見出し画像

Think Different な道具箱

道具店がつくる道具箱。文字通り道具を入れる箱だけれど、それは一側面。作り手が音楽好きでレコードが40~50枚入るサイズで制作。LP BOXという製品名も単なる一側面。

こんな天邪鬼は、Think Differentの精神に影響を受けてのこと。1997年、スティーブジョブズが再登壇し、倒産寸前のアップルを再生に向け掲げたときの標語である。固定概念をなくして新たな発想で向き合うと、製品も違って見えることもあるはず。Here’s to the crazy ones. クレイジーな発想が世の中を変える。この箱に何を入れるかは、くれぐれもご自由に。

この製品は、工事現場などで使われた足場板を再利用している。環境も少なからず意識しているけれど、それ以上にWOBBLEとLOOPという音楽的な要素を製品の背景として大切にしている。WOBBLEは、1970年代の機材が奏でる磁気テープの独特な揺らぎのこと。LOOPは、テクノのように同じフレーズの繰り返しのこと。ジャズでも規則的なコード進行の中、即興演奏が行われることが多い。退屈にも思える日常に、僅かな揺らぎや即興性が加われば最高に気持ちが良い。

古材とは対照的な素材として真鍮を組み合わせることで、WOBBLEなLOOPを際立たせることにした。古材なので節や木目の違いは当たり前。塗料が付着していたり、欠けていたり表情は大きく異なる。一方、無垢の真鍮は、経年変化で深い味わいのある色味になる。もちろん重曹で磨きながら輝きを維持しても良い。すべてが個性となるように、量産品だけど一点ものとして。