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日本における互助コミュニティを考える2020年5月 Digital Health輪読会まとめ

ライフタイムベンチャーズでは、業界の有志関係者との共催で投資テーマに関わる1ヶ月のニュース記事をまとめ読みし、気になるトピックについて議論するニュース輪読会を実施しています。

本稿では2020.5.22に実施したDigital Health(デジタルテクノロジーを活用した医療・介護・健康関連サービス)に関する輪読会での議論をまとめました。

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1.日本における互助コミュニティの考える

「神戸からのデジタルヘルスレポート#44(介護・ケア)」において、ケアコミュニティの構築を支援するアメリカの「Circle Of」が取り上げられました。CircleOfは、日常生活や疾患への対処に課題を持つ患者さんを支えるコミュニティをオンライン上で構築し、お互いに支え合うことを可能にするサービスです。
日本のように高齢化が進む社会では、このような医療従事者のリソースを使わないヘルスケアサービスが増えていくことが必要です。
日本にこのまま輸入するのは難しく、サービスのデザインにおいても、支援者側の多種多様なモチベーションを考慮した設計が大事になってくるという議論になりました。

2.アジア圏における「メンタルヘルス」の捉え方

「メンタルヘルス」は「生活習慣病」と同じくらい大雑把なくくりであり、より具体的な疾患や患者ペルソナを設定してプロダクトを開発する必要があります。
Value based Healthの観点からすれば、服薬アドヒアランスや生活習慣の乱れに伴う身体疾患リスクへの影響を検知・予防するアプローチに価値があると考えられており、Intellectは自身のメンタルヘルスを管理しやすい方法を人々に提供することを意図して作られたアプリです。オールジャンル型オンライン診療が普及しつつあるアジア圏で、Verticalなサービスとして立ち上がるか気になる領域です。

3.CVC投資が成功するための関係性とは

事業会社からデジタルヘルス企業へのCVC投資は年々増加しています。どのようにすれば成功事例が作れるのでしょうか。
事業会社からの投資目的は3つのタイプあると考えられます。①会社のPR的としての見せ球、②将来を見据えると興味がある、③本気で組み役割分担をして事業を行いたい。③がお互い良い関係で、最近は増えてきている印象です。
エッジが効いたソリューション企業にとって、その流通方法が最大の課題です。それを解決するために、熱量と実効性のある地域卸か、熱量はないが全国展開している卸か、どちらが良いのか。そこは反比例の関係にあることを理解して、スタートアップ側はアライアンス先を整理する必要があると考えられます。

4.新しい医師コミュニティ、成功の鍵は?

マネタイズの手法が今後の鍵になってくるのではないでしょうか。
KOL(Key Opinion Leader)主導の製薬マーケビジネスの中で、意欲のある若手医師コミュニティという逆説的アプローチを行っています。20-40代でITリテラシーと情熱ある医師層にアプローチできていることは極めてユニークです。
医師向けのコンテンツ・イベント課金や開業支援など、従来にはなかったマネタイズ手法にどのくらいチャレンジできるかが鍵になってくるのではないかという議論になりました。


来月もDIgital Health領域の起業家/新規事業を検討する皆さんにとって有益な情報が提供できるよう、引き続き開催していきます!

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