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ブランディングのメモ帳-8

ブランディングを進める時に必ず必要になる要素「ターゲティング」

「ターゲティング」のことをきちんと理解できているか?がブランディングの成否を決めます。

「ターゲティング」がブランドが獲得したいと思っているユーザー層だと理解している人は多いと思います。でも、そのユーザー層について大まかな概要は話せても詳細について話せるか?と問われると答えられる方は少ないのではないでしょうか?

あやふやなターゲット層はブランドを立ち上げるのを困難にする、ということを認識する必要があります。

ブランドに人格があるのならば「あなたのターゲットユーザーはどんな方ですか?」と問い掛ければ明確な答えが返ってこなくてはなりません。

この「明確さ」について認識が甘いとブランドはブレます。時代を経て永続してきたブランドは逆に言えば時代に翻弄されてきたとも言えます。ヴィトンやエルメスフェンディなどそれぞれの時代で自分たちの方向性を模索し、築いた自分たちの特性を守りつつ時代の変遷に対応して乗り切ってきました。

アジアで生まれたブランドはまだ若く経験も浅いブランドが多くあります。それらのブランドは「経験値」よりも「資本力」を頼りに拡大しようとしています。

ブランドに必要なのは「信頼性」なのではないでしょうか?

その信頼性を支えるのが「ターゲット層」と言われるコアなファン層です。

戦争や天変地異、産業革命、それらの中で立ち上がったブランドはある程度の規模を得るまでは時の権力や時代性の波に乗って成長しましたが、戦争も産業革命も終焉を迎え権力は衰退し購買層も富裕層も変化します。でも時代を超えて根底を流れる指向性を読み取り、それに相応しい上質の商品を提供し続けたなら、それは「信頼」に繋がります。

ブランドという人格を持った商品群が常に頑固さやエレガントさ、実直さを変えずに存在し続けることが出来たなら、そのブランドは永続するに違いありません。

表面上の取り繕った「人の顔色を見る」人格はいずれは見破られます。現在のアジアで乱立するブランドの多くはその危険性を孕んでいます。もっと深い人間性に根ざしたブランドはこれからも生存し続け、ヨーロッパにはない新しい人格を持ったブランドも確立してゆくに違いありません。

むしろ根底を流れる思想性が欧米とは異なるアジアのブランドには大きな可能性があると言えます。

欧米での「食」の世界で「旨み」の概念が見直されたり「禅」の思想が見直されたり、映画などで「東洋」を意識する表現が増えたりしているのはその兆しだと言えます。韓国、インドネシア、日本、台湾。これから新しいものが生み出される素養を持った国々から新しいブランドは生まれるでしょう。

私たちは私たちの「価値観」を理解できるユーザー層を開拓し、そのユーザー層の望む指向性と嗜好性を実現できるブランド開発をしていかなくてはなりません。

私たちが「信頼性」を育てるのはこれからだと言えます。

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