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個性が共生する社会へ ーNPO法人SUPLIFEの全体像ー

テーブルの上で握りしめていたこぶしの下が汗でびしょびしょになっていた事以外、何も覚えていません。
そこからは葛藤の日々が続きました。親として、人として、最低なこともたくさん思いました。病院のテラスで泣きながら大声で人目もはばからず空に向かって歌いまくりました。あっちの世界へいっちゃった、もう元の世界には戻れない、私の人生も家族の人生も終わったんだ。そう葛藤しつつも育てていく中で、同じ境遇の家族と出会うことでだんだん冷静になっていく自分がいました。
ーNPO法人Gift 助成金申請書 「法人の存在理由」よりー

SUPLIFEさんの申請書より抜粋した文章です。上記の文章はこちらのページから全文をお読みいただけます。
https://www.suplife.or.jp/greeting.html

障がいを持つ人に対して差別意識がなくても、我が子が何らかの障がいを持って生まれてきたときの親の気持ちが胸の奥に迫ってくる文章です。

今回から3回に渡って私たちGiftとして助成金を交付させていただいたNPO法人SUPLIFEさんの魅力をご紹介させていただきたいと思います!

SUPLIFEの3つのミッション

1、障がいや病気のある子どもとその家族が安心できる居場所をつくる
2、障がいのある子とない子が楽しい経験を共有し、心の壁をなくす出会いの場所をつくる
3、障がいのある子もない子も、生きる事を楽しみ、夢や希望を描ける社会の仕組みを考え発信する

代表の美保さんの体験とも重なるミッションですね。

3つのミッションから障がいを持つ子も持たない子も一緒に生きることを楽しみ、そんな子どもたちを障がいの有無にかかわらず見守る親の姿が見えてきます。

また、長期的には居場所を作るだけにとどまらず、社会の仕組みを考え、発信することまで想定されています。

SUPLIFEが取り組む社会の課題

平成29年度、内閣府が実施した「障害者に関する世論調査」にて共生社会について「知っている人」は46.6%、「言葉だけは知っている人」は19.6%、「知らない」人は33.7%という結果になっています。

このことから半数近くの人は知らないか、言葉を知っている程度ということになります。

一方で、「障がいのある人が身近で普通に生活しているのが当たり前だ」という共生社会の考え方について「そう思う」とする人の割合は88.3%となっています。

上記を合わせて考えると、「共生社会」については「あまり知られていないが、考え方としては受け入れられている」といえそうです、

一方でSUPLIFEさんの現場では次のような声が聞かれています。

・障がいのある子が周りにいないので、どう接してよいか分からないし、怪我をさせないか等心配。
・障がいのある我が子が、イベントで迷惑かけないか心配だし、周囲の視線も気になる。障がいのある子限定のイベントのほうが気兼ねなくてよい。

これらの声から「障がいを持たれた方を実際に目の前にした時にどうしていいかわからないことがある」という数値で見えてこない現場の感じが掴めてきます。

また、視点を変えると自分が障がいを持つ子供の親という立場では「共生社会」が大事と思っていても、周囲の目が気になるというの本音じゃないでしょうか?

このような現状に対して、SUPLIFEさんは次のように指摘しています。

日本社会の制度では、子どもの頃から、障がいのある・なしで分けられてしまい、物理的にも精神的にも壁が出来てしまっている

障がいを持つ方と接点がないまま「共生社会」という言葉だけが一人歩きし、「理解が広がる」というのはある意味では怖い事かもしれません。啓発運動と合わせて「共生社会」を体験し、その言葉が持つ本当の意味をみんなで共有していくことが必要なのかもしれません。

これは決して遠い誰かの話ではなく「異なる他者」と付き合っていくことを学ぶという私たちの日々の暮らしの中の挑戦でもあると思います。

SUPLIFEとしての社会課題への取り組み

SUPLIFEさんでは上記で見てきた課題に対して障がいを持つ子どもも持たない子どもも一緒に楽しめる場を開くことで、上記の課題に取り組んでいます。その場が「みんなで一緒に歌って踊ろう」です。

その開催レポートは、次回、小山からお伝えさせていただきますので詳細はそちらに譲りますが、法人の戦略としてはここまで述べてきたような課題へのアプローチとして位置づいています。

さらに、次回以降、明らかになっていきますが、SUPLIFEさんは活動において福祉的価値を大切にすることに加えて、「おしゃれに」「素敵に」楽しめることも大切にされています。

そのようなスタンスがこれまで障がい福祉に関心のなかった人々へ門戸を開いているのではないかなと私たちは感じています。

気になる今後の展開は…?

まずは、法人設立初年度ということもあり事業の安定化する意味で、障がいを持つお子さんが通える居場所の運営とそこにやってくる保護者さんの心理的サポートを継続すること。

そして、「みんなで一緒に歌って踊ろう」のような多様な方が参加できるイベントを実施し、法人の周知を広げつつ、共生社会を当事者やその保護者、加えて家族や関係者に体験を通じて伝えていくことが主たる活動になると思います。

これらは、一見地道な活動に見えるかもしれませんが、もし、自分が障がいを持つ子どもの親になった時に近くに相談ができて、頼りになるチームがいることは心強いと感じられると思います。

SUPLIFEさんが基盤を固めることは今の利用者の皆さんにとって重要なことではありますが、私たちとしては将来世代のためにも重要なことであると考えています。

その上で、まだまだ構想とのことですが、SUPLIFEさんには「コミュニティハウスを創る」という夢があります。

イベントや定期開催の居場所だけでなく、常設で多様な人が集まれる居場所を運営したいとのことです。そう遠くない未来に「共生社会を体現したようなコミュニティハウス」が生まれるというのは1つの希望だなと感じます。

Giftとしては今回のご縁をきっかけとして今後もSUPLIFEさんとお付き合いしていけたらいいなと思っております。どうぞみなさまも一緒に応援していただければ幸いです。

こちらSUPLIFEさんの寄付ページです。こちらも合わせてご覧くださいませ。https://syncable.biz/associate/SUPLIFE/vision

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

文責:Gift 荒川


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26歳 / 大阪在住 / NPO関連で5年勤務 / 全ての声が尊重される政治・社会を創る対話 / フリースクールを最近始める NPO法人 Gift 副代表理事 准認定コミュニティオーガナイザー twitter:https://twitter.com/Ryu27355334
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