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プログラミング教育にまつわる書籍4冊読み、社会人がプログラミングを学ぶ意義について考えてみた。

 
はじめに

いよいよ来年からプログラミング(的思考を育むための)教育が小学校に導入される。その影響があってか、ここ数年でプログラミングスクールの広告を見る機会が多くなったように感じる。また、主にAIに関連するニュースもたくさんあるので、人によっては「やらなきゃヤバいのかな?」と思う人もいるかと思う。個人的には、ブームになり情報が玉石混交になっていると感じている。だからこそ、余計な情報をできる限り捨てて、シンプルな本質は何か?という観点から捉えることが重要だと思う。しかし、探してみても私が知りたいことをピンポイントで十分に書いている記事を見つけることができなかった。そこで、プログラミングを学ぶメリットがメインに書かれている書籍を4冊読み、2つの疑問の答えに該当するところだけを抽出し、まとめてみた。

プログラミングとは何か? 

プログラミングは、手段

自分のやりたいこと、解決したい問題を達成するためにコンピュータに動いてもらいたい。そのコンピュータを動かすために、コンピュータが分かる言語(プログラミング言語)で、具体的にいつどのような動いてもらいたいかの手順を正確に入力していくこと。

プログラミングを学ぶことでどんなことが得られるのか?

○スキル面
・論理的に考える力が身につく
入力したプログラムに1つでも誤りがあるとコンピュータは正しく動作してくれない。そのため、そもそもプログラムを作る上で論理を組み立てる必要がある。また、計画通りに動かなかった場合には、なぜ動かないのか?どうすれば動くのか?を検証する必要がある。行なった作業を分解し、どこに原因があるのかを分析し、解決策を導き出すプロセスを通じて、論理的思考力が伸びる。
 
・自分以外のものや人を動かす力が身につく
上記のようにコンピュータへの指示を考えるプロセスで磨かれた力は、そのまま人間に指示を伝える上でも抜け漏れや誤りがない指示書を作ることに役立つ。
 
・仕事をスムーズに進める力が身につく
プログラムを組む上で筋道を立てて考える必要があるため、その力がそのままシミュレーションする力に繋がり、仕事をスムーズに進められるようになる。
 
・問題点を発見し、改善していく力を養うことができる
検証、仮説、実行のサイクルを何度も繰り返すから。
 
・問題点を洗い出す力とリカバリーする力が身につく
・物事の手順や効率を意識して考えられるようになる
・大きな課題を小さな課題に分解して理解できる
○マインド面
・失敗に対する耐性がつく。ミスを受け入れられるようになる。
・作る側の立場で考えられるようになる
・ルールは守るものだけではなく、自分で作るものという発想になる
○キャリア面
・SE,PGといった仕事に就く選択肢ができる
・将来フリーランスになる選択肢ができる
・将来的にできる仕事が増える
これからますますIT系の新しい企業が生まれたり、既存企業のデジタル化が加速していき担い手が必要となるから。

さいごに個人的な感想 

プログラミングは、学ぶのであればどんなレベルでも実際の作品(アプリやwebサイトなど)を作り上げるところまでやらないと意味がないと言われる。

言い換えれば、せっかく学習時間をかけたとしても誰かに見せられる成果物を作らなければ自己満足で終わるということだ。(他のスキルも同じだと思うが)

では、どのくらいの時間があれば作品を作れるレベルになれるのか。これはLPを作るのか、WordpressのHPを作るのか、はたまたアプリを作るのか、という、目標に大枠は依存するため一概には言えない。しかし、未経験からプログラマを転職の選択肢にするための作品を作るとしたら少なくとも約500時間は必要だと思っていた方がいいと思っている。これは、もし1日3時間学習・実践したとしたら約6ヶ月くらいの期間である。実際に、プログラミングスクールで転職の成果保証を謳っているところでは、会社を辞めることが条件で、平日フルタイムで3ヶ月〜4ヶ月は学習するプログラムを組んでいるところが多いため、この500時間は平均だと言える。
 
これだけの時間をコミットするとなると、気軽には始められないだろう。では、どういう人はプログラミングを学んだ方がいいのか?私が思うに、以下の人たちである。

・SE、PGになりたい人(将来フリーランスになりたい人含む)
・SE、PGと一緒に仕事をすることになった人(している人)

(あれ?当たり前じゃん!と言われそうなことを書いてしまった。)

私はそもそも、副次的に得られることを目的に学んでみてもいいのではないか?という仮説があった。
つまり、職業につくことを考えていなくても自己啓発目的でやってみてもいいのではないかと。上記で紹介したスキル、マインド面はいずれもビジネスヒューマンとして成果を出し続けるために必要なものである。

しかし、一方でそれらのスキルがまだ低い人もいるだろうし、そういう人たちにとって一石二鳥以上の学習テーマなのではないか。そんなことを思ったのだが、このように調べたり、話を聴いてみた範囲では、それらのスキルが低い人はストレートにそれらのスキルアップトレーニングをした方が投資対効果がいいと感じた。

具体的には、業務効率化のためにExcelのスキルを身につけたり、ロジカルシンキングを学んでプレゼンテーションスキルを身につけることなどが挙げられるだろう。

(あれ?普通に会社で学べることが多いのでは?)

つまり、SEやPGなどに転職する目標がない社会人にとって、ビジネススキルアップ目標でアプリなどを作るレベルのプログラミングを学ぶことは近道とは言えないということだ。
 
では、SEやPGなどに転職する目標がない社会人でプログラミングを学んだ方がいい人がいるとしたらどんな人か?それは、SE、PGと一緒に仕事をすることになった人(している人)だろう。

これから、必要性に迫られてデジタル化を進めていく会社はどんどん増えていく。そんな中、デジタル化を進めるためにSEやPGの仕事を理解し、うまくコミュニケーションをとることができる人材は重宝される。(それらの仕事が身近ではなかった人にとっては苦手意識がある)また、もしそのプロジェクトをリード・マネジメントできるとしたら、さらに重宝される。そういう意味では、社内での希少価値を高めるための近道と言えるだろう。
 
ここまで社会人がプログラミングを学ぶ意義について考え、書いてみた。この記事が溢れる情報に溺れるのではなく、うまく活かすための参考材料となれば幸いである。
 
<参考書籍>
※個人的な感想の内容は以下には書いていませんのでご注意ください。

プログラミング教育はいらない/岡嶋裕史著/光文社新書

親子で始めるプログラミング教育/株式会社バンタン未来の仕事研究所著/KADOKAWA

子どもの才能を引き出す最高の学び プログラミング教育/石嶋洋平著・安藤昇監修/あさ出版

知識ゼロのパパ・ママでも大丈夫!プログラミングができる子の育て方/竹内薫著/日本実業出版社

上記の中では、書籍「プログラミング教育はいらない」が一番オススメである。その理由は、一番網羅的に書いてあるため。

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