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映画が大好きということは。



地元の映画館は
小さなビルの2階。


オレンジの手すりの階段に
オレンジの縁取りのドアで


開演10分前にならないと開かなくて
ドアの前で座っている時間は
時間がここにとどまっている時間。


満ちてる気持ちって

それを
観ている
やっている時間じゃなくて

あいだの
その前の
時間でもある。


10分前になって入館。

おばさんはチケットを切って
「ここで待っていて」の小部屋には

時代の波に乗らない
良作だけを選んだ
今後上映の映画のチラシがあって

それぞれの映画のあらすじを眺めていると
世界各国、時代が変わっても起きることって同じなんだな。


おばさんがドアの後ろの暗幕を開けて
映画が始まります。

座るシートたちは
階段上ではなく
前の列たちがそのまま見えて

この暗さって
スウェーデン映画
「憧れ美しく萌え」に出てきた映画館みたい。



映画が好きって
本当に好きっていうことで


画面の遠くの
制作の人たちにも俳優さんにも
伝わったらいいな。

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