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余命10年



何年か前に原作を読んだなと思い鑑賞した作品。
「ヤクザと家族」、「新聞記者」などを手かげた藤井道人監督最新作。

とても良い映画でした。

ある女性が余命10年を過ごす話です。


・四季折々を捉えた美麗な映像(ポストカードにしたら売れそう)
・小松菜奈さんの胸に迫る演技
・ちょうどいい距離感の友人たち
・RADWIMPS が手がける優しいサントラと主題歌
などなど
作品の持つテーマ、故人である原作者と真摯に向き合い、誠実に作られた印象です。
恋愛映画とはいえ、予想以上の完成度で感動しました。

藤井監督は色々ジャンルレスに手がけられてる印象ですが、恋愛映画初挑戦でここまで心揺さぶる作品を撮られるとは恐れ入ります。
原作者が既に故人である事を踏まえると、ご遺族への配慮や、コンプラ的なリスクというかプレッシャーがあったはず。
しかも「ヤクザと家族」よりも数字を求められるであろう商業映画で。
それでもちゃんと藤井監督らしい映画になってて、そこにも感動でした。

小松菜奈さんは若手といえど色々経験を積まれてる方。
今作も安心して観れるやろな〜くらいに思ってたら予想以上の熱演でビックリ。
脇役も盤石の布陣ですね。

話に関しては良くあるやつですが、半分実話とも言えます。
その分台詞がいつもより深く刺さる。

全身全霊で人並みの人生を送ろうともがく主人公の姿には込み上げるものがありました。

みなさんは何のために生きてますか?
これまで生きてきた中で、誰を幸せにしましたか?

忘れがちな事を思い出させてくれる良作です。

残念な点を挙げるとすると、ドラマでもよくある男がダッシュする演出があったことでしょうか。

あれ個人的にすごくダサいなぁと前々から思ってまして。
もちろん俳優さんではなく、製作陣のセンスがって意味でね。

脚が速い男子がチヤホヤされるのって大人でも通用するんですかね?小学校までじゃなかったっけ?

真面目なトーンの今作で、しかも藤井監督までもがその演出をするとは意外でもあったので残念でした。

そうそうこーゆーやつ。

「糸」より
「俺物語!」より
「ひるなかの流星」より

走らせすぎか!

恋愛映画ではかなりの確率で出てきますが、あれは何か決まりみたいなものでもあるのでしょうかね。

といっても全体的にはとても良くできてて、ちゃんと観る人の胸を打つ作品です。

ぜひ!

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