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言葉を話さない子のほんとうの気持ち

ビリーバーズ板橋に見学に来た日は、
どの子もたいていあまり話をしません。

初めての場所
初めての人たち
緊張もするし、何を話したら
いいのかもわからない。

これは、ごくごく普通の反応です。

しかし、ビリーバーズ板橋に来る回数が
増えてくると、スタッフやよく会う友だち
と話をしたり、一緒に遊んだりするように
なって、「人見知り」の部分がすっかり
なくなっていきます。
子どもの可能性と順応性にいつも
驚かされます。

だけど、ただひとり、言葉を発さない子が
います。
開室日のほとんどに来てくれているので、
週3日、一緒に過ごしているのですが……

こちら側の質問に、うなづくか、首を横に振
るかのどちらかで答えてくれて、なんとも答
えられないと、首をかしげて表現してくれま
す。

私は声を聴いたことはあるのですが、
たった一度だけです。

その子へどのように接するか、いつもスタッフ
と話し合いながら試行錯誤しています。

近い距離で接していいのか、
1人の空間、時間を大切に過ごしていたいのか。

ある日、その子と一緒に過ごす時間が増えて
いく中で、笑顔が多くなってきていることに
気づきました。
そこからその子との接し方がわかって、
スタッフで共有しました。

すると、さらに笑顔が増えて、いままでは
にこっとしているだけだったのですが、
笑い声がきこえるようになったんです!!

声を出して笑う時間が増えてきたら、
少しずつ行動も積極的になってきました。
いつも一度席に座るとそこからほとんど
動かなかったけど、友だちがやってるゲーム
を観に行ってみたり、公園で一緒に遊んで
みたり、みんなで一緒に何かをするように
なりました。

でも、まだお話はしてくれません。

ですが、親御さんからこのような
メッセージが届きました。

「最近は、ずっと
『あー、フリースクール行きたい』
と言っています。みんなでゲームをしたい
けれど、
『入れて!が言えなくて、誘ってくれたら
ヤッタァって思う。自分から入れてって
言えるようになりたい』と受け身から、
もっとこうなりたい!という気持ちがで
てきていて、とてもうれしく思います」

そっか、そうだったんだね。
もっと早く気づいていてあげられたら……
と今更ながら思ってしまいますが、
すべてはタイミングなので、今気づけて
良かった!!

この子の場合は、正解の一つをみつける
ことが出来たけど、すべての子ども達に
当てはまるわけではありません。

「わからない」ことを大前提に、当たり前
な感覚を横に置いて、その日のその子
にとって居心地のいい空間作りを
スタッフみんなでがんばっていきます。

ビリーバーズ板橋は、来年1月9日で2年目
に入ります。
子ども達から、
「1周年記念パーティをやろうよ!!」
と声をかけてくれて、スタッフみんなが
うれしい気持ちになりました。
スタッフと同じくらいこの場所を大切に
思ってくれているんだなぁ。

みんなで一緒にお祝いしたいね!

来年も子どもたちの笑顔のために、
その子がその子らしくいられるような
居場所づくりを心がけていきます。

今年の更新は今日でおしまい。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。


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