「なぜLIFULLが?」の裏側を公開します。LIFULL初のドキュメンタリー映像制作
見出し画像

「なぜLIFULLが?」の裏側を公開します。LIFULL初のドキュメンタリー映像制作

LIFULLは2021年9月に「ジェンダーと多様性」をテーマにしたドキュメンタリー「ホンネのヘヤ」を公開しました。この映像は価値観や考え方、生き方の違う10人が、ジェンダー規範についての違和感やそれぞれが抱える課題、悩み、願いなど丁寧に対話を重ねた記録です。

なぜ社会課題の中から「ジェンダーと多様性」をテーマにしたのか?従来の広告コミュニケーションとは違ったアプローチを取った理由は? など普段お伝えしていないプロセスやLIFULLらしい捉え方など、コンテンツの背景をプロジェクトチームを代表して私(吉岡)の視点からお届けします。

なぜLIFULLが「ジェンダーと多様性」をテーマに映像をつくったのか?

ジェンダーと聞くと身構えてしまう人も、もしかしたらいるかもしれません。実際にSNS上では、ジェンダーについて意見のぶつけ合いや批判、否定などの声を目にすることもあるのが現状です。また、ある調査では男女格差や男女平等などジェンダーに関することについて議論したくない人が日本では6割を超えるというデータもあります。多くの人が関心を持っていながら話しづらいことも一つのイシューと私たちは捉えました。「なぜLIFULLがジェンダーというテーマで制作するのか?」私たちの志と本気度が問われます。

LIFULLの経営理念は「常に革進することで、より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会の仕組みを創る」です。コーポレートメッセージである「あらゆるLIFEを、FULLに。」するために、この世界に暮らす一人ひとりが抱える課題を見つめ、その先にある社会課題に向きあう。そして、このプロジェクトでは

「ラベリングではなく、その人らしさを見つめ、声を聞き、ありのままを認める」

というLIFULLらしい捉え方を体現し、あらゆる人が自分らしく生きられる多様性のある社会を実現していくきっかけの一つにしたいと考えました。誰もが関係のある「ジェンダーと多様性」についても一人ひとりが違うことを知りありのままを認める、そのための「対話の重要性」にもアプローチすることにしました。

勉強すればするほど自分のこれまでの無知を恥じ、それでも懸命に頭の中をアップデートする日々。中途半端な意識や知識、覚悟で取り扱うテーマではないことを常に頭に入れながら、チーム全員で「わかったような気にならない」「LIFULLらしい捉え方になっているか」「当事者の方を消費する形にしない」などをことあるごとに確認し、意識を共有することを続けました。時に制作チームで意見が違った時にも、相手の考えを聞き、対話しながら進めたのもLIFULLらしさの一つかもしれません。

画像4

画像4


あらゆる人が自分らしく生きられる社会を実現するために、「例え自分の考えとは違ったとしても多様な考えや価値観が存在すること、一人ひとりが違うことを知ってほしい」という想いを込めた映像冒頭のメッセージは、私たちの制作プロセスでも大切にされていました。

従来の広告コミュニケーションとは違ったアプローチ

「ホンネのヘヤ」では、従来の広告コミュニケーションとは違ったアプローチにいくつかチャレンジしています。そこには、LIFULLが掲げるビジョンとのつながり、日頃から会話される「LIFULLらしいかどうか?」が関係しています。既存の媒体の枠やルール、従来の常識にとらわれることなく内容やつくり方にもLIFULLらしい捉え方を盛り込んでいます。

1. 心理的安全性を考慮したコンテンツづくり
この企画には、普段はカメラの裏側にいるLIFULLも監督も出演者として参加しています。映画や広告など数々の作品を手掛けられている関根光才監督がファシリテーターとして、LIFULLの社員も傍観者ではなくジェンダーと多様性を共に考える一員として出演者と同じ立場で対話を重ねました。
関根監督ともう一人のファシリテーターである安彦さんからご提案のあった「リフレクティング」「NVC(Nonviolent Communication非暴力コミュニケーション)」という考え方を取り入れ、話す人は「自分を主語」に想いや悩みについて話し、まわりの出演者はジャッジせずにただ耳を傾ける。事前に決められた役割も台本もなく、答えらしきものを導き出す必要もなく。ただ話を聞くことが、相手を深く理解することにつながるという、対話の重要性へのアプローチ。

画像4

映像の中に記載はありませんが、出演者の方々には撮影後にご自身の発言でカットしてほしい箇所があれば編集段階で削除依頼ができることを事前にお伝えしていました。撮影中に場の雰囲気で発言してしまったり、自分の意図をすべて伝えきれなかったりする場合もあるはずです。撮影後の編集タイプも見ていただくことで、安心して話せる環境づくりを制作チームのみなさんが進めてくれました。その制作メンバーとLIFULLの間でも忌憚のない議論ができていたので、制作におけるチーム内も一定の心理的安全性が担保できていたのではないかと思います。
さらに、この映像を見ていただく視聴者の心理的安全性も必要であると私たちは考えました。思い込みや決めつけによる発言で、傷付いたり不快に思ったりすることがないよう細心の注意を払いました。企業都合の独りよがりの発信にならないよう進めたプロセスは、できるだけ生の声を届けるというチャレンジに欠かせないものでした。

2.「46分」という長尺
YouTubeで企業発信のコンテンツ展開を考えた時に、映像の尺は長くても3〜5分ぐらいかなという感覚ではないでしょうか。あくまで個人的な感覚ですが。ところがホンネのヘヤは46分と、テレビ番組と変わらないような尺になっています。「ジェンダーについての濃い対話を見てもらいたい」「一人ひとりの違いを知ってほしい」「対話の重要性に気づいてもらいたい」。既存媒体や誰かが考えた常識の尺にあわせた切り取りではなく、議論が進んでいないテーマにおいて広告的アプローチとは違ったチャレンジは、冒頭に書いた「ジェンターと多様性」を扱う私たちの志、覚悟の一つかもしれません。46分と聞くと驚きますが、テーマが多岐に渡り、出演者の方一人ひとりの深い話に時間を忘れて見てしまうと思います。(撮影後の編集でこんなに議論したことはないのではないか?というぐらいチームで話し合いました) 

3. 企業側の意見や答えを提示しない
企業側からのコミュニケーションである以上、課題に対して企業が伝えたいメッセージや答えらしきものを打ち出すのが普通だと思います。ですが、「ホンネのヘヤ」ではLIFULLとしての答えは提示せず、「ジェンダーと多様性」における問いを投げかけること、最後に「あらゆるLIFEを、FULLに。」していくという変わることのない姿勢のみを発信しました。対話することも難しい課題だからこそ、企業が用意した答えに向かっていくような予定調和のストーリーではなく、筋書きのないリアルな対話を通して共感できる・共感できない、悶々とした気持ち、自分とは違う考えに気づくなど、視聴者の方にも考えが生まれることを大切にしたいと考えました。
映像内にある男性性・女性性にとらわれること、男性優位の社会構造への居心地の悪さ、ジェンダー規範にもとづく暴力性や異性愛のステレオタイプなど、様々なイシューに対してみなさんも様々な意見や考えを持たれたのではないでしょうか。その気持ちや想いを身近な人や大切な人と対話して、お互いをより深く知るきっかけになればうれしいです。

画像4

話は少しそれますが、制作に携わっていただいた方々のクレジットを可能な範囲で映像内にもLPにも記載し、共に社会課題に向き合う仲間として敬意を表していることもLIFULLならではかもしれません。

クリエイティブ起点で社会課題に向き合う

ホンネのヘヤでは「ジェンダーと多様性」をテーマに映像を制作しましたが、同時期に「年齢」をテーマにした映像「年齢の森」も公開しています。こちらもLIFULLのビジョンにもとづき多様性のある社会を実現するために、年齢や老いに対する固定観念や偏見、差別について考えてもらいたいという企画になっています。

社会には「人種」や「容姿」、「貧困」など様々な社会課題が存在していますが、そこにはこの世界に暮らす一人ひとりが抱える個別の課題があります。「ラベリングではなく、その人らしさを見つめ、声を聞き、ありのままを認める」というLIFULLらしいまなざしで、これからもクリエイティブ起点で取り組みを続けていきます。

私が所属するコンテンツスタジオグループは、世の中の社会課題に対してクリエイティブを起点に課題へのアプローチ、コンテンツのつくり方などこれまでの常識にとらわれないチャレンジ、アクションをおこしていきます。社会課題の発見、テーマ選定、企画・制作、実行、展開など、LIFULLには事業会社のクリエイティブとして広範囲にチャレンジできる環境があります。クリエイティブやアイデア、デザインの力を信じ社会をより良くしていきたいという想いを持っている方、LIFULLにジョインしたいと思った方、LIFULLと一緒にコンテンツをつくってみたいと感じてくださった方、ぜひご連絡ください。「あらゆるLIFEを、FULLに。」するアクションを一緒につくっていきましょう。

なぜLIFULLが「ジェンダーと多様性」をテーマにドキュメンタリーを制作したのか?今回のnoteで背景を知っていただいた後に、もう一度映像を見ていただくと違った発見や気づきがあるかもしれません。ぜひ、ご覧ください。

画像5

最後にこの場をお借りしてホンネのヘヤに出演いただいたみなさま、制作に携わっていただいた多くの関係者の方々へあらためて感謝と敬意を込めまして、ありがとうございました!

==================================
クリエイティブ本部 デザイン部 コミュニケーションデザインユニット コンテンツスタジオG
吉岡 崇

主に広告会社クリエイティブで十数年従事。LIFULLのビジョンに共感し2021年ジョイン


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
LIFULLクリエイティブ本部が運用するアカウントです。