「事業を通じて社会課題の解決に取り組む」をデザインでも取り組む:LIFULL アジェンダ デザイン編
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「事業を通じて社会課題の解決に取り組む」をデザインでも取り組む:LIFULL アジェンダ デザイン編

前回、未来デザイン推進室の木村紗希さんから「「事業を通じて社会課題の解決に取り組む」を本気で取り組むトリガー:LIFULL アジェンダ」と題して、LIFULLが取り組む「LIFULL アジェンダ」に関する記事が投稿されました。
今回は、デザインという観点から「LIFULL アジェンダ」について細かく時系列で紐解いていき、いかにして現在のビジュアルに行き着いたか、ボツ案、ラフ絵も含め赤裸々に公開したいと思います。

私は、広告業界を経て、おととし事業会社であるLIFULLに転職し、クリエイティブ本部の中でも「コミュニケーションデザイングループ」に所属しています。
デザインや企画アイデアを考えていたこれまでと大きく違うのは、「広義のデザイン」を実践するために、デザイン経営、クリエイティブ経営の名のもと戦略や戦術などの数字や調査結果に触れることが多くなり、難解なことだらけで(だれかわかりやすく説明してくれ〜)と日々思っていました。文字や数字を、口に出して読まないと頭に入ってこないので、ほぼリモートワークとなった今、家で独り言をずっと言いながら仕事しています。もちろん今も口でぶつぶつ言いながら原稿を書いています。ぶつぶつ。

「LIFULL アジェンダ」の前身となるものがどうやら動いているというのは耳に挟んでおりましたが、いざ「LIFULL アジェンダ」のデザインを担当することになり、プロジェクトの概要の説明をお聞きしたところ、やはり社会課題を取り扱うので難解かつ大切な内容で、一見しただけでは理解が難しいと感じました。社内外含め、あらゆる人に「LIFULL アジェンダ」を理解&考えてもらうにはデザインの力でこの文字文字しさを解決しなければとなったわけです。

コミュニケーションデザイングループのミッションは、LIFULLが手掛ける事業やサービスの価値をいかに最大化させて消費者や社内外のステークホルダーに伝えることができるか、にあります。今回のミッションは簡単に言うと、文字文字しい「LIFULL アジェンダ」のハードルを少し下げ、身の回りにある社会課題を自分ごと化してもらうことでした。

■はじめにしたこと

策定中のアジェンダのリストを読み解き、LIFULLが目指す「社会課題が解決した未来の姿」を、わかりやすいイラストに起こすことをチームの方針としました。幅広いさまざまな社会課題をテーマにしたイラストを考えるにあたり、まず統一したイメージとして、正方形の「パネル」を地面とし、25度を基準としたアイソメトリックの表現方法で考えていくこととしました。

下の図は、まだアジェンダのリストが共有される前に、なんとなく描いた一番最初のラフ絵としてADに共有したものになります。社会課題そのものをイラストにするのではなく、課題を解決した未来の姿をイラストに描いていきます。当初は実現したい未来がなんと無くかたまりつつあった程度で、アジェンダの総数がいくつになるかもまだ未定だったので、1つの「パネル」に複数のキャラクターが登場し、笑顔の表情もはっきり描かれています。

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■イラストのタッチ検証

その後、実現したい未来に対して、LIFULLが解決すべきギャップ(社会課題)としてアジェンダが30近くあがりました。
実現したい未来は影響範囲が広く抽象化したものであるためイラスト化することが難しく、アジェンダ1つ1つを細かくイラスト化する必要がありました。木村さんの記事にもあるように、LIFULL アジェンダは社会課題の本質を捉えるために、n=1(一人ひとり)に目を向けているので、一人ひとりの当事者を主人公とし、そのキャラクターの社会課題が解決した未来の姿を考えることとしました。
アジェンダリストを読み解きながら、さらにラフをいくつか起こしました。レイアウトする際には、数が多く並ぶため、1つ1つの大きさを考えながらいかにシンプルに説明するかが大事でした。その時のイラストが以下になります。まだフワフワした感じがありますが、方向性として現在の姿にもその影が垣間見えています。このラフイラストで「クリエイティブチェック」と呼ばれるCCOやAD陣が同席する場で、フィードバックや同意を得てさらに進めることとなりました。「クリエイティブチェック」に関しては、「LIFULLのCCOチェック」という記事をご覧ください。

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■イラストのルール検証

イラストの基本的な方向性が決まったので、イラスト化するための基準となるルールを考える必要がありました。まず、代表的な6〜8つのイラストをillustratorで検証しながら起こします。LIFULLはオレンジをブランドカラーとしているので、どこでオレンジを使用するか、セカンダリーカラー、サードカラーは何にするかを検証しながらも、キャラクターの頭身を検証し、周りを取り囲むマテリアルのトンマナルールを考えていきました。
そうした結果、2度目の「クリエイティブチェック」で指摘されたのはキャラクターの肌の色と髪の色に関してでした。LIFULLでは「あらゆる多様性を認める企業」と銘打っているので、さまざまな人種を登場させた方がよいが誇張した人種表現はNG、また先入観による年齢差別的な表現は避けた方がよいというフィードバックを受けました。そのようなフィードバックや検証を重ねながら、イラストの展開のために作成したルールが以下になります。

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■同時にしたこと

イラストの基本ルールを検証、模索しながら、その他のイラストの素案を考えていきました。1つの「パネル」に1つの社会課題に向きあう「n=1」を想定し考えていきます。それぞれのアジェンダに対して、いかにイラストで違いをわかりやすく表現できるかが肝要でした。ラフを考える時間は比較的自由に頭を使えるので、楽しみながら考えることができました。社会課題について頭を巡らせながらも、このイラストを見た人がどう思ってくれるか。考えてくれるかを想像するのも大事だと思います。(この記事を書くにあたって、ラフ絵を全部残しておいて良かったと今思いました・・・)

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■イラスト展開

イラストの基本ルールと、全種のラフアイデアができたので、同じチームのデザイナーや他社のデザイナーの力も借りて一気に起こしていきます。数の多いイラストなのでどうしても描き手の解釈やタッチが表れてきます。最終的にはイラストのタッチを一人のタッチで整えないといけないので、私の方で最終調整を行いました。しかし、最初から一人だとかなり工数のかかる作業になったはずです。いろいろとご協力いただき、この場で感謝を述べたいと思います。

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■さいごに

LIFULL アジェンダのプロジェクトは現在進行中のプロジェクトです。今後もアジェンダとともにイラストの数は増えていきます。それはつまり叶えたい未来の姿が増えるということなのです。数多くの社会課題が世の中には溢れていますが、自分にとっては少し遠く感じられる社会課題も多くあるかと思います。が、その1つ1つに悩んでいる人たちがいることを忘れずに、イラストを開発していきたいと考えています。また、木村さんも書かれていたように、LIFULL アジェンダは社会課題解決のためのトリガーです。この記事を読み、ラフ絵やボツ絵からでも何かしらのきっかけになると幸いです。ぶつぶつ。
今後も「LIFULL アジェンダ」にご期待ください。

参考
LIFULLアジェンダ
https://lifull.com/brand/agenda/

お問い合わせ先
https://design.lifull.com/contact/

LIFULLでは、新規サービスの立ち上げに携わるデザイナー、ブランドデザイン・コミュニケーションデザインを実践しているデザイナーなど、多様な働き方をしているデザイナーが所属しています。現在、私の所属部門で共にBXをつくっていけデザイナーを募集しています。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひまずはカジュアル面談からでもお話できると嬉しいです!

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クリエイティブ本部 デザイン部 コミュニケーションデザインユニット
コミュニケーションデザインG

桑原昭弘郎

広告制作会社、広告代理店を経て、2019年 LIFULL入社。コミュニケーションデザイングループ所属。LIFULLやLIFULL HOME’Sのブランドコミュニケーションのほか、ACTION FOR ALL、Earth Cuisineなどのプロジェクトを通じて社会課題の解決に取り組む。NY ADC、Good Design Awardなど国内外のクリエイティブアワード受賞。




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