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マガジン

  • 資料作成・プレゼンのプロセス

    資料を完成させ、プレゼンするには、何を、どのような順序で進めるべきなのか? 多くのプレゼン本では、デザインやPowerPoint操作といった「1枚のスライドを綺麗に見せる方法」に主眼が置かれます。 しかし、私たちが会議やセミナーに持ち込むのは、1枚のスライドではなく、総体としての資料です。役に立つ資料を作るためには、資料の目的を定義し、その目的を達成できる資料はどうしたら作れるのかから考える必要があります。 本書では、資料の目的を「説得の成功」と定義し、その目的を達成するためのプロセスと、そこで必要になるスキルを解説します。

最近の記事

Lesson 22: まとめ

長かった本書も、このレッスンでおしまいです。最後に、ここまで学んできた内容のまとめと、積み残しとして残っていることを整理して終わりにしましょう。 本書のまとめ本書の内容をまとめると、以下になります。 資料を作成する状況における目的は、説得の成功である 説得:他者に「イエス」と言ってもらうこと 説得はロジック、レトリック、ブランドの3要素から構成される 説得は5ステップのプロセスで作り上げる 説得の最重要ポイントは論点である 論点が説得の大枠(目的と主張)を決めて

    • Lesson 21: ロジックの重要性

      さて、ロジック構築まで終わったので、先に進む前に大事なポイントを説明します。 このレッスンでは練習問題を通じて、論理性が重視されるコンテクストにおいて最も重要なポイントを学びましょう。 練習問題あなたはとあるメジャーリーグ球団のGM(General Manager: 要するに一番偉い人)だとします。所属する日本人選手である鈴木と、来季も契約するべきか迷っています。 これは大きな金額が動く契約なので、あなたは正しい答えを出したいと強く思っています。つまり、コンテクストは完

      • Lesson 20: ロジックを構築する

        設計が終わったので、次はロジックを構築するプロセスを見ていきましょう。 説得において「ロジックを構築する」とはどういうことか? 具体的な成果物は何か? それを作成するときのポイントは何か? どんなアプリを使って作成するのか? といった疑問に答えていきます。 では始めましょう。 「ロジックを構築する」とは早速ですが結論から入りましょう。「ロジックを構築する」とは、以下のようなテキストファイルを作ることです。 このように、「ロジックを構築する」プロセスで作成するの

        • Lesson 19: 設計の練習問題

          このレッスンでは、仕上げとして、設計を実践してみましょう。与えられたコンテクストから説得を設計する練習問題を2問ほど用意しました。 注意点ですが、不足している情報(前提)は自分で考えてください。すべての情報を事前に説明すると練習にならないため、問題文での説明は最小限に留めます。与えられていない部分は自分で想像して、それに応じた答えを出してください。 結果として、解答例が正しいとは限りません。あなたは私とは違う前提を想定する可能性があるからです。 この練習問題の目的は、正

        Lesson 22: まとめ

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        • 資料作成・プレゼンのプロセス
          23本

        記事

          Lesson 18: 説得のコンテクスト②

          設計の学習もいよいよ大詰めです。このレッスンでは、コンテクストとして残っている部分を押さえ、すべてのコンテクストを具体的なロジックとレトリックの方針に反映させる方法を学んでいきましょう。 コンテクスト④:主張を変えられるか?Lesson 12の「説得の目的」セクションのところで「主張を変えられるか?」という問いを考えましたよね。先述のとおり、あの問いは説得の目的とは関係ありません。実際は説得のコンテクストの一部です。問いを考えるタイミングとしては主張(現在の仮説)の直後が適

          Lesson 18: 説得のコンテクスト②

          Lesson 17: 説得のコンテクスト①

          最後にしたいことは明らかになったので、セクションの前半部分に移りましょう。このレッスンからは「説得のコンテクスト」を掘り下げます。 コンテクスト①:本番の形式まず、本番の形式を記入していきます。該当するものに○をつけていきましょう。 なお、厳密には、本番の形式はコンテクストではなくレトリック(メディア)の一部です。本番の形式次第で、伝わり方は変わりますからね。 つまり、本来、本番の形式は「コンテクストを受けて決めるもの」です。 しかし、実態としては、これらの項目は組織や

          Lesson 17: 説得のコンテクスト①

          Lesson 16: ロジックとレトリックの方向性④

          本書の前半で「文書とパッケージは本質的に同じものだ」と述べたことを覚えているでしょうか。その理由は、もう明らかでしょう。文書もパッケージも、ロジックを包むメディアです。その意味で、この2つは本質的には同じものです。 では、何が違うのかといえば、それこそが前回のレッスンで学んだことです。文書とパッケージは、情報密度が違います。 これを踏まえて、このレッスンでは、文書とパッケージをどのように使い分けるべきかを考えていきましょう。 文書とパッケージの違いまずは以下のスライドを

          Lesson 16: ロジックとレトリックの方向性④

          Lesson 15: ロジックとレトリックの方向性③

          次はレトリックのLUバランス調整法を学びましょう。 ロジックと比べて、レトリックのLUバランス調整は複雑です。考えるポイントが多すぎるのです。言い換えると、選択肢が無限にあります。 このレッスンでは、レトリックでLUバランスを調整することの複雑さと、その中でも特に重要な1つのポイントについて学びましょう。 レトリックのLUバランス調整まずはメディアの全体像を確認してください。 主要なところだけで、メディアはこれだけあります。何らかのメディアを選ばないことには伝えようが

          Lesson 15: ロジックとレトリックの方向性③

          Lesson 14: ロジックとレトリックの方向性②

          ここからはシートの詳細を見ていきます。まずは後半部分(具体的な方針)から始めましょう。最後に何をするかを理解してからのほうが、説得のコンテクストを理解しやすいです。 このレッスンでは、ロジックのLUバランス調整法を学びましょう。言い換えると、厳密な/分かりやすい内容とはどのようなものかを考えていきます。 注意点ですが、このレッスンの内容は「ロジカルシンキング」や「統計」を学んでいないと理解できないかもしれません。ここを丁寧に説明すると終わらなくなる関係上、かなり簡略化して

          Lesson 14: ロジックとレトリックの方向性②

          Lesson 13: ロジックとレトリックの方向性①

          このレッスンから、設計シートの後半部分に進みましょう。ここからは、ロジックとレトリックの方向性の決め方を学んでいきます。 このセクションで行うことまずは全体の流れを掴んでください。以下のスライドにまとめました。 このように、このセクションでは以下の3つのことを行います。 説得のコンテクストを整理・分析し、 そこから今回の説得における「論理性と分かりやすさのバランス」を決め(シート中の矢印)、 それを具体的なロジックとレトリックの方針に落とし込む 詳しくは後述します

          Lesson 13: ロジックとレトリックの方向性①

          Lesson 12: 説得の目的②

          しばらく論点の話が続きましたが、このレッスンから設計シートに戻りましょう。まだ「説得の目的」セクションの2行目までしか終わっていません(それだけ、ここまでが重要だということなのですが)。 このレッスンでは、「説得の目的」セクションの残りの部分を解説します。 主張論点が書けたら、次は主張です。ここでは、以下の2つを考えてください。 主張そのもの 主張を変えられるか? 順に説明します。 主張①:主張そのもの まず、この段階で主張に関して分かっていることを書きましょう

          Lesson 12: 説得の目的②

          Lesson 11: 正しい論点の条件③

          いよいよ最後の条件ですね。このレッスンでは、説得力に関する条件を学んでいきましょう。 価値の条件③:説得力がある説得が価値を持つための最後の条件は、説得力があることです。 まず、「説得力」という言葉を定義しておきましょう。本書では、説得力とは、受け手に「主張は正しい」と感じさせる力のことだとします。 このように「説得力」を定義すると、それが必要な理由は明らかです。説得力がなければ、主張に「イエス」と言ってもらえません。つまり、説得は失敗します。受け手としては「正しいとは

          Lesson 11: 正しい論点の条件③

          Lesson 10: 正しい論点の条件②

          引き続き、正しい論点の条件を考えていきましょう。次は新しさに関する条件です。 価値の条件②:受け手にとって新しい情報が含まれている説得が価値を持つための第2の条件は、ロジックの中に、受け手にとって新しい情報が含まれていることです。 この理由は、逆から考えると明らかでしょう。ロジックの中に新しい情報が一切ないということは、そのロジックは受け手にとって「既に知っている、当たり前なこと」だけで構成されていることを意味します。そういうことを伝えられても、普通は価値を感じられません

          Lesson 10: 正しい論点の条件②

          Lesson 9: 正しい論点の条件①

          ここからは「正しい」論点とはどのようなものかを考えていきましょう。 前回のレッスンで述べたとおり、論点を評価することは論点を見つけることよりずっと簡単です。しかも、上の立場になるまでは論点を評価するスキルのほうが有用と言っても過言ではありません。まずはここをしっかり押さえてください。 では始めましょう。 論点が「正しい」とは:全体像早速ですが、「正しい」論点とは、どのような論点のことなのでしょう? シンプルに考えると、正しい論点とは「説得が成功する(「イエス」と言って

          Lesson 9: 正しい論点の条件①

          Lesson 8: 論点の書き方・決め方

          ここからしばらく、論点を掘り下げていきます。 繰り返しになりますが、論点が説得における最重要ポイントです。イメージとしては、「PowerPointを使いこなして綺麗なスライドを作れること」の重要性を1とすると、「正しい論点を書けること」の重要性は1億くらいです。つまり、比較になりません。 より良い説得を目指す上では、ここにリソースを投入するのが最も効率的です。難しい話も入ってきますが、頑張ってくださいね。 では始めましょう。 論点とは念のため、定義から確認しましょう。論

          Lesson 8: 論点の書き方・決め方

          Lesson 7: 説得の目的①

          では、上から順に設計シートを見ていきましょう。まずは説得の目的からです。これは設計の最初に行うこと、つまり、説得プロセスのスタート地点になります。 このセクションは説得プロセス全体で最も重要です。ここが肝ですのでしっかり押さえてください。 では始めましょう。 タイトルとりあえず、シートの最上部にタイトルをつけておきましょう。これがないと識別しにくいですからね。 この時点では、タイトルは仮のもので構いません。「XX会議」、「XXの報告会」など、思いついたものを書いておいて

          Lesson 7: 説得の目的①