【前編】エコライフは0か100じゃなくていい。 楽しみながら選ぶ一歩が明日を変える
「エコな選択をするのってそんなに楽しいことなんだ!」
インタビューを終えて編集部が感じたのはそんなことでした。
今回登場してくれるのは、YouTubeをはじめSNSで積極的にエコライフの魅力を発信している里美(さとみ)さん。透明感あふれる声でオリジナルのエコソングを歌ったり、かわいらしいエコグッズを紹介したり、彼女の発信はどれもワクワクするものばかりです。
そんな里美さんが、これまでどんな経験をしてきて、今なにを大切にしているのか、そのストーリーをたっぷりとご紹介していきます。
小学生のときから、家族でベジタリアンを選択
(写真:里美さんお手製のヴィーガン料理。美味しそう!)
アメリカで幼少期を過ごした里美さん。
小学5年生のとき、ご家族の病気がきっかけで、肉や魚よりも内臓に消化の負担がかかりにくいといわれるベジタリアン(菜食)を、家族みんなでスタートしたんだそう。
「母がいろいろ探して、肉じゃがの大豆ミート版とかを再現するようになって、それがなんかもう美味しかったんです!」
そう話す表情を見るだけで、お料理の美味しさが伝わってくるようでした。そんなお母さんの努力と工夫もあって、楽しみながら菜食を続けられたという里美さん。
毎年インフルエンザにかかってしまうくらい体の弱かったところから、風邪すらほとんどひかなくなるくらい、里美さんには菜食の習慣が合っていたと教えてくれました。
環境問題に興味を持つきっかけがやってくる
環境問題の観点から菜食を選択する方もいることから、里美さんも菜食を始めたころからそういう意識があったのか聞いてみたところ…
「正直、大学生くらいまで環境のことは何も考えずに生きてきたんです(笑)」
とっても正直な里美さん(笑)その姿勢に親しみがわきます。
小学生のころはアメリカでも「ヴィーガン」という言葉は一般的ではなかったそうですが、最近では日本語でもYouTubeなどで「ヴィーガン」や地球環境に関するたくさんの情報を得ることができます。
そのなかでも里美さんにとって衝撃となったのが『Cowspiracy(カウスピラシー)』というドキュメンタリー映画。レオナルド・ディカプリオさんが製作指揮をつとめているというこの映画は、環境問題の現状や裏側に切り込んだ、とても刺激的な内容なんだそう。(予告動画は英語/本編は日本語字幕あり)
畜産業(家畜のげっぷなど)が、工業排気ガスよりも地球温暖化に影響しているなど、たくさんの事実を知るきっかけとなり、里美さんは大きな衝撃を受けます。
「去年、異常気象だったり大きな台風があって、肌で変化を感じるようになってきました。将来自分に子供ができたとき、次の世代のためにも、少しでも地球に優しい選択をしたいと考えるようになりました。」
そして、少し遠く感じていた環境問題が、とても身近に感じられるきっかけがさらに訪れます。
台風15号の被災地で見たリアル
2019年、首都圏で大きな被害をもたらした台風15号は、多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。
環境問題へのアンテナが高くなっていた里美さん。被災地域に援助物資を個人で届けに行くほどアクティブなお母さんについて、初めて被災地に足を運んだのだそう。
そこで目にしたのは、一週間携帯電話がつながらない、ガソリンがなくて買い物に行けない、道路の真ん中に大木が倒れていて道が通れないといった状況。物資は十分にあるという報道の裏側で、奥地に暮らす人たちのもとには何も届いていないリアルを目にします。
物資を届けた先で、安心から涙を流して感謝を伝えてくれる人たちにふれた里美さん。
「被害を受けた人たちがいて、生の声とか生の涙を見たときに、他人事として見過ごしちゃいけないって思いました。」
その経験がきっかけで、環境や動物に関する課題とのつながりを感じ、エコライフについての発信をはじめたそうです。
「他人事には思えない」
ドキュメンタリー映画からの気づき、そして自分自身の目で見て感じた気候変動がもたらす影響への衝撃。
「地球のどこかで起きていることだ」そうやって思うこともできるかもしれません。
でも、自分の感じたことを行動に変え、さらにもっと伝えていこうと活動している里美さんの姿はとても勇気をもらいます。
次回は、里美さんが大事にしているエコライフの魅力を存分にお伝えしていきます。
お楽しみに!
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