
📊 RAGASの評価メトリクスを徹底解説!
🌟 Faithfulness (忠実性) の計算方法
まず、Faithfulness (忠実性) についてです。このメトリクスは、生成された回答が元のコンテキストにどれだけ忠実であるかを測る指標です🔍。具体的には、生成された回答から抽出された各クレームがコンテキストから推論可能かどうかをチェックします。
スコアの範囲:スコアは0から1の間で表され、1に近いほど良い忠実性を示します👍。
計算方法:
まず、生成された回答から各クレームを抽出します。
次に、各クレームが与えられたコンテキストから推論可能かを評価し、その結果の平均を取ります。
💡 ポイント:生成された全てのクレームが元の情報と完全に一致するほど、スコアが高くなり、より忠実な回答と言えます。つまり、ユーザーにとって信頼できる情報提供を目指すための重要な基準ですね。
🎯 Answer Relevancy (関連性) の計算方法
次に紹介するのはAnswer Relevancy (関連性) です。このメトリクスは、生成された回答が元の質問にどれだけ関連しているかを評価します。関連性の低い回答や、冗長な情報が含まれるとスコアが下がるので要注意です❗️
スコアの範囲:高いほど質問との関連性が強いことを示し、より価値のある回答であることを意味します📊。
計算方法:
元の質問と生成された回答から逆算して作られた人工的な質問とのコサイン類似度の平均を計算します。
この評価には、質問、コンテキスト、回答の3つの要素が使われます。
💡 ポイント:コサイン類似度を使うことで、回答が質問にどれだけ的確に応えているかを数値化します。関連性の高い回答は、ユーザーにとって一番重要な部分に集中していることを意味し、無駄な情報が少ないのが理想です。
✔️ Answer Correctness (正確性) の計算方法
最後に、Answer Correctness (正確性) についてご紹介します。このメトリクスは、生成された回答が正解とどれだけ一致しているかを評価する指標で、回答の信頼性に直結します✅。
スコアの範囲:スコアは0から1の間で表され、高いほど正解に近いと評価されます。
計算方法:
生成された回答を正解(ground truth)と比較し、そのセマンティック類似性と事実の類似性の2つの側面を加重平均します。
必要に応じて、評価スコアをバイナリ(0/1)に丸めることも可能です。
💡 ポイント:回答が意味的にも事実的にも一致していることが高スコアの条件です。このメトリクスを高めることで、より「正確で信頼できるAI回答」を目指せます。
📈 実験結果の視覚化と発見
RAGASの評価を行う際には、異なる手法を比較することが重要です。そのため、以下の3つのチャンキング戦略の結果を視覚化したグラフを用いて、各手法のパフォーマンスを分析しました📊。
Semantic Chunkingの結果:
ハイブリッド検索が最も高い忠実性 (0.8684) を示し、非常に効果的な手法であることが確認されました。
基本実装が最も高い関連性 (0.9566) を達成し、関連性の面で優れていることがわかりました。
Topic Node Parserの結果:
ハイブリッド実装では忠実性が0.4632と低く、全体的に中程度のパフォーマンスにとどまりました。
ただし、関連性や正確性は他の手法と比較して安定した結果を示しています。
Semantic Double Merge Chunkingの結果:
LLMリランキングが最も高い関連性 (0.9424) を示し、回答が質問に対して最も適していることを確認しました。
ハイブリッド実装も関連性 (0.9346) で高い結果を示し、この組み合わせも有望です。
🎨 グラフの可視化ツールにはseabornとmatplotlibを使用し、それぞれのチャンキング手法について視覚的に比較できるようにしました。これにより、どの手法がどのメトリクスにおいて強みを持つのかを簡単に把握できます。
🔍 研究目的と手法
この研究の目的は、**RAGワークフローにおけるチャンキング(文書の分割)**の効果を検証することです📚。具体的には、Qdrantのハイブリッド検索と高度なリランキング手法を組み合わせ、チャンキング手法の有効性を評価しました。
使用したアーキテクチャには、以下のツールが含まれます:
LlamaIndex
Qdrant
Ollama
OpenAI
この組み合わせにより、効率的な情報取得と生成された回答の精度向上を目指しました。
📊 評価された主なチャンキング戦略
評価されたチャンキング戦略には、次の3つが含まれます🔍:
Semantic Chunking:意味に基づいて文書を分割し、内容のまとまりを考慮します。
Topic Node Parser:階層的なトピック構造に基づいて文書を分割し、より論理的なチャンクを形成します。
Semantic Double Merge Chunking:固定サイズで文書を分割した後、意味的な類似性に基づいてチャンクを再結合します。
これらの戦略は、各メトリクスにおいて異なるパフォーマンスを示し、それぞれの利点と課題が明らかになりました。
📈 実験結果の詳細
実験結果から判明した主な発見は以下の通りです📊:
Semantic Chunking:
ハイブリッド検索との組み合わせで最も高い忠実性 (0.8684) を示しました。
基本的なSemantic Chunkingが最も高い関連性 (0.9566) を達成。
LLMリランキングとの組み合わせで最も高い正確性 (0.6219) を示しました。
Topic Node Parser:
基本実装が最も安定したパフォーマンスを示し、ハイブリッド検索との組み合わせでは忠実性が低下しました。
全体的に中程度のパフォーマンスを示しました。
Semantic Double Merge Chunking:
ハイブリッド検索との組み合わせで高い関連性 (0.9346) を示しました。
LLMリランキングとの組み合わせで関連性 (0.9424) を達成し、安定したパフォーマンスを示しました。
🔍 最終的な考察と次のステップ
全体的な結果から見ると、Semantic Chunkingとハイブリッド検索の組み合わせが、忠実性と関連性の面で一貫して優れた結果を示しました🌟。一方で、LLMリランキングは正確性において若干優れています。このため、RAGパイプラインをさらに改良する際には、これらのメトリクスのバランスを取ることが重要です。
この実験では、特定のパラメータ(例:chunk_size=128、chunk_overlap=20など)を固定して実施しましたが、これらのパラメータを組み合わせてさらに実験を進めることで、より最適化された結果が得られる可能性があります🔄。今後のステップとして、様々なパラメータの組み合わせを試し、より高性能なRAGシステムを目指すことが考えられます。
📝 次のステップ:この知見を活かして、自分のプロジェクトでRAGASの評価メトリクスを導入し、より質の高いAI回答の提供を目指してみてくださいね!きっとユーザー体験が大きく向上するはずです✨
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