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子供の日本語学習者に漢字を教えるときに注意したいこと

「覚えようとする」意識が働く文脈づくり

Zoomで、アメリカに住む小(中)学生を対象に日本語のレッスンを行っていますが、その中で、1回のレッスンにつき1-2個の新出漢字を学んでいます。

漢字の学習で忘れてはならないのは、人は「覚えようとしなければ、絶対に覚えられない」ということです。だから、授業をつくる際にも、「覚えようとする」意識が働く文脈をつくらなければなりません。テストはその一つですが、グループレッスンでもそういった文脈をつくることができます。

具体的に説明すると、

漢字の書き順を見せて、それを使った単語や表現を示し、一緒に読む、その字を書くという活動をするだけでは、こどもはその文字を覚えないので、グループレッスンで次のような活動をすることができます。

1)習ったばかりの進出漢字をランダムに記載した表を見せる

2)先生がいずれかの漢字を指さして、その読み方を生徒に聞く(表にあるすべての漢字を読む挑戦タイム。一人の生徒がまずトライして、次の生徒に移る。テンポよく)

3)何度も繰り返す

グループ指導のメリット

ごくシンプルな1つのアクティビティですが、このとき、グループでの活動であることが大きなメリットになります。なぜなら、子どもには、他の子が指名されて苦戦しつつも答えているのを聞きながら、「次は自分の番かも。みんなの前で全問正解したいな」という思いが生まれ、ここで「漢字を覚えよう」という意識が働くからです。

子どもの学習では特に、大人がそういった学びの意識に目を向けて、文脈を作ってやることが大切だと思います。ゲームのような感覚で取り組むことで、学びが「楽しい」ことのように感じることができます。さらに、そうして1つでも2つでも新しい漢字を覚えることができたら、自己肯定感が生まれて、その後の主体的な学びへとつながると考えています。一人でもくもくと学習しているときや、ひたすら暗記しようとする学習では生まれにくい意識を生むことができるのは、グループ活動の素敵な特徴のひとつだと思っています。




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