日記 2020/05/05 ブックカバーチャレンジ

普段からお世話になっている人からFacebookで #ブックカバーチャレンジ #bookcoverchallengeというのが回ってきた
なんでも1日に1冊ずつ紹介して、その日ごとに別の誰かに繋げるというもの。

繋げる友人は思いつかなかったし(1人頼んだが断られた)、基本的にFacebookはほとんど開かず毎日投稿するのはどうしても嫌だったので、テーマごとに7冊分のブックカバーを一気にあげることにした。

時間がかかりすぎてしまったので、今日はそこに載せた内容をそのまま転載する。

【日記】
石川直樹『この地球を受け継ぐ者へ 地球縦断プロジェクト「Pole to Pole」全記録』

植本一子の『かなわない』、中原昌也の『作業日誌』、坂口恭平の『躁鬱日記』、最近であれば牟田郁子の『校正者の日記』など、日常を綴った日記もとても面白いが、いま読むのであれば、外に出ることができないこのような状況だからこそ、旅行日記がいい。

この旅行を通して撮影された写真がまとめられた『POLE TO POLE 極圏を繋ぐ風』は、石川直樹にとって最初の写真集。できればそちらも併せて読むのがおすすめ。

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【音楽】
鹿子裕文『ブードゥラウンジ』

表紙はモンドくん、校正者は牟田郁子さん。

ライブに行きたい。行きたくてウズウズしている。そんな人はすぐにこの本を手にとって読んだ方がいいです。何度も爆笑することは間違いないし、ときには泣きそうになる。登場してくるミュージシャンの音楽を聴いたことがなくても、そこに書かれている歌詞や描写でライブと同じように興奮してしてくる。

この本にも登場する福岡在住のミュージシャンであるボギーさんのサイトで、この本のサントラも買えます。

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【短編小説】
長嶋有『タンノイのエジンバラ』

長嶋有さんの本はどれもそうだけれど、程よい軽さで何度も読むことができる。たぶん文章のリズムがいいからだろう。この短編小説は特にお気に入り。二度ならず三度、四度再読してもなお面白い。なによりタイトルがいい。『タンノイのエジンバラ』の背表紙を見るだけで手を伸ばしたくなる。

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【長編小説】
高橋源一郎『銀河鉄道の彼方に』

1週間くらい前に読了したばかり。

なんだかよくわからないところも多かったが、いくつかのシーンは強烈に印象に残った。物語は何度も反復する。永劫回帰。宇宙の果てまで。

永遠とは?

この物語で提示されていたものが永遠のひとつの形だとすれば、それはとても恐ろしいものだと感じた。二度目はどう感じるかわからない。また時間を置いて読みたい。

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【絵本】
藤岡拓太郎『たぷの里』

娘に読み聞かせるたびに何度も読むことになる絵本。できれば、僕らが読んでも面白く、なおかつ声に出して読みやすい本がいい。

その点、この本は読みやすい。2、3ページごとに出てくる「たぷ」の言葉で小休止。息継ぎ。「たぷ」と娘と一緒に言って爆笑。響きがいい。「ぷ」の半濁音が発音していて、楽しいんだろう。アンパンマン、プーさん、ピカチュウ、たぷの里。ぱぴぷぺぽの魔力。
たぷの里、顔は凛々しいが、愛嬌がある。登場するごとに「たぷ」と少し揺れる。揺れがあるから少し浮遊感があるのだろうか。

とにかく魅力的な絵本。

たぷの里のTシャツも購入した。

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【写真集】
奥山淳志『弁造 Benzo』

まるで長編映画のような写真集。でも、写真集を閉じた後に襲ってくる感情は、長編映画を観た後のそれとも異なる。映画とは違って、1ページ1ページそこから滲み出るものと時間をかけて向き合えるからかもしれないが、それだけではないように思う。

弁造さんとの日々を書いた本『庭とエスキース』からもうかがえるように、14年もの歳月をかけて作り上げた奥山さんと弁造さんの濃密な関係性がまずあって、自給自足の生活日々や、弁造さんがひそかに描き続けていた絵のことを奥山さんは少しずつ写真におさめていった。

決してありきたりなスローライフといったような言葉で括れるものではない。

写真を通して弁造さんの生活を見るたびに、自分の人生・環境に対する向き合い方や、真剣さ、何かに対する粘りのようなものについて考えさせられる。

コロナ以前・以降どちらにも通ずる普遍性があるように思う。

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【漫画】
石黒正数『それでも町は廻っている』

なかなか寝つけない夜。そんなときは決まって『それ町』に頼る。
何度読んでも面白い。ストーリーに安心感がある。その安心感は、一つは懐かしさから来ているのだと思う。本を読むたびに小中の教室にいるような気分になる。家族が寝静まったあとの暗闇でも読めるように、電子書籍でも購入した。

その安心感に包まれて、きっとまたKindle片手に寝落ちる。

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