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競争社会とは「勝っても負けても幸福感を味わえないシステム」!?

はじめに

2015年頭に書いた過去の日記の内容がなかなかいい考察してるな、と思ったので紹介します。

競争原理ゲームだけでは幸せを感じられない!?

脳機能学者である苫米地英人さんが書かれた『夢を叶える洗脳力』という本を読みました。

タイトルは賛否両論かもしれませんが、とても興味深い内容が書いてありました。
 
その中で、特に印象に残ったこと。

資本主義は競争の原理を採用している。
   
競争社会は、「敗者を大量生産するシステム」
 
常に勝ち続けられるというのは皆無。
 
人は負けたら敗北感を感じ、不幸を感じる。
 
一方で勝ち続けても、何かと競争し続けなければならない状況に
圧迫されて、不幸を感じる。
  
勝っても負けても幸福感を味わえないシステム、それが競争原理。

この内容を読んだときに、資本主義、経済至上主義的に対して感じていた違和感の答えが分かったような気がしました。
 
具体的にいつまでというのは分かりませんが、ちょっと前までは競争に勝つということが成功のメインストリームだったと思います。
 
ですが、テクノロジーの進化により、あらゆる境界線が曖昧になったことが要因なのかどうかは分かりませんが、
 
「多様な価値観ってあるんじゃん!」「多様な価値観を持っていいんじゃん」みたいな流れになり、「多様な成功(成功という言葉が競争に勝つというイメージと強く結びついている感じがしているのですが)」や「個々人の幸せ観」を実現することがメインストリームになってきているように思います。

きっと多くの人がそのように感じているんじゃないでしょうか。
 
ですが、そのメインストリームの変化に対して、既存の働き方の枠組みは依然として競争の原理だけを土台においたものが多いのだと思います。
 
そして、競争原理が土台にあるからこそ、競争に勝つことを至上命題にしなければならないわけです。
 
となると、多様な価値観が受容された社会で、大衆の価値観に右ならえじゃなくて「自分の価値観」にも気づく人が多い中で「自分の幸せ観」が「競争に勝つこと」と一致していない人も出てくるわけです。
 
競争に勝つことがゴールのゲームにおいて、競争に勝つことが価値に置かれていない人が頑張る理由を見出すことは難しい・・・。
 
でも、どこかで幸せ観を満たしたいのが人間。
   
ではどこで満たせばいいのか?
 
それが趣味だったり、ボランティアだったり、NPOだったりすると思うんです。(書きながら思いましたけど、アメリカが辿った道ってこんな感じなのかもしれませんね。)

昨今ですとオンラインサロンがそれにあたりそう。

で、最近になって、その自分の幸せ観を満たす活動と(これは自己表現する活動に近いのでは?と思っています)経済活動(衣食住を確保するための活動:お金を稼ぐ活動)の距離が近づいているように思います。
 
この表現が適切かは分かりませんが、何らかの要因でこの2つを一致させるポイントを見出しやすくなった時代なのではないかなと。
 
フリーランス的な働き方が増えたり、クラウドソーシングのような仕組みができたりしているのはこの流れに関係があるんじゃないかなと思っています。
 
でも、一方で「どっちか」だけの状態で停滞している人も一定割合以上いるのかなと(停滞が悪いわけではないですが)感じます。
 
どっちか、というのは「自分の幸せ観を満たす活動だけ」と「経済活動だけ」という2つです。
 
別にそれが悪いわけじゃないと思うのですが、持続性という観点から言うとどっちかだけではなく「どっちも」っていうのがとても重要なことだと思うのです。
 
そしてそして、
話がちょっと飛躍しますが
 
映画『アナと雪の女王』で流行った「ありのままの~」っていうことを
仮に「自分の幸せ観を満たす」っていう軸だけの捉え方をすると、
 
それはそれでバランスが悪いんじゃないかな~
って思います。
 
もちろん、タイミング的にバランスが崩れた方がいいことってあると思いますが。
 
もちろん、「どっちも」を追求するっていうのはタフさが求められるものだと思いますし、一筋縄ではいかないと思います。
 
ですが、今という時代において、こと日本の都市部という場所で(他の場所は現地にいってみないと分からない)幸せであり、豊かである人生を生き続けるためにはとても重要なことだと思っています。
 
そして、個人のこの2つの両立に応え得る企業というか、働き方の仕組みというか、経済活動の仕組みが求められているのではないかなぁって思っています。

さいごに

この記事のもとの文章を書いたのは2015年ですが、その後2020年にこんな記事を書きました。

上記の記事の結論としては、起こった現象を並べてみるとまさに働き方の多様化が進み、十人十色の働き方(言い換えれば、多様な価値観に沿った働き方)を一定の人が叶えやすい環境ができてきたと言えます。

その意味で、今回の記事で書いた内容はまさにその通りだなと思いました。

企業組織関連のバズワードと言える心理的安全性も、パーパスも、ティール組織も、この大きな流れの上で多くの人の注目を集めていると言えます。

たまにこうやって昔を振り返ると、改めて今自分がどこに立っているのか?が客観視できるので、いいですね。

一方で、この頃のような未来に対する直感力は下がっているようにも思えるのが、個人的には残念ポイント。

年末にじっくり想像・洞察する時間を取りたいと思いました。


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