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消去法ではなく

ジンカップ人気は留まることを知らない。けれど、地元の木材を乱獲することがないよう、また、作家自身の身体を気遣いながら、生産数に上限を設定することで、新規のオーダーは全てお断りされている。

「”オーダーのお問い合わせを断る”。言葉にするのは簡単ですが、精神力が試されるとても辛い作業です。ありがたい想いに押しつぶされそうになるのを耐え続けることになります。」と語るアキヒロジンさん。

そんな状況に手を差し伸べたのが、アキヒロジンさん高校時代からの盟友でもあるONE KILNの城戸さん。ONE KILNは鹿児島市にある陶芸スタジオ。このJincup Ceramicsは、ONE KILNブランドの活動を尊重しつつ、形と生産方法をデザインすることを重視した上で、城戸さんが修行時代を過ごした同じ九州の波佐見で製造されている。

「排泥鋳込み」という生地職人の腕が試される技法を用いている。磁気の粘土をトロトロな泥になるように調整して、型に流し込み、一定時間待って泥をこぼすと、ある程度の厚みで型に残る。こぼす時の泥の切り具合や、待ち時間の調整によって器の厚みや内側に残る形が変化する。少しだけ自然な個性を持った個体に仕上がるのである。

Jincup Ceramicsは、木製のジンカップとは異質である。それでも、作り手の思いには差はなく、むしろ目一杯詰め込まれている。陶磁器製のジンカップならではの良さ(美しさ)を感じながら日々の生活を愉しんで欲しい。木のジンカップが手に入らないからという消去法ではなく。

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4月下旬発売予定。詳細につきましては準備が整い次第、メールマガジンまたはウェブショップでご案内いたします。混乱を避けるため、ご予約やお取り置きは対応しておりません。小さなお店につきまして、ご理解ご容赦くださいませ。