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介護スタッフの認知症学会参加の背景とアロマの有用性をインタビュー!

2024年9月27日~29日
第13回日本認知症予防学会学術集会がパシフィコ横浜にて開催されました。
当社は、『アロマテラピーによる介護施設の認知症患者の嗅覚、睡眠とBPSD、介護者の負担軽減への効果』を実証研究し、成果発表のため学会に参加いたしました。その内容はまたご報告したいと思います、が!

しかしそれだけでなく、介護施設での認知症ケアの向上となるヒントを学ぶべく、有志の職員による学会視察研修が行われました。

鳥取大学の研究と当社の検証結果についてはコチラの記事をご覧ください。

学会へ向かうメンバーは「室長」「グループ長」「施設長」などの役職者だけでなく、今回のインタビューの主役である、一般介護職の梶谷さんもいらっしゃいました。
この話を聞きつけた私こと広報、佐野はとっても興味深いと思い、直接お話を聞いてきました!

「はっぴーらいふ高槻」左:梶谷職員 右:石田施設長

梶谷さんはアロマテラピー1級や嗅覚反応分析士も再取得の為再勉強をされているとお聞きしました。どういった経緯で匂いに関する資格に興味を持たれたのでしょうか?

梶谷職員
私自身が20代半ばから体調を崩すことが多く、病院を受診してもいまいち治療の効果を感じることが出来なかったため、色々な民間療法を試してみたんです。そんな折に身近で試しやすいアロマを知り、それぞれの資格を取得しました。8種類のアロマを順に匂って好きな順に並べ替えるだけで、そのときの体調や体質の傾向が分かるんです。たとえば、同じ睡眠不足の方でも「向いているアロマは一種類ではない」という奥深さに、非常に興味を惹かれました。

~趣味の範囲で探求していたアロマが介護現場で活かされるまで~

介護スタッフとして働くうえで、趣味の知識が活かされた場面はありますか?
梶谷職員
はじめは冬至の季節に、利用者様へ季節を感じてもらえる工夫は出来ないかと施設で話題になった際に、保冷剤のジェルを使用して柚子の香りをつけた芳香剤を手作りしたんです。利用者様にも喜んでいただけて、施設の職員ともアロマについて話をする機会が増えました。

石田施設長
匂いって、とても大事ですよね。プラスな印象も与えるし、記憶にも残りますし、利用者様だけじゃなくても、スタッフ自身が匂いでちょっとリフレッシュできるっていうんですかね。
実際に梶谷さんに作ってもらって施設の各階に設置しているオリジナルブレンドの消臭アロマスプレーがあるんですけれども、これを排泄介助のときに使ってるんです。レモン系のさっぱりした匂いなので、これがあるのとないのとでは、介助される側もする側も心の負担は変わってきますよね。

趣味から始まった知識を介護現場に落とし込んでいるんですね!

5種類の精油をブレンドして作られた消臭アロマ。
排泄介助の際はもちろん、来客がある時も大活躍。

アロマを介護現場に活かしながら、学会へ参加した経緯は何ですか?
梶谷職員
施設でアロマテラピーの研究が開始され、とてもタイミングが良かったと思います。この研究のチームリーダーである経営企画室のT山さんが、学会へ参加する職員を役職に関係なく公募されていて、是非私をということで石田施設長が推薦してくださいました。まさかこんな機会に巡り合うとは思いませんでしたが、有難く参加させて頂きました。

石田施設長
アロマといえば彼女の得意分野ですし、施設での検証も主体的に動いてくれていたこともあり推薦しました。
今回だけに留まらず、次回も何かアロマを用いた検証に携わってみて欲しいと思います。今回は7施設で一気に検証したので、次回は高槻エリアだけで小規模に行ってみるとか、色々考えてみるとこれからも楽しみですね。

学会に参加されてどうでしたか?
梶谷職員

ダンス教室の方や、スポーツジム講師の方々が参加していらっしゃって
いろいろな角度から認知症予防に向き合っておられました。
特にダンスを取り入れた認知症予防(コグニダンス)は印象的でした。
イスに座ったまま、手の左右異なる動きをするだけでも、普段の生活と異なる刺激を脳に与えることが出来るのだと感心しました。

あとは、普段同じ会社に勤めていても、接点の少ないグループ長や施設長達の考えも聞くことが出来ました。皆さん介護現場から上がってこられた方々なので、いい経験になりました。

学会参加メンバーの親睦会での写真(左から二番目が梶谷職員)
↑ 登り龍や鯉などの縁起物で文字が書かれる「花文字」。
なんと「ライフケア・ビジョン」と書かれています
グループ長が横浜中華街で自腹で購入。溢れる愛社精神!

特に気になった講演はありますか?

梶谷職員
はい、「認知症は減少した!」というものでした。2012年の認知症患者数は462万人で、過去の推計では2025年には730万人(高齢者の5人に1人)が発症するとされていましたが、蓋を開けてみると2022年の認知症患者数は443万人と減少しているという発表がありました。日々の予防が実績を上げているということを知ったので、予防の為の活動は決して無駄でないのだという救いがありました。

※厚生労働省は2040年には認知症の患者数が802万人に達するという予測を584万人に下方修正しました。

登壇するT山室長
認活アロマの有用性を是非

今後アロマを使って施設でやってみたいことはありますか?
梶谷職員
介護の仕事をはじめて10年ほど経ちますが、やはり介護現場のスタッフは認知症の方への対応に苦労することがあります。
なので、利用者様もさることながら、アロマを職員の負担も軽減できればと思います。たとえば、利用者様向けに、保湿の為のプロペトに精油を希釈してマッサージをして差し上げてみたいなと思います。

たとえば高血圧にはラベンダーやゼラニウム、去痰にはユーカリなど、精油にはいろいろな効果があると言われています。
疲れにも、すっきりしてリフレッシュしたい場合はレモンやローズマリー、リラックスして穏やかな気分になりたいときはスイートオレンジやラベンダーなど、細やかな違いがあります。

インタビューを終えて
今回、一般職の介護スタッフが学会に出席された背景をご紹介いたしました。これは「私たちは、未来へつながる挑戦を応援します」という当社の行動理念を実現したものです。
「はっぴーらいふ」では、これからも積極的に職員にチャンスを提供し、その成長を支援したいと考えます。

今回のような経験を通じて職員が成長し、活躍できる場を提供することで、全体のサービス向上に繋がり、 今後も様々な場面で職員の才能が輝くよう、しっかり支援を続けていきたいと思います。