる場所としてコワーキングスペースをオープンしました。

現在の活動を始めようと思ったわけ

地域おこし協力隊として活動をしていたときに、この地域に住む人たちに足りないもので、これからここで暮らしていく人たちが少しでも楽しく生活ができるようにするためには何が必要であるかを考えるようになり、それは地域の方がつながることだと気づきました。そこで、住んでいるエリアにとらわれずに人が交流できる場所を作ろうと思い、東かがわで初めてコワーキングスペースをオープンさせました。

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オープンさせたco-working space ぶり~ずWORK

現在の活動を始めるまでにやったこと

地域おこし協力隊のときにすでにプレオープンをして、地域の方々にこの場所がコワーキングスペースになりますという情報発信をしました。また、コワーキングスペースの収入では生活面が心配だったので、自分が今できるスキルを使って、翻訳や家庭教師の仕事を始めました。

今後のプラン

今後はコロナが収まり、日常の生活が戻れば、このスペースを使って地域の方がつながるきかっけになるようなイベントをしていけたらと思っています。また、私が地域外の方とつながることで、新しい関係人口を生み出していけたらと思っています。

地方で活動して分かった面白さ、やりがい

起業してまだ間もないですが、コワーキングスペースをオープンさせたことで喜んでくれる人が増えてきたことはやりがいを感じます。 また、ここには何にもないとうつむいていた地域の人たちが少しずつ私と関わることでこの町がこんな風になったらいいよねと話してくれるようになったことはとても嬉しかったです。

移住検討している方へメッセージ

私は都会を離れ、田舎暮らしを選択しました。移住してから4年が経過しましたが、この期間に都会でもう一度暮らそうと思ったことは一度もありません。私の友人にも田舎には仕事がないとかつまらないと話す人たちもいます。しかし、今は仕事が家でできる時代です。また、今まで実在しなかった職業がどんどん生み出される時代になりました。
 人生は一度きりです。一度しかない人生を一カ所で過ごすのではなく、色々なところで過ごしてみるのもいいのではないでしょうか。

(終わり) 執筆時期:2021年6月

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