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宮崎県新富町に移住した中山雄太さんのLOCAL MATCH STORY 〜地域で活躍している人の近くで一緒に働きたい〜

移住を経験し、地域で活躍されている人を紹介する「LOCAL MATCH STORY」。
今回は、宮崎県新富町に移住された現役地域おこし協力隊の中山 雄太さんをご紹介します。
そして、この記事は中山さんご本人に執筆いただきました。

自己紹介

中山 雄太 (なかやま ゆうた)

熊本県熊本市出身
宮崎県児湯郡新富町 役場総合政策課 (地域おこし協力隊)

鹿児島大学教育学部英語専修在籍中に1年間休学して世界一周自転車の旅に出る。南極を除く五大陸に足を運び、訪れた国は24カ国に及ぶ。
そこで感じた動画コンテンツの可能性にチャレンジするため映像制作を独学し、大学卒業後の2019年8月に宮崎県新富町に地域おこし協力隊として移住。
町内の多様な地域資源の撮影・発信を続けながら、2019年11月には町制60周年記念動画の撮影編集を担当するなど活躍。
現在はこゆ地域づくり推進機構でブランド推進室室長としても活動している。

新富町は全国トップクラスの品質を誇る野菜や果物を生み出すまち

宮崎県新富町は、宮崎県のほぼ真ん中に位置する人口約1万7000人の小さな街です。
温暖な気候に恵まれ、流通量1%の希少な国産ライチや日本一に輝いたお茶をはじめ、全国トップクラスの品質を誇る野菜や果物を生み出しています。

ライチ2

写真:新富町で生産されているライチ

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新富町のキャッチコピーは「世界一チャレンジしやすい街」

新富町には一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(通称こゆ財団)という役場の観光協会が独立してできた地域商社があります。そのこゆ財団が謳っている新富町のキャッチコピーが「世界一チャレンジしやすい街」だったので、当時、映像や写真に関してアマチュアであった私でも、何かチャレンジできるのではないかと思い、この街に興味を持ったことがはじまりでした。

それから新富町に足を運び、ここで働く方々皆さんが輝いて見え、「私もここで一緒に働いてみたい!」と強く感じ、2019年の5月に移住、その後8月に正式に地域おこし協力隊として働き始めるようになりました。

ワクワクの方が気持ちは強かった

正直移住するまでに不安はなく、それよりはワクワクの方が気持ちは強かったです。というのも、私の中ではやりたいことが決まっていたからだと思います。むしろ移住してからの方が不安は強くなっていったのを覚えています(笑)。

移住後のライフスタイル

新富町に移住後、最初は協力隊として活動していたのではなく、こゆ財団と業務委託契約を結んでの活動でした。期間としては2019年の5月から同年7月末まで。その翌月8月から新富町の地域おこし協力隊として活動をスタートさせました。

移住後のライフスタイルとしては、朝出勤後、午前中は町内の事業者さんの撮影や風景撮影をしたり、昼食後は写真や動画の編集作業をしたり、SNSで発信用のテキストを考えるなど、デスクワークを中心に行っていました。退勤後はジムで体を動かしたり、温泉に行ったり、また自転車が好きなので、町内をサイクリングして土地勘を掴んでいきました。

移住してわかった地方暮らしの魅力

なんと言っても家賃などの固定費や食費が安く収まるというのは何よりの魅力ではないでしょうか。
私が住む新富町は農業が非常に盛んな街で、直売所に行けば新鮮で美味しい野菜がすぐに、しかもお安く手に入ります。
また、町民の方々にお会いすると野菜や果物のお裾分けをたくさんいただけたりするので、正直食に困ることはありませんし、なにより美味しいので、幸福度は上がるだろうなぁと常々感じております。

移住先での住まいについて

正直住む場所にはあまりこだわりがなかったので、いくつか条件を出して不動産屋さんに決めていただきました。なので下見もせずに家を決めたということですね。
家賃は25,000円と、破格クラス(新富町でも安い方)。築年数は20年ほどで、約8畳のワンルームになっています。
男の一人暮らしでは何も支障はないほどの広さがあるので、いまの部屋には満足しております。

移住先でのお金事情について

協力隊のお給料は決して高くはないです。ただ新富町の場合だと家賃や活動に関わる支払いについては、年間で使える金額が決まっている”協力隊経費”から出すことができるので、個人差はあるとは思いますが、生活には困らないとは思います。しかし、少しだけ羽を伸ばした生活をしたいという願望があるならば、副業(OKの場合は)をするなり、ご自身で稼いでいくしかないかと思います。

移住先の暮らしで困ったこと

最初は地域の方々にどうやったら自分の存在を知ってもらえるのかを考えました。私は人見知りを全くしないので、存在さえ知ってもらえれば町民の方々に溶け込んでいく自信がありました。いかに自分の存在を知ってもらえるのか、答えはいたってシンプルで、とにかく町民のみなさんのところに直接足を運ぶしかないと思っていました。カメラマンとしてたくさんの事業者さん農家さんのところに出向いて、その都度私の自己紹介をたくさんさせていただきました。その甲斐あって、1年後の現在は本当にありがたいことに、たくさんの方々に私のことを知っていただいているという実感が持てています。

地域おこし協力隊に応募した理由

どうしても協力隊になりたい!という感じで協力隊になったわけではなく、新富町で活躍してらっしゃるみなさんの近くで一緒に働きたいという思いがあり、たまたまそのタイミングで協力隊として活動しないかというお話をいただいたので応募しようと決めました。

地域おこし協力隊になるまでにやったこと

私は移住(住民票は移動していない)してから数ヶ月後に協力隊になったという少し特殊なケースになってしまうんですが、協力隊になろうと決めてからも地域全体に足を運んで撮影することを継続してやっていました。実力も実績もなかったので、とにかくカメラと向き合うことは常々意識していましたし、いまもなおずっと向き合い続けています。

地域おこし協力隊の活動内容

中山さん1

写真:活動の様子

私の業務は新富町の資源をカメラを通して世界に発信していくことです。
それはなにかの生産物だけではなく、人だったり、自然だったり、何気ない風景だったり、自分の興味が赴くままに足を運んで、SNSを中心に発信活動を続けています。また発信活動を続けている中で大事にしていることは、その発信を通して町民の方々が繋がることはできないか、ということです。
町内では、お互いのことを顔見知りではいるけど、何をしているのか実際には知らなかったりすることが多々あります。
そんな時に私の発信がきっかけになって繋がった、という声もいただいたりしたので、そんな場にもなって欲しいなと考えるようになりました。なので、表向きは新富町のPRをしている感じでも、実は町内の人たちの繋がりの場にもなるよう意識して発信しているのです。

神田神楽

写真:活動で撮影した「新田神楽」

富田浜

写真:活動で撮影した「富田浜」

地域おこし協力隊の受け入れ体制や関係する人々

一般的に、地域おこし協力隊は町役場の中で働くことが多いかと思いますが、新富町では、地域おこし協力隊の受け入れをコーディネートする会社が存在し、こゆ財団がそれにあたります。

具体的には、通常なら役場の中にデスクを構えて、役場のみなさんと仕事をしていくところを、新富町では地域おこし協力隊のデスクをこゆ財団のオフィス内に置き、こゆ財団のみなさんと仕事をしていくという形になります(全員ではありません)。

こゆ財団は新富町を持続可能な街にするというミッションのもと様々な業務を行っているので、その点地域おこし協力隊の行う業務とリンクすることが多々あり、一緒に仕事をすることが多いです。
また、地域おこし協力隊は最長3年ですが、その3年後に自分の事業だけで自走していけるようなサポート(事業計画書を見てもらったり、人を紹介してもらったり)をこゆ財団はしてくださいます。
全国の例を聞いたりすると受け入れ側との相性の不一致だったり、サポート不足だったりなど様々な問題が生じていることも聞いたりしますが、新富町ではこゆ財団をはじめ役場のみなさまも手厚くサポートしてくださるので、働く環境に対して大きな不満はありません。むしろ本当に恵まれた環境の中活動させていただけていると感じています。

地域の人との関係構築

「受け身で待っていても何も関係性は始まらない」ということは移住して最初の方に感じたことです。当たり前なことですが、自分の方からしっかり挨拶と自己紹介ができれば何も問題なく関係性はスタートしていくと思います。何も構える必要はなく、大体の方が「どこから来たの?」とか「どこに住んでるの?」など興味を持ってくださいます。

ポイントはここからなんですが、とにかく顔と名前を覚えてもらうために、お会いするたびに、「〇〇さ〜ん!こんにちは!中山です!」のように私の名前を伝えています。町民の方は一度お会いしただけでは覚えてらっしゃらないことが多々あるため、「こんにちは!」だけでは、???となることもあります。なので、お会いするたびに自分の名前を先に伝えることができれば、そのうち、「〇〇さ〜ん!」と町民の方からお声がけしていただけるようになります。あとは最低限のマナーを守り、きちんと皆さんのお話を聞くことができれば、確実に距離は縮まってくると思います。

地域おこし協力隊の3年計画

私は2019年8月から地域おこし協力隊としてのキャリアをスタートさせたので、現在(2020年9月時点)は2年目になります。

1年目は町民の方々との関係性をまずはつくることが大切だと感じていましたで、とにかく街の至る所に足を運んでは、お話をしに行ったり、写真を撮りに行ったりしていました。おかげさまで、いまでは、たくさんの町民の方々に顔と名前を覚えていただけたかと感じております。

2年目となるいまの目標は、引き続き皆さんとの関係性を保ちつつ、私自身のキャリアアップの成長のために様々なことに挑戦することです。協力隊の任期が満期終了した約2年後、自分自身の事業として、デザイン会社を立ち上げ、雇用を生んでいきたいと思っているので、そのために必要なことを逆算して2年目3年目はお仕事を進めています。

地域おこし協力隊卒業後にやりたいこと

絶対にこれはやりたい!というものは決まってはおりませんが、デザイン会社を立ち上げて地域に眠る資源や特産品をクリエイティブなスキルを使ってプロデュースしていきたいと考えております。
価値の高いモノや風景が地方にはたくさん溢れていると思いますが、中々それらが表舞台に立てないのは、生産者がそれらをブランディングしていく方法を知らなかったりするからだと、地域に住んでいて甚だ感じています。

今世のネット社会ではSNSを駆使できるかが競争を勝ち抜くポイントにもなってきておりますので、写真や映像、デザインやライティングの力を使って地方に貢献していきたいと思っております。
そのためにまずは自分自身の市場価値を上げていく必要があるので、スキルを磨いていくことはもちろん、様々な市場を分析したり、SNSで発信をし続けたり、たくさんの人との繋がりをつくったりしています。

地域おこし協力隊の魅力

中山さん

写真:農業体験しているところ

やりがいはたくさんあります。
まずは人との出会いが圧倒的に増えるので、その分知らないことを教えていただけたり、初めての経験をさせてもらえたりします。
私は新富町に移住してから、以前にも増して農業や街の観光に関心がいくようになりました。また町民にお誘いいただいて農業体験をしたり、川に蟹を獲りに行ったり、アカウミガメの保存活動に参加したりなど初めての経験をたくさんやらせていただいています。
日々周りから学びを得られることが多く、知見も広がり本当に毎日が楽しいです。人との接点も必要なし、とにかくマイペースに生きていきたいという方にはおすすめできませんが、何事も学びだと前向きに捉えられて、人との繋がりも大切に生きていきたいという方には心からおすすめしたいです。

地域おこし協力隊の大変なところ

大変なところではないんですが、「協力隊が思っていたものと違う」という乖離が起こらないように、まずはきちんと協力隊の制度を理解してお仕事を検討されるのが良いかと思います。
理解した上で移住したいという方は、協力隊として街の発展につながるお仕事をしていれば街の方々にも難なく受け入れられると思いますし、反対に自分のやりたいことだけをとことんやりたいという人には簡単にはお勧めできません。
自分のやりたいことと協力隊として移住した場合の仕事がどのように紐づいていくのかを少しでもイメージした上で、移住する方が良いと思います。

移住検討している方へメッセージ

移住のカタチは人それぞれで、移住して何をしたいのかを考えていけば、暮らし方や働き方が見えてくるかと思います。
私はカメラという”好き”を使って地方でお仕事がしたいというのが最初にあって、いまの働き方に繋がっていきました。
みなさんが、「地方で何かチャレンジしたい」なのか「スローライフを送りたい」なのか、何を軸に考えていくかが移住ライフをより良くさせるはじめの一歩に繋がるのではないかと思います。結局は自分次第なので、とりあえず飛び込むでも問題はないと思います。私はこの新富町にきて、たくさんの人に出会い繋がりをつくることができたおかげで、この上なく移住ライフを楽しんでいる自信があります。地方は学びの場が本当に豊富で、最高に人生を豊かにしてくれています。

(終わり) 執筆時期:2020年9月

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